Nokiaのインターネットアクセス端末「Internet Tablet」の新版にはGoogle Talkが搭載され、ユーザーはほかのGoogle Talkユーザーと通話やIMをやり取りできるようになる。
2006年05月15日 10時37分 更新
(ウォール・ストリート・ジャーナル)
Nokiaは自社の携帯ネット接続端末に、GoogleのTalkアプリケーションを追加する。これはGoogleのモバイル通信におけるリーチを拡大する後押しとなるだろう。
Nokiaは5月16日に、Internet Tabletデバイスのアップグレード版にGoogle Talkサービスが搭載され、ユーザーが音声通話やインスタントメッセージを交わせるようになることを発表するとこの計画に詳しい筋は伝えている。このデバイスは携帯電話ではなく、携帯電話ネットワークよりもWi-Fiで依存する。
Googleの広報担当者は、同社は「世界中のユーザーが携帯機器からすぐにGoogleサービス――ひいては彼らの求める情報――に直接アクセスする方法を提供する革新的なサービスを開発するため、業界リーダーと協力することに力を入れている」と語っている。
Google幹部は最近、携帯電話などのワイヤレス機器に自社サービスをさらに拡大することが大きな優先課題だと話していた。同社はMotorolaなどのデバイスメーカーや、Deutsche Telekom傘下のT-Mobileを含む携帯キャリアと提携して、携帯電話向けにWeb検索などの自社サービスを売り込んでいる。Google Talkは既に、Research In MotionのBlackBerryデバイスで利用できる(1月13日の記事参照)。
Nokiaはアップグレード版Internet Tabletを300ユーロ(約385ドル)で世界的に販売する予定だとこの件に詳しい筋は話している。同社はまた、ほかの企業のインターネット通信ソフトを同デバイスに搭載するための交渉も進めている。「当社はすべての主要デバイスとプラットフォームをサポートするべく取り組んでいる。その一環としてNokiaとの協業は非常に重要だ」とeBay傘下のSkypeの広報担当者は語る。SkypeはGoogle Talkと競合するソフトを提供している。
新しいGoogle Talk対応Internet Tabletのユーザーは、Google Talkソフトを使っているほかのNokiaユーザーやPCユーザーに――携帯電話のように直接同デバイスに話すか、ヘッドセットを使って――電話をかけることができる。しかし一般の電話と通話することはできない。
このデバイスはNokiaが2005年9月に発表した「Nokia 770 Internet Tablet」のアップグレード版。これはNokiaが携帯電話以外で初めて投入したモバイルデバイスだ。電子手帳よりも少し大きく、Webページが見やすいように高解像度の大きなディスプレイを搭載している。ビデオや音楽の再生機能も備える。Nokiaはこのデバイスが、当面はニッチ市場にしか訴求しそうにないことを認めているが、いずれこの種のデバイスはマスアピールが高まると見込んでいる。
世界最大手の携帯電話メーカーである同社にとって、Internet Tabletは、携帯電話事業が次第にコモディティ化する中でインターネット通信・エンターテインメントへと戦力を拡大する取り組みの一環だ。それにより、同社はDellやHewlett-PackardなどのノートPCやPDAのメーカー、Apple Computerのような音楽プレーヤーメーカー、カメラメーカーまで、幅広い新たなライバルと戦うことになった。(2006.5.15/IT Media)