園長室 ~最終第4Q~

練習日【東脊振中】
11月2,6,9,13,16,20,24,27,30
12月4,7,11,14,18,21,28

第5話

2010-08-28 13:08:20 | 日記
兄を捜してスロットコーナーに向かって歩く



距離にして数メートル



あっという間にたどり着く



スロットコーナーはパチンココーナーに比べお客さんがガラガラで案外簡単に発見できた。



『よう!』

と肩を叩くと

【おっ!すまんな!はい、鍵!】

と鍵を渡され受け取る。

ふと兄が打っている台を見てみると、どうやら大当り中らしくコインがじゃらじゃらと台から出てきていた。

忘れもしない…


兄が打っていた台は、あの名機…





『吉宗!!』





当時の私はそんなこと全く知らなかったので気にしてなかったのだが、とりあえず兄はものすごく出していた。

打っていた台の上のほうには専用の箱パンパンにつめられたコイン達が2箱あった。

業界用語で言うところの【カチ盛り】である。

さらに3箱目に突入していた。


スロット未経験の私でも出しているのは一目見てわかった。


気になり聞いてみる


カチ盛りされた箱を指差し

『これでいくらになるん?』

【んぁ、たぶん4万いくかいかないくらいかな】

と兄は言ってきた。





な、何だと……

この一箱で4万…

パチンコは1箱で7千円くらいなのに…


ここで考えてはいけないことを考えたのだ


スロットって儲かりますな…と。


バカである


パチンコの一箱とスロットの一箱を天秤にかけた結果いとも簡単にスロットのほうが溜まるのが早く金額も高いという考えにたどりつくところが


バカヤローである


そして、
一度は心深く封印した脱・ギャンブルはわずか5秒ほどでその短すぎる封印は解き放たれた。


やってやろうじゃん!


もうすでに目が$になった私は本来の目的を忘れていた…


洗濯するために来たんだろ!!

当時の私に言ってやりたい。





本来の目的を忘れ完全にギャンブラー精神に火がついた私はまず


財布を覗いた



財布の中には永遠の友達、夏目漱石さんが4枚入っていた。


スロット未経験だったのでこの金額が勝負するに最適なのかは判断することができなかった。


しかし私は勝負を挑むことにした



GO!の判断をした理由




『初めてのパチンコも3千円で当たったし、いけるだろう』



ただそれだけの単純な理由である。




しかし


やっぱり


ギャンブルの神はまたしても、この単純な僕に、いとも簡単に舞い降りたのだった



気持ちも決まり、スロットコーナーを見渡す。
兄が打っていた『吉宗』は人気みたいで、満席。

それ以外はほとんど座ってなくガラガラ。

歩きながら選び放題であった


何がよくて何が悪いとかの知識もなく、まるで戦場に裸で突っ込むも同然な私の目に日本を代表してもおかしくない、あの有名人をメインキャラクターに採用した台が入ってきたのだった。




続く。