本日、2022年8月27日(土)ですが、12時30分時点の東京電力の送電エリアの全使用電力に占める太陽光発電の比率は25%になりました。
太陽光発電の総量は福島級の大型原発11基の発電能力に相当する、1125万キロワットでした。
岸田首相は原発の新設の方針を打ち出しましたが、大地震列島の日本は原発の立地としてもっとも適さない国です。
むしろ、耕作放棄地を活用して、太陽光発電を整備すれば、発電量は10年で倍にできます。
本日、2022年8月27日(土)ですが、12時30分時点の東京電力の送電エリアの全使用電力に占める太陽光発電の比率は25%になりました。
太陽光発電の総量は福島級の大型原発11基の発電能力に相当する、1125万キロワットでした。
岸田首相は原発の新設の方針を打ち出しましたが、大地震列島の日本は原発の立地としてもっとも適さない国です。
むしろ、耕作放棄地を活用して、太陽光発電を整備すれば、発電量は10年で倍にできます。
本日は、日経エレクトロニクスの野澤哲生さんの記事が、これからの我が国のエネルギー問題を考えるうえでとても参考になるのでご紹介します。
記事ではまず、福島第一原発事故が起きた後のこの10年で日本の電力総需要が10%も減った事実を示します。少子高齢化で経済成長しない国になったことや、大量に電力を使う工場の海外移転、照明のLED化をはじめとする省エネ化の進行などを減った原因として推察しています。どれも定量的なデータはないようですが、我が家でも主要な照明はLEDに変えたので、合点がいきます。なお、日本全国で全ての照明がLED化すると、計算上は、それ以前に比べて照明に必要な電力量は最大で原発17基分(設備稼働率70%で約104TWh)減るそうです。(へえ〜、と思いました)
電力の総需要は右肩下りなのに、6月下旬に東京エリアで電力が逼迫した際に「だから原発再稼働が必要」という政府や一部メディアの論調は、人々に電力設備の絶対量が足りないと誤解を招くと警鐘を鳴らしています。
6月下旬の電力不足の騒動でも実際に足りなかったのは東京エリアだけで、電力の地域間や時間帯での遍在が問題だと指摘しています。時期によっては太陽光の発電を使い切れない九州や四国から大都市圏に電気を融通できるようになれば、電力のひっ迫問題は起きず、もっと早く、電力会社間の融通回線の増強を進めるべきだったとしています。
さらに、今のエネルギー政策が「電気は貯められない」を前提にしている点にも疑問を投げかけています。例え話として、冷凍庫も冷蔵庫もなしに生魚や生野菜を流通させているようなものであり、あるいはビデオデッキが出回る前のテレビ番組の視聴も同様だと指摘しています。映像データをためられる「タイムシフト」の登場で状況が一変し、ビデオデッキが行き渡った結果、テレビは必ずしもリアルタイムで視聴するものではなくなったように、各所に蓄電池が設置されれば、時間帯における電気の遍在が解消され、電気の地産地消も進むと見ています。実際、世界では蓄電システムの大量導入に向けて動き始めていて、米国なども詳細なロードマップを作成したそうです。
一方で、日本では連系線の増強工事が大幅に遅れた上に、蓄電システムについては国レベルの導入計画がいまだ具体化していないといいます。こうした理由から「これを主導すべき経済産業省の機能不全が日本の本当の課題かもしれない」と自然エネルギーのジャーナリストらしく、辛口の視点で結んでいます。
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ニュース&トレンド
猛暑のこの夏、東京電力エリアの昼間の電力消費のほぼ4分の1を太陽光発電が担っています。8月10日(水)の実績を「でんき予報」のデータから見える化して見ました。
晴天だったこの日は午前10時30分から午後1時にかけて、太陽光発電は1200万キロワットを超えて発電しました。原発1基の発電が100万キロワットと言われていますので、原発12基分を太陽光発電で賄えるようになったわけです。この日は最高気温が35.3度の猛暑で、平日のオフィスビルの冷房需要がピークを迎える午後1時過ぎに、全体の消費電力は5400万キロワットを超えてピークを迎えますが、電力需要のピーク時には太陽光がどんどん発電するので、昼間の消費電力に占める太陽光発電の割合は2割を超え、4分の1近くまで上昇しました。東日本大震災での福島原発事故が起きる前は、太陽光発電はほとんど無視できる規模だったので、10年で様変わりです。
全体の使用実積から太陽光発電を差し引いて「太陽光を除く電源」を計算してみると、2つ上の図の灰色の線のようになります。この分は主に火力発電で電力を供給しないといけないわけですが、太陽光発電の普及で、供給側が火力を強めてせっせと発電しないといけない時間帯は、今や昼間ではなく、太陽が沈み、電灯の需要が増える夕方にピークを迎えることがわかります。
民主党(当時)の野田佳彦政権時代の2012年7月に施行された太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)。この制度で「もうかる」と民間は一斉に太陽光発電を始め、今の太陽光発電の供給が実現したわけです。10年後の2022年の猛暑の今年、この制度の効果が見える形で示されています。FITはその後、費用負担が大き過ぎると改められましたが、最近の原油高、脱炭素の流れからは、FITを復活させても経済的にペイする可能性はありそうです。
自民党の菅義偉政権が打ち出した「2050年に日本の温暖化ガス排出量を実質的にゼロ」にするには、もっともっと太陽光発電を増やす必要があります。小池百合子都知事が進める都内の新築物件の太陽光発電設備の義務化に加えて、全国でも耕作放棄地を有効活用して太陽光発電所を増やす必要があるでしょう。電力会社同士がでんきを融通する電力線を太くする工事も進めていますので、日本はもっともっと自然エネルギーででんきを賄える国に変われるのではないでしょうか。