先週、なんとなく本が読みたくなり近所のブックストアへ。
手頃な文庫本がいいと思い、文庫本コーナーに近づいた時、表紙の綺麗な
写真と不思議なタイトルが目に入ってきた。
「スローグッドバイ」。
??・・・・・今流行のスローライフ系かと思った。
手にとると、普通の人達の少しだけ特別な恋を綴った10編の短編集。
「恋」と「短編集」という文字を見て、そのままレジへ向かった。
作者は、直木賞作家の石田衣良(いしだ・いら)さん。
05年に第1刷、08年で第13刷。(3年も前に出てたとは・・・)
1つめの「泣かない」を読んで、自分の直感に感謝した。
彼の文章は自分の感性に凄く合っていて、まるで自分が喋っているような
錯覚になる。
いっぺんに読みたい気持ちを抑えて、1日に1編だけ読む。
その方がいい。
一度に何編も読むとストーリーがごちゃまぜになり、その世界観も純粋で
なくなる。
読み終わると充実感、高揚感と幸福感で満たされるが、何故か物語の主
人公を羨ましく思う。
それは現実の自分と比べてしまうから。
それ程、彼の文章はリアルで存在する感覚だ。
彼の素晴らしい文章とストーリーがそうさせるのだろうけど、読み手の自
分がストーリーを持っていないことが一番の原因かもしれない。