25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

舟越桂(かつら)展

2016年03月12日 | 日記

  三重県県立美術館に「舟越桂展」を見に行った。人間の木彫である。素材は楠。眼だけは大理石であり、楠と大理石には色彩が描かれている。

 男像、女像 、あるいはひとつの体にふたつの女性の顔というのもあるし じ上半身が女性で下半身が男性というのもある。像の顔の目と視線を合わせようと、いくぐににもこちらの目の位置を変えてみるのだが、目線が外される。表情はひとつだけど 、見ているのは作為ある作者の意図のように思える。観る順に見ていくと、だんだんと普通の人物像からデフォルメされた 、あり得ない人物像となってゆく。

  人の作品をじっとみる時間。久しぶりの展示会で、別世界に行ったような気になる。

 舟越桂は僕よりひとつ下である。賞を取り続けている。楠の木と出会ったことが大きかったらしい。鉄やブロンズや石膏よりもずっと質感がよい。

 物と出会うという偶然もあるのだ。楠の木が舟越桂に才能を呼び起こしたとも言えるし、舟越の才能が、楠の木を感じとったと言えるのだろう。

  東北大震災から5年。四次産業のものたちが新しい一次、二次、三次産業を牽引しているニュースが多い。なにか驚き、感動させる芸術家も出てくるのだろう。不思議な余韻が今日一日揺れている。

 



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