ウクライナ戦場で国力を消耗したロシアは分裂の可能性も出てきた。しかし、極東では中国が虎視眈々とシベリアを狙っている。(左)(Photo by Ng Han Guan - Pool/Getty Images)(右)(Photo by MIKHAIL KLIMENTYEV/SPUTNIK/AFP via Getty Images)
- ロシアが敗北したら
5月16日の報道1930(BS-TBS)は「プーチン体制崩壊ならロシア大分裂?欧米で広まる議論の現実味」という刺激的なタイトルに象徴されるように、ロシアがウクライナに敗北して、プーチン政権が崩壊した場合、ロシアはどうなるのかを集中的に議論していた。
タイトルに「欧米で広まる議論」とあるように、欧米では既にロシア敗戦後をにらんだ議論が密かに進行している。まだ戦争が決着していない段階で、気の早い議論だと思われようが、欧米では、この戦争をどう決着させるかを考える上で、様々な場合を想定したシミュレーションを行っている。転ばぬ先の杖の例えもあるように、あらゆる状況を想定して戦略を立てないと思わぬ事態が起こり大やけどをするのである。
そもそも、このウクライナ戦争自体が、あらゆる状況を想定せずに戦略を立てた結果である。事の起こりは、米ソ冷戦の終了だ。米国は1980年代、硬軟織り交ぜた戦略でソ連を翻弄し、遂には東ヨーロッパとアフガニスタンからソ連軍を撤退させ、冷戦終了に持ち込んだ。
ここまでは、米国の計画通りだった。だが1991年のソ連崩壊は、米国にとっても予想外の出来事だった。ソ連はロシアを中心とする15の共和国から成立していたのだが、実態はロシア軍が14の国を占領していたのだ。そこからロシア軍が撤退してしまうと、各国はもはやロシアの命令に服従する必要がなくなり、独立してしまったのだった。
旧ソ連の国々が独立して民主主義国になるのは、米国にとって概して望ましいことなのだが、一つだけ、例外があった。それがウクライナである。
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