[2022年以後] ぼくらの時代、ぼくらの祖国

島本理生「ファーストラブ」面白く読んだ私は文学に何を求めているのだろう。

島本理生の「ファーストラブ」。机上に積んだ何冊かをパラパラめくっていたが、この作品は2、3頁で引きこまれて手放せなかった。
女子大生が包丁で父親を刺殺した事件について、ノンフィクションの執筆を依頼された臨床心理士が、弁護士と相談しながら女子大生と面会を重ね、事件の真相を明らかにしていくハナシ。
この女子大生が健全な精神を育むことができなかった性的虐待、歪んだ家庭環境や夫婦関係がしだいに明らかになっていく。
文章も構成も素晴らしく、心理学や法律のディテールも興味深かった。子供の虐待や妻へのDVといった重い問題についてもいろいろ考えさせられた。

今年になってハートとの別れや大学ゼミ同期の山本くんの急死などがあって、私の中で何かが変わって小説を読むようになった。
私はこの作品をあまり中断することもなく完読した。面白く読めた、楽しめたということだろう。古典ではない、現代文学をいま私が必要としているということでもあるのだが。
だがあらゆる作風の、ジャンルの作品を面白く読める、楽しめる気はしない。そうとは思えない。
なにを求めているのだろう。
私は。
小説に、現代文学に。







ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「小説」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事