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えー、まとめますと…という感じでよろしかったでしょうか?

ブログ等色々のサイトにチョコチョコ書き込みしている私ですが「多少なりとも纏め的なことが書けたらな」ということでここに☆

最近の神保哲生さんの関心事(と思われる)問題‐原発事故後の日本のエネルギー政策について

2011年12月05日 12時42分17秒 | 考えていること
11月29日頃の『ニュース探究ラジオ Dig』(tbsラジオ)のラジオ・コラム・コーナーで神保哲生さんが以下のような話をしていました。

〈一連のエネルギー関係の委員会の問題というのを分析してきました。
結局、委員会で決まったことが政府案になって国会で議論されるんだけれども、国会で議論される頃にはもう枠組みができてしまっていて、委員会というのは人選を役所がやっていて、だいたいもう人選でほぼどういう答申が出るかというのが事前に分かっているような委員会ばかりなんですよ。
今まさに“福島”を受けてエネルギーの新しい見直しをやっているときにその委員会がいろいろと、特に「原発をどうするか」という議論をしている中で、原発に対する推進派がどこも圧倒的多数を占めていて、反対側が今回は少しは入ったけれど、反対意見というのは少数意見として答申に入らないあるいは両論併記されるけど採用されないというような状態になる可能性が今高い議論が続いているということは、リアルタイムでお伝えしているんだけれども、もう一つ大事な委員会の問題があって。
原発云々はともかくとして、再生可能エネルギーをこれからどうやって日本が増やして行くかが非常に重要なわけですが。それがないと「原発やめる?やめない?」とかいっても「じゃぁ全部化石燃料でやるのか?」という話になったら、co2の問題やコストの面からいってもあまりにも不安定で無理があって。
「再生可能エネルギーをいかにして増やすか」というのはもうはっきりしているんですね、それは“固定価格買取制度(全量全種固定価格買取制度)”というものを作れるかどうか。これは世界で再生可能エネルギーのシェアを増やしている国=ドイツやスペインなど基本的にはこの制度を導入しているかどうか次第なんです。
これを導入できていない国=デンマークなどは一旦導入したんだけれども途中で政権が変わってそれをやめたから急に落ちてしまったということもあったりとか。
これがもうキモなんですよ! これをメディアが「キモだ」ということを言わなきゃいけない。
これをちゃんとやれば再生可能エネルギーがどんどん増える。たとえば10年間とか長期的に買取をやるということを決めれば10年間で回収できればいいから投資ができる。
これが本当に大事なんだけれども、これが菅さんが「やめる」と言った条件の一つの法律だったわけだけれども、最初は再生可能エネルギーの“推進法”“促進法”といわれてたのが“再生可能エネルギー(特別措置)法”になっちゃったりしたんだけれども、とにかく法律はできたわけです。
その中で「“買取にすること”は決めても“買取価格”は後から政省令で決める」と書いていて、これをいくらにするかによって(再生可能エネルギーの供給量が)伸びるか伸びないかがはっきりすることになるというわけで、だからここが一番“キモ”なわけです。
そのキモとなる買取価格について議論する“調達価格等算定委員会”の5人の委員のうち3人が固定価格買取に否定的、反対の人が選ばれちゃっているわけです。
法律には「中立的な人物を選ばなければいけない」と書いているのにです。それでngoの方々が抗議の記者会見を開いたりしている。ここをメディアが報じないとダメ! ここがキモなんです! ここをメディアがすぅっと素通りしてしまっているところが僕は非常に不満だし、罪深いことだと思う。このメンバーで委員会ができちゃったらまぁ、だいたいどんな内容になるかは分かっていて、「国会でもめる頃にはもう遅い」ということになってしまう。つまりこのまま政府が出したメンバーが通ってしまうと今後日本で再生可能エネルギーの普及は進まない可能性が高いですよと言いたい。〉

それで、その後「www.videonews.com」のサイトの番組の中で、「とりあえず朝日の社説で取り上げられたことはメディア的には一つの明るい材料だ」のようなことを言っていたので、web検索で記事をチェックしてみました。

 (朝日新聞社説 12月2日)
〈再生エネ委―こんな人事に誰がした
 太陽光など再生可能エネルギーを大きく増やす電力買い取り制度が来年7月に始まる。その要となる「調達価格等算定委員会」の人事案に、環境団体や自然エネルギー推進派の議員から疑問の声があがっている。
 提示された委員候補5人のうち3人が、法案の成立や制度のあり方に否定的だったり、消極的だったりした人物で占められている、との指摘だ。
 この委員会は、電力会社が再生可能エネルギー電力を買い取る際の固定価格を審議する。経済産業相が、その意見を尊重して価格を決める仕組みだ。
 価格を高くすれば自然エネルギーへの投資を促す。半面、電気料金に上乗せされるため、家庭や企業の負担は増える。
 委員会の設置は政府提出の法案にはなく、民主、自民、公明3党による修正協議で決まった。中立的で透明な手続きで価格を決める必要があるとの判断からだ。国会同意が必要な委員の人選についても「3党が誠意をもって対応する」との政調会長合意が交わされている。
 このため、委員人事は表向きは経産相が国会にはかった形だが、3党から前もって推薦してもらったという。民主党が野党時代に日銀総裁案などに反対を続け、国会が紛糾したような事態を避けたいという思惑があったことは想像に難くない。
 人事案でとりわけ問題視されているのが、新日鉄の進藤孝生副社長だ。
 買い取り価格が過大にならないよう、需要側の意見を反映することは大切だ。しかし、進藤氏は国会に参考人として呼ばれた際、「電力多消費産業」と自らの立場を述べ、負担が重くなる法案成立に難色を示した。
 その後、電力を大量に使う事業所は電気料金への上乗せ分が8割免除されることになったものの、「制度反対」の先頭に立っていた業界代表だ。
 委員会を推進派で固めろとは言わないが、立法の趣旨とは異なる人選ではないか。進藤氏は委員長含みとされているので、なおさらだ。
 震災後、買い取り制度の重要性は大きく増した。原発依存度を下げるうえで自然エネルギーの普及は喫緊の課題だ。震災前の法案を、そうした変化を踏まえて充実した中身に仕上げたのが与野党協議だった。それだけに、この人事案は残念だ。
 自然エネルギーの新規参入や業務拡大を促すためにも、委員会人事で停滞している余裕はない。経産相は人事案を取り下げて、あらためて3党と協議してはどうか。〉

ぼくは思いました。やはりマスコミというのは、何か国民に不利益をもたらしそうな法律の制定に関して、国会で法案可決直前になって一斉に騒ぎ立てて「一応マスコミとしての責務は果たしましたよ」という顔をしておしまいにしてしまうのではなく、ちゃんと実際に問題のある法案を止める効果を果たすために“委員会段階”から監視の目を光らせるようにしなくてはならないのだと。
ぼくは「どっちなんだろう?」と思います。大手マスコミの人たちというのは、この国、この社会にとって何が優先して考えなければならない問題かという“問題意識”が希薄な人たちなのだろうか、それとも、問題の核心を突くような報道をするとあちこちに角が立つのであえて直前まで知らんぷりを決め込んでいる確信犯的な人たちなのかということを。