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一碧万頃

隅田川に架かる橋① 築地大橋 ー橋梁シリーズ隅田川編ー

橋梁シリーズ 隅田川編

築地大橋

 「隅田川に架かる橋シリーズ」を細々と開始してみたい。

 現在、隅田川橋梁の一部は改修工事がほぼ終了し、新規にライトアップもされるようになった。永代橋や清洲橋は、街灯の部分を架設当初の形に復元して、LED化する作業を行ったようである。このブログでは、適宜、新情報を入れ込みながら、隅田川に架かる橋梁群を河口側から、逐次、簡潔に紹介してゆくことにしたい。

 第1回目は、隅田川の橋梁の中でも一番新しく架設された築地大橋である。東京湾の河口から隅田川を遡行する際、最初にくぐることになる橋梁である。

 隅田川橋梁には、〇〇大橋とか「大」の名が付される橋が多い。都内で大きな川と言ったら、やはり隅田川(かつては荒川、江戸時代は大川などと呼称されていた。ただし、最も古い名称では、住田河)で、そこに架かる橋だからだろうか。隅田川に早くに架けられた橋には、「大橋」とそのまんまの名称をよく使っていて、後から名称を変更し、○○大橋としたりしている。一番新しい隅田川の橋梁たる本橋梁は、最初から築地大橋と名称が付けられた橋の一つである。

撮影:2018年12月

「築地大橋」 

構造:3径間 連続中路式鋼アーチ

橋長: 245.00m  幅員:32.3-47.9m  創架: 2014年

 築地大橋は、2018年度(平成30年度)土木学会田中賞を受賞している橋梁であるが、そもそも2014年末には既に完成していた。ただ、利用に供されていなかっただけである。2018年11月に環状第2号線が暫定開通したことにより、この築地大橋もやっと通行できるようになった。

開通前の2017年5月撮影

 新しさを感じるデザイン橋梁であり、アーチリブは14度ほど傾いていて、見た目は手でバスケットの取っ手を広げた感じの設計がなされている。中央径間の部分の歩道の部分も張り出すように湾曲して広がっており、曲面をいろいろと利用したデザインが印象的である。

 この「築地大橋」、すっきりと美しい近代的なデザインだなあと思うものの、隣の「勝鬨橋」があまりにも重厚感を醸し出しているせいか、同じアーチ型でもなんとも貧弱に見えてしまうのがたまにきずである。橋梁創架には莫大な費用が必要となるため、できるだけコストをかけずに橋をかけるという要請もあって、ただの橋梁好きな一市民の希望ばかり述べるのはよろしくないかも知れません。すみません。

 

隅田川に架かる橋梁群

 現在の隅田川本流に架かる橋梁は、河口から、①築地大橋 ②勝鬨橋 ③佃大橋 ④中央大橋 ⑤永代橋 ⑥隅田川大橋&首都高9号橋梁 ⑦清洲橋 ⑧新大橋 ⑨首都高6号・7号橋梁(両国大橋) ⑩両国橋 ⑪JR総武線隅田川橋梁 ⑫蔵前専用橋 ⑬蔵前橋 ⑭厩橋 ⑮駒形橋 ⑯吾嬬橋 ⑰隅田川橋梁(東武花川戸鉄道橋) ⑱言問橋 ⑲桜橋 ⑳白鬚橋 ㉑水神大橋 ㉒千住汐入大橋 ㉓隅田川橋梁(メトロ日比谷線) ㉔隅田川橋梁(つくばエクスプレス) ㉕隅田川橋梁(JR線) ㉖千住大橋(新設上り用) ㉗千住大橋(下り用) ㉘千住水道管橋 ㉙東京電力送電橋(撤去) ㉚隅田川橋梁(京成本線) ㉛尾竹橋 ㉜隅田川橋梁(舎人ライナー) ㉝尾久橋 ㉞小台橋 ㉟隅田川道路橋 ㊱豊島橋 ㊲新豊橋 ㊳新田橋 ㊴新神谷橋 の3938橋である。

 中には、水道橋や送電橋もあり、一般的には人が渡ることのできない橋梁も含まれているが、とにかく墨田川を跨ぐ構造物を挙げている。ちなみに、東京の橋については、東京の橋クラブさんが製作していると思われる「東京の橋ナビゲーション」のサイトが東京の橋を網羅している。すごいとしか言いようのないサイトなので、そちらを見ていただいた方が良いかもしれない。それでも、当ブログでは、ささやかでもオリジナル性を出し、閲覧者の方の利用に供したいと思っているところである。

 なお、橋梁の基本データは、特に断りのない限り、東京都建設局道路管理部、財団法人東京都道路整備保全公社発行の「隅田川にかかる27の橋」(令和元年8月発行)というパンフレットの記載を基にしていることを注記しておきたい。

*2022年4月 東京電力の送電専用橋は、昨年4月から撤去工事を始めていたことがわかりました。もたもたしていたら、撮影が間に合いませんでした。残念です。よって、隅田川橋梁の数も変更となります。

2019年12月8日修正 2020年12月27日 再修正 2022年4月29日 追記 5月31日 修正中

以上

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