FO-29はロケットから分離するとセパレーションスイッチにより衛星に電力が供給され、受信機、アナログ送信機、OBC、バス機器が動作するようにプログラムされています。「その2」でご照会しましたように2個のスイッチを用いて冗長系を構成していますが、メカニカルな機構であることや衛星の表面に取り付けられているため厳しい温度変化に曝されますので長期間の運用には不安があります。このスイッチが不具合を起こすと衛星の電力供給が停止し衛星の生死に関わりますので、衛星の内部にラッチングリレーを搭載しセパレーションスイッチと並列に接続してあります。分離後、衛星からのビーコンテレメトリが受信できたら最初に送るコマンドが、「メインリレーON」のコマンドです。このコマンドが実行されたというテレメトリが確認できれば最初の大きな仕事が完了となり運用関係者は「ほっと一息」付くことができるのです。
FO-29の電力供給源は太陽電池で、放射線に対して強いガリウムひ素太陽電池を使用しています。使用している枚数は、2×2cmのものを770枚。1×2cmを830枚使用しています。太陽電池の表面には厚さ100μmのカバーガラスが貼られています。
設計では打上げ直後(BOL:beginning of life)の発電能力は平均20W程度とのことでしたが、打上げから14年を経過した現在でも20W以上の電力を供給しています。
FO-29の形状は26面体で、その内の1面はカップラーと呼ばれるロケットとの結合部で太陽電池は貼られていません。太陽が当たる方向により太陽電池の発生電力は図のように増減します。衛星の真横から少し上の方向である太陽角70度くらいが最も発電量が大きくなります。
設計では打上げ直後(BOL:beginning of life)の発電能力は平均20W程度とのことでしたが、打上げから14年を経過した現在でも20W以上の電力を供給しています。
FO-29の形状は26面体で、その内の1面はカップラーと呼ばれるロケットとの結合部で太陽電池は貼られていません。太陽が当たる方向により太陽電池の発生電力は図のように増減します。衛星の真横から少し上の方向である太陽角70度くらいが最も発電量が大きくなります。
FO-29の日陰率は徐々に増加して2010年12月17日現在、約20%となっています。UVCの動作によりアナログ系送信機が停止することは確実ですが、その時期が「いつ」なのかはバッテリの劣化状況と電力収支によるので予測できない状況です。
今後の運用情報では、FO-29の電源系システムのハードウエアーに触れることなく情報提供を行う事はできません。FO-29打ち上げ前の「JARL NEWS」でミッション機器、バス機器、OBC(on board computer)の概要を紹介しましたが、15年以上前の事ですので運用に関する予備知識として紹介させていただきます。
今回は電源系システムブロック図を紹介します。この図面は「JARL NEWS 1995年4月号」で紹介したものですが、この図面を基に順次解説して行きますのでご期待ください。
今後の運用情報では、FO-29の電源系システムのハードウエアーに触れることなく情報提供を行う事はできません。FO-29打ち上げ前の「JARL NEWS」でミッション機器、バス機器、OBC(on board computer)の概要を紹介しましたが、15年以上前の事ですので運用に関する予備知識として紹介させていただきます。
今回は電源系システムブロック図を紹介します。この図面は「JARL NEWS 1995年4月号」で紹介したものですが、この図面を基に順次解説して行きますのでご期待ください。