猫田たま男くんのまともな仕事をよこせ!ブログ

「日本版エグゼンプションは死を招く」改め、労働のトピックスなどを紹介(08年5月リニューアル!)

派遣法改正に対する批判を切る(その3)

2008年06月10日 | 意見
「緊急」を挟んで3回目。今回の批判は「派遣がなくなると仕事がなくなる!」というもの。
たしかに、派遣がなくなれば、派遣会社の内勤社員の仕事はなくなります。しかし、派遣労働者の仕事がなくなることはありません。なぜなら、派遣は雇用を創出しているわけではなく、労働者と仕事を結びつける「労働力の需給調整システム」であって、それ以上でも以下でもないからです。
たしかに、民間の行う労働力需給システムには一定の役割があり、必要性もあるという点は否定しません。
しかし、現在のようになんでもかんでも派遣で、というあり方には疑問が残ります。
なぜなら、その結果として、派遣労働を雇用調整が容易なシステムとして活用している派遣先が少なくない現実をみているからです。そして、現在のようななんでもかんでも派遣でできるようにしたいという要求は、主に雇用調整が容易な労働力を確保したいという派遣先の都合によるものだと考えるからです。
たしかに現在の状況に一定の規制をかけるとなれば、一時期は混乱が生じるかもしれません。しかし、この場合混乱するのは派遣労働を都合よく使っていた派遣先。しかし、その派遣先も労働力の確保をしなければならないとなれば、他の方法により確保せざるを得ず、結果として別のシステムなどが現在の派遣に代替するようになるには、それほど時間はかからないのではないかと考えます。
例えば、派遣が広まる前は、日雇や短期のアルバイトを求人誌で集めていましたよね? その当時に戻ればいいだけ。必要な人数が集まらなくなるのでは? との意見もありますが、現在の日雇い派遣でも必要な人数は集まっていません。労働力を確保する方法が変わるだけなのです。