Manabus Column

路地裏から尾根道を行く

イーハトーブへ

2022-11-04 | Weblog
まだ訪れた事がない県、岩手県を旅してきた。
いつもであったらここへ行きたい!という強い願望があるのだが、岩手県は特にそういうものが無い。
去年の高知の旅はガツガツとした旅で、かなりの移動距離によりかなり時間に費やされてしまったので今回はまったり旅とする。

とは言っても全く目的がないのもアレなので、旅の中で感じるのはとにかく日本の原風景に惹かれるのである。
それと僕は宮沢賢治が好きなので、まずは宮沢賢治を感じる地を訪れてみた。



新花巻駅で新幹線を降りると、まあ兎に角その見渡す景色が長閑なこと。
車を借りて穏やかな道路を遠野方面へ走らせる。
左手に見える単線は岩手銀河鉄道だ。




眼鏡橋という古い陸橋があるのだが、ここで列車を待ってみたが一向に橋を渡る列車は来なかった。
一時間に一本?くらいの割合なのか来る気配ゼロ。
ここは『恋人の聖地』に選定されているみたいだが、若い人は「よし行ってみよう」と思うのだろうか?とふと思ってしまう。
昨今であればご当地アニメなんかで盛り上げるしかないのだろうか。

ふと川の向こう側の崖に、黒い何者かの気配を感じた。
何だ!?
一瞬熊か!とドキッとしたが、それはニホンカモシカであった。




何だよ脅かすなよ。
ニホンカモシカは前々から見てみたいなと思っていたが、まさかこんな場所で遭遇するとは思わなかったから流石岩手県だと思った。

車のナビゲーションには、21地割とか24地割とか『地割』という表示が出ている。
これは昔、条例制という区画に番号を付けた名残がそのまま残っている。




そして目立つのが三角形のようになった独特の屋根だ。
多分、豪雪地帯なのでその雪が屋根に積もらないようにそのような形状なのだろう。




刈り入れられた田んぼや畑などで野焼きをしてるからか、外へ出ると何だか微かな煙の匂いが漂ってくる(悪くはないけど)。
それにやはり出歩いている人が全く見かけない。
長閑といえば長閑だが、農家が多いからかあまり生活感も感じられない。
特に小さい子供をあまり見かけなかった。




岩手県というと東北のイメージで寒いだろうと思ったが、この日は暖かいくらいだった。
村のスピーカーから流れてくるのは「遠き山に日は落ちて」だ。
徐々に日が傾き一人旅情に浸る。







美しいところであった。
ただし、冬は想像以上に大変なのだろう。




もう一度、銀河鉄道の夜を読み返してみようと思った。




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