なんというか、かなり興奮する出来事だった.おおげさだが、奇跡的な、と
言い換えてもいいかもしれない.ネットのわずかな情報を参考に、稀少機種
のカメラを修理することができたのだ.この短気な性格の私にも.何事にも
アバウトな生き方の、この私がまさか、けっこう精緻な作業を行ってしまう
とは.作業自体はひどく簡単だった.粘りが発生していた絞りを清掃したら、
見事にうまくいって、まさに不思議と、正常な動作をするようになったのだ.
わずか一日でさえ放置しておけば、このカメラはシャッターを切っても絞り
羽根が完全には閉じきらず、ゆるい動きをしてしまう.数回その動作を繰り
返すと、どうにかほぼ正常な動きに戻る.しかしまたしばらくすると粘りが
出てくるのだ.…レンズの正面から比較的簡単に分解してゆくと、絞り羽根
が露出する.ジッポーオイルで湿らせた綿棒で、丁寧に静かに軽く、汚れの
ような固着ぎみのわずかな異物を拭き取る.すると動きがスムーズに.時間
をおいて、以後何度シャッターを切っても、二度と粘りの症状は出なかった.
こんなにうまく劇的な変化を見ることになるとは考えもしなかった、私なり
のアマチュアのメンテナンス作業.劣化して不具合が発生した箇所は、その
程度が軽く、私でも対応できたのだろう.だが私はかなりうれしかった.
感度400/24枚撮りのカラーネガフィルムの半分を使用.
(残りは、Minolta AL-Eで)
14.寝室 1/50.5.6~ 23?ストロボ art 終盤はフィルター汚れ?
Konica II bm
●レンズ:Hexar 50mm/ F2.8、Hexar 50mm/F3.5
●シャッター:コニラピッドS・B・1~1/500秒
●焦点調節:距離計連動式(ダブルヘリコイド方式)
●撮影距離:1.0m~∞ ●絞り:F2.8 ~ 22
●画面サイズ:24×36 ●カウンター:手動純算式
●サイズ:137×77×67 680g
●当時価格:27000円 ●発売:1955年(昭和30年)
*コニカが、まだ小西六写真工業と称していた1950年代ころに発売
された距離計連動式のマニュアルカメラ「Ⅱbm」~Ⅰ型から沈胴
式を廃すなどの改良を加えた機種らしい.曲線のエプロンは直線的
だったⅠ型より柔らかさを強調したものらしい.実質的にはⅠ型の
後継機のⅡ型をマイナーチェンジした普及機種として、昭和30年に
発売されたモデル.仕様のおもな変更点は沈胴式のレンズをダブル
ヘリコイド方式に.二重露出の防止装置を組み込む.シャッターは
巻き上げ操作時にチャージされず、レンズ部分に配置された専用の
レバーを回転させるタイプに.巻き上げや巻き戻し操作はノブ式に.
(ネット上の仕様などの記事を転載してリライト)
そしてもちろん写りもよかった.露出を考えながらのマニュアルでの撮影に
なるので、頭脳の衰えを防ぐ効用もあるはずなのだ.近年かなり老いを意識
しはじめた私にとっては、あんがい常用に適したカメラなのかもしれない.