FO-29管制局からのお知らせ

「ふじ3号」(FO-29)の運用情報をこのブログを活用して提供していきます。

FO-29電源系の解説(その9 シャント)

2010-12-18 07:08:31 | 参考資料
 余剰電力を熱に変換するヒートヒンクの付いた抵抗器です。搭載機器への電力供給と蓄電池への充電でも余剰名電力がありバス電圧が上昇するとOVC(Over Voltage contorller)が判断してシャントに電流を流して余剰電力を消費します。

【参考】
 方式
  フルシャント方式
 シャント電流
  1.2A(Max)

FO-29電源系の解説(その8 コンバータ)

2010-12-18 07:06:14 | 参考資料
 太陽電池で得られるた電力を必要な電圧に変換するコンバータです。太陽電池の発生電力は衛星の姿勢や温度により変化します。太陽電池ユニットからの電圧は11Vから18Vまで変化しますので搭載機器に必要な安定化された、+10V、+5V、-5Vの各電圧に変換します。なお、アナログ送信機の終段のトランジスターにはバス電圧を供給して電力に余裕があるときには少しですが送信電力が増えるようにしています。

FO-29電源系の解説(その7 バッテリーロジック)

2010-12-18 07:05:18 | 参考資料
 蓄電池は経時劣化により充放電特性が変化します。フル充電とトリクル充電の切り替え電圧は、電池劣化の状況に合わせて3段階切り替えられるようになっていますが、現在は最終段階の「PCUレベル3」で運用しています。
PCUレベルと各切り替え電圧は下記の通りです。

PCUレベル1  Full -> Tric   Tric -> Full
         15.36V       15.06V
PCUレベル2  Full -> Tric   Tric -> Full
         15.51V       15.21V
PCUレベル3  Full -> Tric   Tric -> Full
         15.66V       15.31V

 また、バッテリーの温度を常時監視して、温度が高くなると蓄電池の電圧に関係なくトリクル充電に切り替えます。(温度トリクルと呼んでいます)

【参考】
 充電電流
  Full充電  0.60A
  Tric充電  0.12A
 温度トリクル
  動作温度と復帰温度は後日メモします。


FO-29電源系の解説(その6 PCU)

2010-12-18 07:04:18 | 参考資料
 Power cintrol unitの略称で電力制御部です。蓄電池の充放電管理が主な仕事ですが、前述のメインリレーやOVCもこのユニットに内蔵されています。また、蓄電池の電圧が低下すると送信機等の電源を自動的に停止して過放電を防止するUVC機能(Under Voltage contorller)があります。
UVCの動作電圧は蓄電池の劣化の具合により2段階あり現在は運用末期の設定である「UVCレベル2」で運用しています。過放電の心配のない電圧に復旧すると自動的にOFFにした送信機の電源を再投入します。

UVCレベル1  UVC動作電圧  復帰電圧
         13.0V    14.0V
UVCレベル2  UVC動作電圧  復帰電圧
         12.3V    13.3V



 

FO-29電源系の解説(その5 蓄電池)

2010-12-18 06:59:53 | 参考資料
 11セル直列接続の6Ahのニカドバッテリーです。ステンレス製の角形ケースの衛星搭載仕様の蓄電池です。この10数年で電池の技術開発は著しく変化しました。この時代は電動のラジコンヘリコプターでさえ重たいニカド電池の時代です。現在、民生機器に多用されているリチウム電池やリチウムポリマー電池を使用できれば超小型の衛星も作ることが出来ますね。