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米国の「保護貿易主義」がEUとの「貿易戦争」に発展

2019-03-12 23:13:16 | 米国
2018/6/8(金) 午前 6:19



カナダ・ケベック州シャルルボワ 2018年G7開催地


「安全保障」を理由に今年の3月、米国が中国や日本に対して鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税をかけて「関税引き上げ」を行った以外に、今月1日からEUやカナダに対しても同様の関税を課すと発表したことへの、EUからの報復が始まった。


米国がEUに対しても発動した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限への対抗措置として、米国からの輸入品の最大28億ユーロ(日本円で3600憶円)相当に対して来月から25%の報復関税を課す方針を決定。対象品目をWTOに通告済みらしい。(但しまだ発動前)


その上、鉄鋼品の他、「ハーレーダビットソンのオートバイ」「バーボンウイスキー」など、米国の有力議員らの選挙区の産品への追加関税も行い、トランプ政権への揺さぶりをかける狙いもあるとみられているそうだ。


トランプ政権を誕生させた「反グローバリズム」の潮流をつくっている「ラストベルト(錆びた工業地帯)」などに代表されるような米国民からの支持を得るために、トランプ政権が11月の米国の中間選挙を意識した「保護貿易主義」的関税によって「反グローバリズム」を急激に進めたことが、短期的に、世界貿易との問題を起こしているということである。


こうした「貿易戦争」への懸念から、米議会の超党派は「大統領の関税発動権限を制約する法案」を提出したそうだ。おそらく「ハーレー」や「バーボン」へのEUからの「報復関税」の警告も影響したもよう。EUはさすがに賢いやり方をするものだ。


今日から明日まで(6月8日~9日)カナダのシャルルボワで行われるG7首脳会議での大きな議題の焦点として、米国の「保護貿易主義」への日欧の反発に対してトランプ米政府はどのような対応をするのだろうか。


今年の11月6日に米国議会では、435の下院全議席と上院33議席(総議席は100)が改選され、同時に各地の州知事選も行われ、トランプ政権に対する事実上の信任が問われる。


米国大統領の任期は4年で下院議員の任期は2年、上院議員の任期は6年で、上院は2年ごとに3分の1が改選されるため、大統領任期のちょうど真ん中にあたる時期に選挙が行われることで、「中間選挙」と呼ばれている。


これまでは議会多数派が大統領と同じ共和党で、トランプ政権は政策実現が容易でもあったのだが、中間選挙で議会多数派が大統領と食い違うことになれば、政権の弱体化は当然避けられない。


アジア情勢では、朝鮮半島の安全保障の問題、中国の膨張主義と周辺国との摩擦(南シナ海、東シナ海、尖閣諸島も含めた)問題、中台問題など、日本の安全保障にとって大きな影響力をもつ米国の、しかも安倍政権と連携してきたトランプ政権の中間選挙の行方はそれ故に大きな注目点なのである。


つまり、トランプ政権の「保護貿易主義」への反発が高まる中で、今後「中間選挙」をにらんだトランプ政権の動きは、日本の経済のみならず安全保障にとっても大きな関わりがあるということでもある。


それならば「中間選挙」前の目に見える形での「政権の成果」として、米国の安全保障にも絡む朝鮮半島情勢はどのような思惑なのだろうか。12日の米朝会談ではおそらく進展がみられないだろうし、トランプ大統領は「入口論」を主張しており、「リビア方式での一括非核化」を主張するボルトン大統領補佐官の意見を完全に退けたとも伝えられているのだが。

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