猫田たま男くんのまともな仕事をよこせ!ブログ

「日本版エグゼンプションは死を招く」改め、労働のトピックスなどを紹介(08年5月リニューアル!)

グッドウィル廃業に伴うキャンペーン~廃業で済むと思うなよ!~

2008年06月29日 | お知らせ
グッドウィルは、7/31を目処に廃業と発表しましたが、6月末には事実上支店機能をなくし、支店長以外は合意退職(?)、支店長は7月末まで残務整理するとの情報が支店長からの相談の中で寄せられました。
定番で入っていた日雇い派遣労働者については、7/1から直接雇用に切り替える作業が進められているようですが、「直接雇用に切り替わった労働者には有休を認めるなという指示が本社から出ているが、取らせてやりたい」という支店長からの相談でした。
グッドウィルユニオンでは、以下のキャンペーンに取り組み、グッドウィルユニオンのブログなどで呼びかけていきます。
グッドウィルユニオン説明会でも詳しく説明します。
次回の「グッドウィルユニオン説明会」7/12(土)19:00~派遣ユニオン
【有給休暇を全部取ろう!キャンペーン】
グッドウィルでは「有給休暇を取るときは前月20日までに申請すること」「社会保険に加入していないスタッフは月15日までしか有休を取ってはいけない」というルールになっていますが、労働基準法上はこのルールを守る必要はありません。
廃業により有休を消滅させるぐらいなら、その前に全部有休を取得してしまいましょう。
有休は前日の申請でもOKです。
もし申請した有休の賃金を支払わなかったら、労働基準監督署に申告しましょう!
【雇用保険をさかのぼって加入しよう!キャンペーン】
1年以上、定番の仕事に入っていたのに、雇用保険に加入していなかったら、さかのぼって加入することができます。
登録支店の管轄のハローワークに行って「確認請求」(雇用保険被保険者資格確認請求)を行ってください。
雇用保険の加入資格があることが確認されれば、ハローワークからグッドウィルに対して、さかのぼって雇用保険に加入させるよう指導が行われます。
過去の雇用保険料はかかりますが、月々の保険料は月収の6/1000ですので、例えば20万の月収で1200円。
廃業により失業してしまう方は、わずかな保険料で雇用保険給付を受けることができます。
ハローワークで「確認請求」しよう!

派遣トラブルホットライン開催!

2008年06月26日 | お知らせ
NPO派遣労働ネットワークの主催で「派遣トラブルホットライン」を6/28(土)・29(日)12:00~20:00に開催します。
電話番号は03-5338-1266です!
派遣期間制限問題、いわゆる違法・脱法のクーリング期間と合わせて、グッドウィル廃業に伴う不安などの相談にも対応します。お困りの方は是非、お電話を!また、お困りの方をご存知の方は是非、おススメしてください!
朝日新聞では事前のお知らせが載りそうです。

グッドウィル廃業へ

2008年06月26日 | お知らせ
人材派遣大手グッドウィル・グループ(GWG)は25日、違法派遣を繰り返してきた子会社の日雇い派遣大手グッドウィルを7月末で廃業すると発表した。
これを受けて、派遣ユニオン・グッドウィルユニオンは、以下の声明を公表しました。
【グッドウィル許可取り消し・廃業方針に関する声明】
○失業する労働者の救済~日雇い雇用保険の遡及加入で「あぶれ手当」の受給を!
違法派遣や賃金不払など違法行為を繰り返してきたグッドウィルに対して派遣事業許可取り消し等の厳しい処分が出されるのは当然のことである。
しかし、1995年以降、違法派遣を繰り返しながら拡大してきたグッドウィルを放置したばかりか、1999年の派遣法改正によりグッドウィルが行う事業を合法化して急成長に拍車をかけた国の責任は極めて大きい。
もっと早くこのような違法派遣を取り締まっていれば、グッドウィルで働く労働者が数千人、数万人規模まで膨れ上がることはなかったし、許可取り消しによって大量の失業者を生み出すようなこともなかった。
また、グッドウィルで働く日雇い派遣労働者が日雇い雇用保険に加入していれば、失業しても当面は「あぶれ手当」の受給により当面の生活を凌ぐことができたはずだが、厚生労働省は、グッドウィルが日雇い雇用保険に全く加入させていない状態を承知しながら、それさえも放置した。
許可取り消しまたは廃業により、雇用を失い、生活の道を立たれる労働者の救済が何よりも優先されなければならない。
○グッドウィルの許可取り消しでは低賃金・不安定雇用の問題は解消しない-派遣法の抜本改正を!
現在、グッドウィルが行ってきた港湾業務などの違法派遣は、日雇い派遣事業を行う同業他社に流れていっている。
つまり、グッドウィルの派遣事業許可を取り消しても、日雇い派遣が抱える違法派遣の実態、日雇い派遣労働者が抱える低賃金、不安定雇用、労働災害の多発の問題は解決しない、
舛添厚生労働大臣も「日雇い派遣の禁止」を口にするようになったが、今後は、派遣法改正の内容こそが問われることになる。
まず、日雇い派遣に象徴されるような劣悪な働き方の拡大は、1999年派遣法改正による派遣対象業務の原則自由化がもたらしたものであり、派遣法制定当初の趣旨に立ち返って派遣対象業務は極めて専門性の高い業務に限定すべきである。
「登録型派遣」が不安定雇用を生み出している。仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」は原則禁止すべきである。ピンハネに歯止めをかけるためには、マージン率の上限規制も極めて重要だ。
そして何よりも、正社員と同じ仕事をしていたら同じ労働条件を義務付ける「均等待遇」の規定や、「細切れ契約」を禁止する規定など、派遣労働者の権利保護規定を盛り込むべきである。
グッドウィルユニオンは、グッドウィルの許可取り消し、廃業方針に関して下記のとおり声明する。

1、グッドウィル及びグッドウィルグループに、違法行為を繰り返しこのような事態を迎えた責任を取るため、労働者の生活を確保するための賃金保障を求める。
2、グッドウィル及びグッドウィルグループに、未返還のデータ装備費、集合時間からの未払い賃金、労災補償など、労働者に支払うべき賃金等の支払いや補償を求める。
3、厚生労働省に、失業する日雇い派遣労働者を救済するため、日雇い雇用保険に遡及加入させるよう求める。
4、労働者派遣法を抜本改正すべきである。具体的には…
 ①低賃金・不安定雇用・労働災害の多発を生み出す派遣制度の規制
  ・派遣対象業務の専門業務への限定
  ・登録型派遣の原則禁止
  ・マージン率の上限規制
 ②派遣労働者の権利保護
  ・同じ仕事をしている派遣先労働者との「均等待遇」
  ・「細切れ契約」の禁止

各党トップに聴く、いまこそ派遣法改正希望のもてる働き方を!

2008年06月22日 | 報告
舛添大臣の「臨時国会での派遣法改正、日雇い派遣の原則禁止」発言、そして「在り方研究会」も大詰めとなりました。
「格差是正と派遣法抜本改正を実現する連絡会」(派遣ネット・ガテン系連帯・全国ユニオン・全日建)は、昨年から計4回の院内集会を開催、各野党や公明党と派遣法の抜本改正を求めてきました。
この度、7月25日(金)6時より御茶ノ水総評会館で「各党トップに聴く、いまこそ派遣法改正希望のもてる働き方を」を開催することになりました。
野党各党の党首クラスの参加を呼びかけたところ、社民党福島党首、共産党志位委員長、国民新党亀井幹事長の出席が内定しています。民主党に要請中、公明党や舛添え大臣にも招請状をお出ししています。資料代500円です。ぜひ参加してください。
それにしても…公明党や舛添大臣が来なくても「まあ、そんなもんだろう」って感じにはなりますが、民主党はだれが来るんでしょうね? マスコミも多く来ますから恥かしい思いをすることがないように期待したいです!

炊(かしき)と派遣労働者

2008年06月21日 | 意見
幕命により択捉航路を開き蝦夷地物産売捌方となり、函館の北洋漁業の基を築いたといわれる高田屋嘉兵衛の生涯を描いた司馬遼太郎先生の著作『菜の花の沖』を読んでいます。
その中で「炊」という言葉が出てきます。「かしき」と読みます。これは最下級の船の乗組員のこと。読んで字のごとく飯炊き係兼雑用、そしていじめられ役。炊の頭は殴られるためにあると言われるほどポカポカ殴られたようです。こんな扱いですから、まさに人以下。ネズミ退治用に乗船させている猫よりも下、とまで言われていたそうです。
翻って、現在の日本の派遣労働者。時代背景は異なるので単純な比較はできませんが、江戸時代の炊と現在の派遣労働者を比べれば派遣労働者のほうが経済的に恵まれているといえるでしょう。また、殴られるようなことは滅多にないでしょう(たまにはあるかも?)。しかし、炊にあって派遣労働者にないものがあります。それは「希望」です。
炊はいわば船員になるための儀式のようなもの。2~3年もすれば炊から、いわばキャリアアップでき、将来は船頭になれるかもしれないという「希望」がありました。しかし、現在の派遣労働者、特に製造現場で働く派遣労働者の多くには、このキャリアアップの仕組みがなく、このままだと一生、賃金も上がらず、物をつくるパーツのような存在になりかねません。しかも、その足元で確実に拡がる「絶対的な貧困」。不安になるのが当たり前です。
こうして比べていくと、むしろ現在のほうが江戸時代よりも劣っているところがあるのかもしれません。いつの間に、日本の社会システムは退化したのでしょう? それともこれが「国際競争力の強化」を追求した結果なのでしょうか? そろそろ江戸時代に追いつくことを考えましょう。

心のタメをつくろう!

2008年06月19日 | 意見
昨日付けの記事で、心の「タメ」の話を書きました。
この心の「タメ」には、その人のパーソナリティも影響すると思います。
そしてパーソナリティーは、DNAに加えて生まれてからのその人の経験の積み重ねが形成しているという考え方があります。そうだとすると、その意味では生い立ちは重要なファクターになり得るでしょう。
しかし、生まれてからの経験の積み重ねですから、社会人になってからの経験も、パーソナリティーを補強あるいは修正するものでしょう。
働く場で大切にされた経験がない――あるフリーライターは、不安定雇用で働く若年者の現状をこう表現しました。そうだとすると、劣悪な労働条件で働いている人の中には、就職する以前に蓄えた心の「タメ」だけで、生活している人もいるかもしれません。
秋葉原の事件の加藤容疑者には、就職の前の心の「タメ」の少なさに加え、働く現場で大切にされた経験のないことが、複雑に絡み合っていたような印象を受けます。
しかし、就職する以前の心の「タメ」はほんのわずかでも、就職して仕事を覚え、腕を上げて…という中で、自分のかけがえのなさを実感できるようになり、心の「タメ」を蓄えていくことも可能なはずです。
このパターンでは、仕事が趣味になって過重労働に陥ることは避けたいところですが、今でも「職人」と呼ばれる世界には、こうしたところも残っているように思います。
しかし、不安定就労ではこうしたことは期待できません。特に派遣会社に雇用されて派遣先で働く派遣労働は、派遣先で人権も含めて軽視されがち。最近はだいぶ変わってきましたが「体調が悪いので、保健室で横にならせてください」という派遣労働者の申し出に対して「あなたは派遣だから使えません」といわれたという話もあります。また、ある工場のラインでは毎年夏に複数名の派遣労働者が熱中症で倒れているといいます。
要するに、心の「タメ」をつくるどころか、蓄えを奪う要因には事欠かないといった始末。こんな状況で働き続けていたら、就職する以前にしっかり心の「タメ」を蓄えてきた人でも、早晩エンプティになるかもしれません。
こうした「タメ」を奪うシステムを補強する現在の労働者派遣法は、なんとしてでも改正しなければなりません。法律の改正は、一部の有識者や活動家と呼ばれている人だけではできません。もっと、多くの人の力が必要です。「私にはそんな力はない」と思われる方もいるでしょう。ほんのちょっとでいいんです。小さい声でも、小さい力でも、たくさん集まれば大きな声に、大きな力になります。
それぞれが、できることを少しずつ積み重ねていくための運動があります。あんなのこんなのああいうのこういうのもあるんです。
こうした運動を通じて人とのつながりができていく――まさに一石二鳥なんですけどね。
ちなみに、タメの話の本家である湯浅誠さんの話はこちらをご覧下さい。

心のタメ

2008年06月18日 | 意見
すいません。まだ読んでいませんが、快調に刷り増しを重ねている湯浅誠氏の著作の岩波新書の『反貧困』。この中に「タメ」という言葉が出てくるんだそうです。
これは、毎月あるいは毎日の生活がまさに自転車操業なので、身体を壊して働けなくなる、あるいは突然クビを切られたなどでわずかでも働けない期間ができると、瞬く間に生活が立ちゆかなくなり、ある人はネットカフェ難民になったり、またある人は路上生活者になったり…という状況を生活に「タメ」がないと表現しているということのようです。
一般的に安定した雇用でまじめに働いていればわずかでも蓄えができ、簡単にはこうした状況に陥ることはないのですが、不安定雇用で働く人にはこのわずかな蓄えができません。
本来であれば、まさにこのような場合にこそ生活保護の支給により、生活の建て直しを図り、自立を支援することが必要なのですが、必ずしもそうはなっていません。
また現在、正社員で働いていたとしても、いつリストラの名を借りた解雇の通告をされるかわからず、いったん解雇されてしまえば、同じようなタメのない状況に陥りかねません。
まさに一寸先は闇。そして、こうした「タメ」は生活だけでなく、心にもなくなっているように思います。
生きていれば、様々なネガティブな出来事を避けて通ることはできません。そして、こうしたネガティブな出来事によって、落ち込んだり、自暴自棄になったり…ということもあるでしょう。
こうしたときに、夜中までやけ酒につきあってくれる友人や、やさしく抱きしめてくれる家族…こうした人と人とのつながりは、まさに心の「タメ」だと思います。そしてこうしたつながりが、自らや他人を死に追いやるなどの行為を踏みとどまらせている大きな一因ではないでしょうか。
自殺者が3万人超え続けていること、キレやすい人が増えているといわれていること、そして秋葉原での無差別な殺傷事件、これらの背景にこうした心の「タメ」がなさを感じます。

正社員クラブ

2008年06月17日 | 意見
日雇い派遣で働く派遣労働者が加入している派遣ユニオンには、KDDI国際電話センター「KDDOエボルバ」で働く時給制契約社員も加入しています。
高いスキルと臨機応変な対応が要求される国際電話のオペレーターの労働条件は、信じられないくらい劣悪。5月にテレビ東京で放送された『ガイヤの夜明け』でもそのワーキングプアな実態が紹介されていたところです。
ところで、KDDIにはいわゆる「正社員組合」である「KDDI労働組合」があります。
そこで正社員と非正社員の間で広がる格差、足元で拡がるワーキングプアに歯止めをかけよう!ということで、先日、派遣ユニオンが支援を要請しました。
しかし、正社員組合は派遣ユニオンからのこうした取り組みへの支援を正式に断ったそうです。
理由は「まずは自分たちの環境をよくしてからでないと、対外的な応援は無理。足元を固めるのが先」とのことだそうです。
KDDIの正社員の「足元」っていったいどこなんでしょうね?
個人的には、このような対応には呆れるばかりですが、もしかしたらこれは大手労働組合の多数派なのかもしれません。
ちなみに、派遣ユニオンでは5月7日に連合「非正規労働センター」に支援要請をしていますが、1カ月以上経った現在も返事がないそうです。
連合はいつになったら「正社員クラブ」の汚名を返上できるのでしょうか?
もしかしたら「正社員クラブで何が悪い」なんて思っているのかな?

急激、劇的に

2008年06月14日 | 報告
枡添厚生労働大臣が閣議後の記者会見で日雇い派遣を禁止する法案を臨時国会に提出することを表明
厚生労働省に設置した研究会は来月に報告書をまとめる予定。
自体は急激に、かつ、劇的に動き出している。
どうなるかは…お楽しみ?

派遣のマージン規制について

2008年06月14日 | 意見
6月13日(金)に第7回目となる「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」が開催されました。
今回の議論を傍聴して私(たっちー)が気になったのは、派遣の「マージン規制」について。現在、労働者派遣にはマージンに関する規制はまったくなし。このため、極端に言えば、派遣労働者に最低賃金法で定める最低賃金を支払っていれば、どれだけマージンをとっていても違法にはなりません。
一方、労働者派遣に似た仕組みの有料職業紹介にはマージンの規制があります。このため有料職業紹介と同様のマージン規制はあっていいのではないか、と考えていました。しかし、研究会では、派遣労働者に対して個別にマージンを提示することなどによって、マージンをとり過ぎる派遣会社を淘汰していく、という方向で議論が進められています。
たしかに情報公開は必要です。しかし、本当にそれで足りるでしょうか? グッドウィルは、賃金を高くしないと派遣労働者が集まらないが、それでは利益が確保されないためにデータ装備費を天引きすることによって利益を確保していたといった主旨の発言をデータ装備費返還訴訟で展開しています。
日雇い派遣を始めとするこれまでの一連の出来事をみていて、私自身確信を得たことがあります。それは「悪貨は良貨を駆逐する」ということです。そして、駆逐されまいとする「良貨」までもが「悪貨」に転じてしまうのです。
優良な派遣元を育てる仕組みは必要でしょう。しかし、それだけでは現実は機能しません。「良貨」を「良貨」のまま育成するとともに、「悪化」を厳しく取り締まり、市場から排除していく仕組みは、派遣労働者を守るために不可欠だと考えます。
再考をしてほしいなぁ。