美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

西村 功

2006年07月15日 | 勤務校所蔵美術作品紹介

「待つ人と降りる人1982年80号P」

西村 功(1923-2003)略歴
大正13年10月26日大阪に生まれる。
幼い頃悪性の中耳炎により聴覚を失う。
17歳の頃より中之島洋画研究所へ通い本格的に絵の勉強を始める。
1947年帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)卒業。
西宮に戻り、聾学校で教鞭を執る傍ら創作活動を続け、二紀会、西宮美術協会に出品。
1965年第9回安井賞受賞。
1971年より神戸に住む。
生涯を通して、パリへの取材旅行を続け、パリのメトロ風景など多くの秀作を残す。



神戸から全国に作品を発表し続けた西村氏は、その温厚な人柄から多くの人に愛され、慕われました。また、その作品には、純粋で静かな時が刻まれており、人間愛に満ちた作品といえます。
2006年4月15日から5月21日まで西宮市大谷記念美術館で開催された回顧展「パリを愛した画家―西村功展」に出品された本作「待つ人と降りる人(1982年80号P)は、今は少なくなってきた白煉瓦のパリのメトロを好んで描いた西村氏の作品の中でも代表作のひとつと言えます。
電車がやってきて、ホームを多くの人が行き来する。そんな場所で、西村氏は一人静寂な世界を築いてきました。西村氏は何を視ていたのでしょうか・・・

今回、ご遺族のご好意によって、本校の所蔵することとなりました。




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