中村泰被告の無期確定へ 大阪の現金輸送車襲撃事件で

大阪市の銀行駐車場で平成１３年に起きた現金輸送車襲撃事件で、強盗殺人未遂などの罪に問われた中村泰（ひろし）被告（７８）の上告審で、最高裁第１小法廷（甲斐中辰夫裁判長）は、中村被告の上告を棄却する決定をした。決定は２日付。中村被告を無期懲役とした１、２審判決が確定する。
　中村被告は量刑不当などを主張。第１小法廷は「上告理由に当たらない」と述べた。
　１、２審判決によると、中村被告は１３年１０月５日午前１０時２５分ごろ、大阪市都島区の三井住友銀行都島支店（当時）の駐車場で、現金輸送車の男性警備員に発砲。左足に重傷を負わせ、現金５００万円入りのジュラルミンケースを奪った。また、１５年８月、東京都新宿区の貸金庫に拳銃１０丁や実弾約１０００発を隠し持っていた。
　中村被告は１４年１１月に名古屋市で起きた現金輸送車襲撃事件で現行犯逮捕された。この事件で、強盗致傷などの罪で懲役１５年の判決が確定し受刑中。また、昭和３１年には警察官を射殺し、殺人などの罪で無期懲役判決を受け、５１年に仮釈放されていた。