25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

死ぬまで未来から

2017年07月28日 | 文学 思想

 明るく、笑いが絶えない。ちょっとした歌や掛け声に喜んではしゃぐ。娘とその子どもたちを迎えて、車の中で、思った。僕はその頃のことは覚えていない。この子らも忘れてしまうのだろうか。その記憶はきっと滲むような白色の絵の具が空色に吸収されてしまうような記憶となり、心の有り様を決めるのではないか。

 僕には同じような記憶がない。リセットされてしまったか、単なる脳細胞が弱いのか、この子らの様子をみていると、幸福そうに見える。たぶん、今、虐待されている子もいる。恐ろしくて、悲しくて泣いている子もいる。おどおどし、気遣い、逃げるにも逃げられない子もいるのだろう。

 今日は、津で、本屋で30分ほどぶらぶらした。四冊お新書を買った。「未来の年表」「応仁の乱」「さらば、民主主義」「高校生物超入門」。カフェで、「未来の年表」の書き出しを読んだ。始めから、厳しいお叱りだった。現在の人口動態からコンピュータで推測していくと、西暦3000年には日本人は2000人になるという。現在の推移をベースにするとそうなるらしい。もちろん、ぼくはいないわけだが、それもわからない。十年すれば、永遠の命が保証されるかもしれない。

 ある市や町の人口が増えるということに成功したという呑気な話ではない。人口の移動の話ではない。日本全体の人口の話である。全体の人口が減っていくルールとそれが及ぼす影響の総体的な流れである。この川のような流れに、誰もが巻き込まれることになる。人口減少のスタートが2016年だった。

 どうせ死んでいないのだから、と言いたくない。死ぬまで、未来から現在を考えたい。



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