石井光太,2024,無縁老人──高齢者福祉の最前線,潮出版社.(7.8.24)
誰もが最後にたどり着く高齢者福祉の“未来”を救え。
刑務所が終の住処 介護虐待 老齢LGBTQ
名もなき墓碑 日雇い老人の街 高度成長の闇
自殺者ゼロの取り組み 長寿日本一の村
今の日本では、〝無縁高齢化゙とも呼ぶべき状況が起きている――!
高齢者たちはどんな経緯で社会から切り離されたのか―
そこにどんな日本社会の問題があったのか―
今こそ目を見開いて未来を変えていく。
世界一の高齢化大国“ニッポン”の行く末をノンフィクションの革命児が徹底取材!
世界最大の高齢化大国に生きている私たちは、もう高齢者の身に起きている現実に背を向ける余裕はないはずだ。
まだ目をそらして問題を先送りにするのか、今こそ目を見開いて未来を変えていくのか。
日本の将来は、読者一人ひとりの決断にかかっているのだ。(著者)
“無縁高齢化”社会に生きる―。「安心した老後を過ごしたい」誰もがそう願っている。誰もが懸命にそれぞれの「時代」を生きてきた。そのはずなのに…なぜ、高齢者は刑務所に入りたがるのか。なぜ、遺族は遺骨を引き取ろうとしないのか。なぜ、廃墟の島に一人残ろうとするのか。なぜ、ドヤ街に高齢者が溢れるのか。いったい彼らは、どこで社会から切り離されてしまったのか…。誰ひとり取り残さない―。福祉の最前線で立ち向かう人々の奮闘に迫る!日本社会が抱える闇に一筋の光を見出す渾身のルポルタージュ!
累犯障がい者、閉山した炭鉱町の住人、釜ヶ崎の元日雇い労働者、セクシャルマイノリティ、ハンセン病の元患者、中国残留孤児等、さまざまな困難を背負った高齢者たちの姿が克明に描かれている。
とくに、ハンセン病の元患者たちの生活史には、胸を打たれた。
第五章では、富山型デイサービス──小規模多機能共生サービス事業が取り上げられている。
第一章 黒い黄昏
刑務所という終の棲家―累犯者
暴力化する介護―高齢者虐待
腐朽する肉体―孤独死
第二章 過ぎし日の記憶
海の怪物との戦記―捕鯨
黒いダイヤの孤島―炭鉱
第三章 日本最大のドヤ街の今
ドヤ街の盛衰
命の牙城―LGBTQ高齢者介護
名のない墓碑―葬儀
第四章 忘れられた日本人
隔離と爆撃―ハンセン病
闇に花を咲かせる―ハンセン病
祖国は幻か―中国残留日本人
第五章 高齢者大国の桃源郷へ
死の淵の傾聴―自殺
もう一つの実家―介護
村はなぜ、女性長寿日本なのか―寿命