なんとも不思議な気分だ.私が入手できたたこと.いまだに信じられない.
非常に希少なカメラ.マミヤのレンジファインダー機種「Magazine 35」
この個体はボディの状態も良く、動作についても問題はない.ただピント
リングが無限遠で合致していない.最短の撮影距離90cmはファインダー
内の二重像が一致する位置が近すぎるような印象.50cmくらいに感じて
しまう.その部分だけが不安.試写の結果を待つことに.…そして、だが、
試写の結果はかなりいいものだった.遠景でも近接の場合でも、ピントの
合焦に異常は感じられなかった.色彩の再現も悪くない.適度にコントラ
ストも効いている.うす暗い室内でもあんがいがんばって被写体をとらえ
ている.逆光ぎみでも光りが乱れることもない.いいカメラだと思った.
フィルムの交換が可能な、マガジン=カートリッジタイプのボディゆえに、
フィルムの装填や取りだしなどで、操作がやや緩慢になるのは仕方ない?
ボディ本体とマガジン部分を分離しないとフィルムの出し入れが出来ない.
最初は戸惑ったが、まあこのカメラの特性だと考え私は受け入れることに.
ボディのデザインもシンプルで好感が持てる.各部の機能も健全.幸運だ.
Magazine 35
●型式:35mm判レンズシャッター式カメラ
●画面サイズ:24×36mm アンバーコーティング
●レンズ:Mamiya Sekor 50mm/F2.8 3群5枚構成
●ファインダー:距離計連動式 一眼二重像式 等倍式
●焦点調節:直進ヘリコイド式 ヘリコイドレバー回転ブライトフレーム付
●最短撮影距離:90cm 有効基線長:38mm
●絞り:2.8~16 ●電池:不要 露出計なし=フルマニュアル操作
●シャッター:レンズシャッター セイコーシャ MXLライトバリュー付
●シャッター速度:機械制御 B.1~1/500秒 ボディレリーズ
●巻き上げ:操作レバー式(操作角180度)自動巻き止め
フィルム枚数計自動復元式 二重露出防止 多重露出可能
シャッターはフィルム巻き上げで自動セット=セルフコッキング
●フィルムカウンター:ビルトイン式 MFX接点切替え=フルシンクロ
●サイズ:139×85×72mm 約890g
●当時価格:30000円 ●発売:1957年
*レンズとボディとフィルムマガジン部が、自由に着脱交換可能.
*カラー時代に先駆けて、カラーと白黒フィルムが即時に交換できる
「カメラのカメレオン」というキャッチフレーズでデビュー.
スライド式に2つのボディが分離する。
*裏蓋は蝶板による開閉式.フィルム巻き戻しはノブ式.
*フィルム巻き上げ表示窓付.フィルムが露光済か否かを示す窓も設置.
*ボディはダイキャスト.絞りクリック付.
*フィルム巻き戻しはフィルムマガジン部を切り離して、
フィルムマガジン部上部の巻き戻しノブで行う.
*フィルムマガジン部の下部には、フィルムカウンターや
ボディロックや切り離しダイアルが付いている.
*カメラ底部にあるノブをunrock位置にすると、フォルム室に遮蔽板
がスライドしてフィルム室ごとカメラ本体から脱着することができる.
当時の広告には「撮影中でも数秒で別のフィルムが使える便利至極の
世界的新製品」とあるらしい.モノクロとカラーフィルムを撮影中に
入れ替えることを想定したシステムのようだが、実際はあまり普及を
しなかった.その主な原因は、当時のモノクロとカラーフィルム感度
の差にあったというが.マガジンを入れ替えた時に露出の変更を忘れ、
適正な露出にならない写真になってしまうことが頻発した?…
(以上、仕様などはネット上から関連する記事を参照およびリライト)