1999

~外れた予言~

草薙新部隊(1)

2007-04-01 23:30:30 | Weblog

私はまたいつぞやの中年女性の家にいた。
脳出血後遺症で寝たきりのままの、
ひとことも話せない、発語さえできない例の女性だ。

中年女性は眠っていた。
女性の夫さんは、
私のためのコーヒーを用意するために台所にいた。

私と女性のほかには、
インコと熱帯魚とプーさんのぬいぐるみだけだった。


(あなたを倒したのは獅子髪の男ですね)

私は尋ねた。返答はなかった。
女性は眠ったままだ。

(草薙は力で監督から実権を奪いましたね)

私は半ば独り言のように話していた。
心の声で。

(1999年が無事に済んだあとも争いは終わらなかった)

女性に声が届いているのかどうかは定かではない。
インコや熱帯魚には届いているかもしれない。

(たしか2006年にも何かの予言がありましたね)

プーさんのぬいぐるみは、
今日も寝たきり女性の拘縮した腕の中で、
ヘッドロックをかけられたままだ。

(2006年をめぐる争いが2001年から繰り広げられた)

夫さんがコーヒーを持ってきてくれた。
私はそれをお茶のように、
またもやガブガブと何杯も飲んだ。

(違いますか?)