25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

時間がかかるものだ

2019年02月05日 | 社会・経済・政治
ベネッセ コーポレーションに「アイデア提案」の手紙を書いて送った。組織がわからないので、「総務部 もしくはそれに相当する部署 御中」とした。手紙の中でも、総務部に送れば、一番適当な方にこのアイデアを届けていただけるだろうと思い、書いた。さてどうなることだろう。

 内容は以前このブログでも書いたように語学学習機アプリのことである。二十二年前からこの世界は一歩も進んでいないことを最近知ったことから、アイデアを提案することにした。
 まだ語学学習がテープで行われていた頃、ぼくはオックスフォードやケンブリッジ、アメリカのパラマンウントを訪問し、プレゼンテーションをし、中国やヨーロッパでの展示会などに参加もした。テープ全盛期からテープよりも始末の悪いCDが登場しているときだった。機能のすばらしさは素直に認めてくれるのだが、問題はプレイヤーであった。ぼくの提案する教材には専用の語学学習機が必要だった。

 今、思うとそれが大問題だったのだ。出版社は値の張る機器などは売りたくない。売った経験もない。
 日本でも同様であった。あれから二十二年経っている。プレイヤーという存在は消えた。スマホやタブレットが登場した。アプリというものが登場した。「将棋」「囲碁」「ラジオ」「You Tube」「ワンセグテレビ」ありとあらゆるものがある。ただないのは「語学学習機つき教材アプリ」である。まあ、こういうことは縁みたいなものだから、「わかる人はわかる」し、「わからない人はわからない」から、ベネッセの誰に当たるのだろうと思っておくことにした。

 ベネッセの役員をしていた仕事上の知り合いはもう引退したので、彼には言わず、彼の名前も出さなかった。ただ、ベネッセ側は知らないだろうけど、ぼくが彼の会社に提案した英語の初期学習法-フォニックスの理論」を今ベネッセは使っている。なぜなら彼の上場した会社はベネッセと合併したからだ。五年前に彼と奥さんとで松阪で会って、「あんたはすごい、今オレはわかる、ベネッセも使ってる。これじゃないとだめだ、と言ってる、オレはあんたの提案に乗ったが本当かいなとぼんやりしていたな」と彼は言った。その話を聞いて、そうかあ、ベネッセもフォニックスを導入したのか、と思ったのだった。フォニックスは英語の読み書きの法則である。
 フォニックスをNHKが使ったり、ベネッセが使うようになるまで30年かかっている。日本には「英語教育」(大修館)という雑誌があったにもかかわらずだ。
 新しいことのなかには瞬時に爆発的に広まっていくものもあるが、とてもゆっくりと人間の保守性の中に入りながら変わっていくものもある。ぼくのあのときは20年早すぎたのかと思う。

 さて、今日の朝日新聞に、半藤一利が面白いことを書いていた。新聞の見出しはこうであった。「本土の『防波堤』の発想 今も」である。沖縄についての意見であるが、日本人には「攘夷」が残り、「防波堤」意識が残っているという。また攻め入った隣国を見下し、白人にへつらう。
 安倍政権には期待できないから次の政権で歴史問題の根本的解決を図ってほしいものだ。すでに戦後73年にもかかわらず、ドイツのようにできない日本。外交下手で、領土に過敏。
 時間がかかるものだ。


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