【雲南地域】森林・林業のお知らせ

(島根県東部農林水産振興センター雲南事務所 林業部が伝える情報ブログ)

雲南市掛合町多根地区での鳥獣対策研修会をとおして

2020年03月30日 | 鳥獣

地域自主組織「多根の郷」主催で『獣害について考える』をテーマとして、地区内の自治会(7自治会)で1月下旬から研修会を開催してきました。自治会毎の研修では、“獣害を減らすために、集落をどんな環境にしていきたいか、状況に応じて何か一つでも地域自らが実施出来ることはないか“を目標としました。

研修会の内容として、集落に出没する動物の状況を把握するために航空写真を用いたマップの作成、チェックシートを使いながら集落で取り組んでいることを確認し、今後の対策を設定していきました。

そして3月8日(日)の研修会では7自治会で行った研修会のまとめと、今後実施していくために“何を守りたいか、どんなことなら出来るのかを考え、実施につなげていく機会とするために、鳥獣対策の専門家を招いて講演会を行いました。

講師は、美郷町で婦人会の方たちと鳥獣対策で深く関わっておられる通称“雅ねぇ(井上雅央先生)”です。

専門家(通称:雅ねぇ)によると「鳥獣対策で大事なことはただ餌付けをやめていくだけ」、「動物の生活は昔から変わっていない『安心して食べれるところに住みたい』と思っている。毎年出る田んぼや被害を受ける集落は、集落が動物を餌付けしたから、悪いのは動物ではなく人間側に原因がある。」

「鳥獣対策は強制してやるものではなく、やってみようと思う人から始めることが大切。面白そうにやっていると情報が全員に広がり、みんなでやるようになる。」とおっしゃっていました。

地域の方にとって、鳥獣対策への考え方を見直すきっかけになったと思いました。

実際に対策を行っている場所で現地研修も行いました。「イノシシは下の写真左側の様な青草も食べるので、9月上旬以降は草刈りをせず写真右側の様にチガヤやススキといった生えても枯れる餌にならない草にする。」、「木の枝を切るときは上の枝を切るよりも動物の目線にある枝を切るようにして人の膝から下の見通しを良くする。」

地域でできることからやってみて、行政も地域と一緒になって取り組んでいく。上手に手抜きをして楽しく、長続きする鳥獣対策を地域みんなで始めて欲しい。」と専門家からアドバイスをいただきました。

ただ「草刈りをしましょう」ではなく、効率よく、効果的な手法の説明もあり、参加された方は大きくうなずいて聞いておられました。

今回の研修会に参加された方からは、「サルの追い払いを地域で連携してやっていきたい」、「冬の草管理を見直していきたい」など前向きな反応が見られました。

今後も雲南市と協力しながら、今回の研修を活かして長続きする鳥獣対策が出来るように、また多根地区での取り組みが周りの地域へ波及していくよう、引き続きサポートしていきたいと思います!

 


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