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危うい日経の「戦争せよ」といわんばかりの記事

2017-07-06 07:00:05 | 日記
対北朝鮮 レッドライン捨てたのか トランプ氏の危機(日経電子版)

5日の日経電子版の読まれた記事ランキングで夜はトップが続いていたので読んだが、政治部次長の吉野直也氏の記事で、読みようによっては「トランプは脅すだけでなく、レッドラインを超えたのだから戦争せよ」と主張しているような印象がある(当ブログ筆者からすれば)。有料版なので、全文を読むには会員登録が必要(無料会員でも月10本まで読めます)。
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レッドラインとはその線を越えた瞬間、軍事行動に踏み切ることである。ティラーソン米国務長官は4日の声明で北朝鮮が発射した「火星14」は大陸間弾道ミサイル(ICBM)だったと明らかにした。米本土を射程に収めるICBMの発射実験はレッドラインを越える行為とみられていたが、トランプ政権がすぐに軍事行動に出る気配はない。米側はレッドラインを捨ててしまったのか。
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で始まる記事は、米政府は

▼ICBM発射を強く非難する
▼国連安全保障理事会(UNSC)で、より強固な措置を取る
▼北朝鮮の核保有は断固として受け入れない

としているのに、勇ましい言葉とは裏腹に、「北朝鮮の弾道ミサイル発射という現実と重ね合わせると、軽く、うつろに響く」と指摘する。
そして
「北朝鮮がICBMを実戦配備するであろう5年後には、ティラーソン氏のこれらの言葉は、ほとんど無意味になる。日本にとって悪夢のシナリオは、このまま何もできずに時間が過ぎることだ。1994年の朝鮮半島危機から23年。いまや実戦配備に近づく時間の経過そのものが脅威になる」と断定した。

そして、トランプ政権はこれまでの米国の政権と同様に「対北朝鮮政策の失敗の軌跡をたどる。北朝鮮を説得する気のない中国に過度な期待を寄せ、国連安保理で、効果が薄い制裁や非難声明づくりに時間を空費しているためだ。この悪循環を断ち切らない限り、北朝鮮の脅威はそう遠くない時期に危機に変わる」とした。

さらに「実態が伴わない「圧力」という言葉を連呼するだけでは「圧力」の価値は下がる。この23年間で、その「圧力」という言葉の価値は暴落し、「無力」同然になった。これ以上「圧力」強化を唱えても「無力」を浮き立たせるだけだ」と畳み掛ける。

そして「トランプ大統領が誕生してからもうすぐ半年。北朝鮮の蛮行によってトランプ氏の提唱する「力による平和」は色あせた。最大の政治力の源泉である「予測不能」という畏怖も「予測可能」に堕しつつある。北朝鮮の傍若無人な振る舞いが映し出すのは、政治家、トランプ氏の危機でもある」とまとめた。

結論だけみるとトランプ政権はダメな大統領だ、と言っているだけのようにも読めるが、その理由は言葉だけではだめで、実力行動(=戦争だろう)しろ、とも読める。

署名記事なので、政治部の吉野次長が取材先のタカ派の政治家などの影響を受けた個人的な意見も入っているのかもしれないが、ここまでの記事を日経の媒体で掲載したのには驚いた。日経が森友や加計の一連の問題をそれほど追及しないのは、安倍首相が日銀と年金に株を買わせて株高を促し、新聞の販売に貢献してくれているからという理由でまだわかる。しかし、日経の読者である経済関係者の大半は平和の恩恵を受けてビジネスができて、新聞の読者にもなれるのであり、実際の戦争が起こっていくばくかの得をするのは三菱重工などの軍事関連企業だけだ。意見は自由だが、たやすく、戦争をしろという論調ともとられかねない記事が載ったことには危うさを感じた。

<ソーシャルの反応は以下の通り>
対北朝鮮 レッドライン捨てたのか トランプ氏の危機 (写真=AP) :日本経済新聞