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ひつじ瞑想中…

羊好きが高じて、NZに羊の勉強をしに来ています。
NZでの生活で発見したこと等、NZらしく適当に発信しています。

ぶたログ⑦ 豚舎の掃除 一部悪臭度【高】

2008-02-20 21:29:46 | ぶたログin Australia
あいかわらず時系列がめちゃくちゃのブログで済みません。
時計を戻して、養豚場でのお話です。

3)豚舎の掃除、消毒

毎週木曜に1500頭、隔週火曜に700頭の子豚を導入する前に、
豚舎を掃除しなくてはならない。

豚舎は広――――い上に、糞のかけら、餌のかけら一つ残らず除去しなくてはならないので、
結構時間が掛かります。一人でやると通常1.5日くらいはかかるかな。

大ブタ移動後の空っぽの豚舎をあらかじめスプリンクラーで湿らせておき、
汚れを浮かせておきます。
そこへ高水圧の長い長い長~いホースを使って、あらゆる汚れをほじくり出し、流す!
という単純なお仕事。

これもまた慣れるまでは悪戦苦闘でした。

なんせ水圧がすごいので、ホースを握るのに結構な握力が必要。
3-4時間力を入れて握り続けているので常に両手が痛い…。

これ以上握力を鍛える必要は私にはないと思うのだけど、たっぷり鍛えられた気がする。

また、水圧が高いので、壁やら床やら給餌器に跳ね返った水がかかる。
水が掛かるのはまあ良いとして、う○こで跳ね返った水を
もろにかぶったりする事も多々あり。特に始めはね。

その内慣れてくると水の反射角なども解るようになるから
う○こを含んだばっちいお水はあまり浴びなくなる。
実はそんなばっちいお水にも慣れるようにもなる…。
気にしないの~。

ただ顔や眼鏡に跳ね返るのはやっぱり嫌なので、拭いたいのだけど、
シャツの袖にもう○こが付着していたりするので、
うかうか拭う事も出来なかったりします・・・。

ちょっとばっちいお話ですみませんでした~

この仕事も一人で黙々…なかなか楽しかった。
私は超大雑把だけど、意外に細かい部分もあり、角や隅が気になる。

すみっこのう○ことか、板の間にはさまった汚れとかが気になっちゃうんだよね。
時間かけてでもきれいにすべきか、なるべく早く終らせるべきか、葛藤…。

そんな私の悩み?を解っていたロジャーは、いつも「今日は早く」「なるべくキレイに」
などなど、指示してくれた。素晴らしい上司でした

でも「キレイに早く」って言われた時は、えぇ?って思ったけど、当然そうすべきよね…。

ある日、時間かけて良いからとにかくキレイにして、と言われて喜んで掃除したら、
綺麗さに感激してくれたロジャーが、「ここ(豚舎)でディナーが取れるよ!」
と言ってくれた。とっても嬉しかったのー

ぶたログ⑥ 抗生物質準備 体に悪い度【高】

2008-02-07 20:03:45 | ぶたログin Australia
引き続き、養豚場でのお仕事内容についてです。

2)抗生物質の準備
多頭飼育ということもあり、病気の蔓延を防ぐために毎週抗生物質を投与します。
1週目がAという抗生物質で、2周目はBとCという抗生物質、という具合に
隔週で3種類の抗生物質を準備していました。

食肉処理される時にブタの体内に抗生物質が残っていると、食べた人間に移行し、
耐性菌を生み出しかねないので、抗生物質の残留に関しては厳しく制限されています。
その分、投与する人の責任も重大。出荷日に合わせなくてはいけないしね。

私は抗生物質の準備だけで、投与はしない。投与は常に監督ロジャーの仕事でした。

毎週火曜と水曜にどのペンのブタたちに投与するのかをロジャーが指示し、
そのペン内にいるブタの頭数および体重から抗生物質投与量を算出し、
豚舎ごとにバケツに準備する、という流れです。

この仕事はひとりで黙々とやることもあり、割と好きな仕事の一つでした。

ただ、薬品の種類によっては微粒の粉末のために、どうしても吸い込んでしまうので
体にはあまり良くなかったと思う…。

マスクもあまり意味を成さなかったので、バンダナで鼻・口を覆い、帽子・眼鏡装着という
まるでテロリストという格好で黙々とクスリいじってました。



ぶたログ⑤ お仕事内容について まじめ度【高】

2008-02-04 20:10:06 | ぶたログin Australia
久しぶりにぶたログです。

養豚場で4ヶ月も何やっていたの?とよく聞かれます。
給餌と糞かき?とよく聞かれます。
ところが一度として給餌も糞かきもしたことがないのだよ。

私が配属されていた肥育舎は、築5年と新しく、割とハイテク。
餌はコンピュータ制御され、すべて自動給餌なのです。
時間になると、給餌器にごはんがドドーっと出てくる。

肥育舎内には50kg前後の子豚から150kg級の輸出用肉豚まで、
大小様々なブタがおり、
160頭のブタがいるペンや、20頭だけのペンなどもあります。

そこでペン辺りの給餌量も当然調節しなくてはならないので、
ブタをペンからペンへ移動させるたびに現場監督のロジャーは
オフィスに戻ってペン内の頭数、1頭辺りの体重などを
コンピュータに入力していました。

排泄物に関しては、彼らは石のすのこの上で生活しているので、
落し物はすのこの下の排水溝に勝手に押し込まれる。
というより、実は彼らが踏んだり寝転んだりして押し込んでくれているのだけど…。

そういう訳で、給餌も糞かきもしていません。
で、私の仕事は、
1)餌のテスト
2)抗生物質の準備
3)毎週木曜と隔週火曜に入ってくる仔豚たちのために、豚舎を掃除、消毒
4)ソーティング
5)タトゥー(ブランドとも言う)
6)ドラフティング
7)ペインティング
8)ペニシリン注射
9)ワクチン接種
10)見回り
などなど。

1)餌のテストについて
餌は数種類の穀物をミックスし、半分発酵させたものなのですが、
その餌の状態を毎朝チェックする仕事がありました。

全て機械化されているので、巨大な穀物タンク(サイロ)や発酵タンク、
ミックスタンク等何やら巨大な塔やらタンクやらがポコポコ林立しています。

複数のタンクから色々な飼料が混ぜられ、発酵過程に回され、
ミックスタンクに回され…という一連の流れを覚えるのも大変。
その流れの中で、給餌直前の餌のサンプルを少量回収し、
水分量やpHをチェックしていました。
これがまた、慣れるまで本当に大変だった…。

機械は常に動いているので、コンピュータをみてプロセスを確認し、
餌のサンプルを回収するタイミングを見極めなければならない。
しかも画面ももちろん英語、教えてくれるマネージャーももちろん英語…。

ひとりでサンプル回収が出来るようになるまでに1週間、
忙しいマネージャーに付きっきりで教えて頂きました。

回収したサンプルはpH を計ったのち、オーブンで水分を飛ばし、
次の日に重量を測定して水分量を計測します。これは簡単。
毎朝ブタの餌でビスケットを焼いているみたいでした。

また、掘り抜き井戸から地下水を汲み上げているので、
水の使用量のチェック、水温チェック、飼料消費量のチェックなど、
メーターを見てExcelに入力して記録する仕事も毎朝やっていました。

これくらいのOffice Workで、Administrative and Data Entry Positionの
経験あり、、、なーんて履歴書に書いている私はセコイ???
(というより、Desperateなだけかも…。)

2)以降のお仕事に関してはまた後ほど~~~長くなるからね…。

ぶたログ④ ニッポンどこ?度【高】

2008-01-11 18:44:02 | ぶたログin Australia
養豚場で働いていた約4ヶ月間の内、始めの2ヶ月間は
ワーカーの出入りもほとんど無く、自分以外のワーカーは全てアボリジニ君たちでした。
(現場監督のロジャーとマネージャーのアランは白人)

とにかく彼らの英語は難解だったのだけど、フレンドリーだったし
性格は良かったと思うし、ブタの扱いも上手だったので
割と一緒に仕事をするのは楽しかった。

かれらの教育水準の問題なのか、個人的にお勉強が好きじゃないのかは
よく解らないが、彼らは日本・韓国・中国の区別が付かないらしい。

ま、確かに日本人でもNZとAUSの区別ってあまり知られていないか…。
(NZはオーストラリアの一部だと思われた事も何度かあった。)

ある日、アボリジニのマークに聞かれた事:

「来年のオリンピックは日本でやるんでしょ?」
「カンフーとかやらないの?」
「ジャッキー・チェン知ってるよ」
「いつ香港に帰るの?」

…いや、それは全て中国だよ。


マークに聞かれた事で一番ええぇっ?!と思った質問は、

「子供いるの?」

結婚もまだなんですが…。

こちらでは親の再婚や義理の兄弟(親の再婚相手の連れ子)が居る事は
ちっとも珍しい事ではないし、自分と兄弟は父親が違う、なんて事も
よくある。

お陰で、一緒に義兄弟がたくさん住んでいると、
同じ名前の兄弟がいたりするらしいです。

ムズカシー…。


ぶたログ③ 子豚のこと 愛くるしい度【高】

2008-01-10 21:50:43 | ぶたログin Australia
私が働いていた肥育舎には、毎週木曜に1500頭、隔週火曜日に700頭のコブーたちがやってきます。
同じプロパティ内の、5kmほど離れた子豚舎から、
大型トラックに110匹×3段重ねになってやって来ます。(トラックは5往復する)

子豚トラック。Australian Outbackっぽさプンプンでしょ。かなりでっかいです。

子豚トラック3階建て~。

子豚トラックがコブーたちを乗せてやってくると、
みんな手を止めてコブーたちのために通路を開け(フェンスの開け閉めとか色々大変)、
コブーたちを用意されたペン(フェンスで囲まれた群飼用のケージみたいなフィールド)に誘導する。

大ブタも可愛いが、やっぱりコブーは最高ね。
歩き方、駆け回り方、全てが愛くるしい。
言う事を聞かないで逆走して来ても可愛いから許せちゃう。
(大ブタの時はチクショ~って思う事がある…)

コブーのチャームポイントは後姿だと思う。
大きなお耳をぱたぱた揺らしながら、お尻をぷりぷり振って駆け回る姿は病み付きになります。


子豚舎は土の床らしく、やって来るコブーたちは体中、顔中に土が付いています。
ピンクの体、丸々とした胴体、適度に付着した土。

ぎゅうぎゅうに混みあったコブーたちを見ていたら、
彼らがたくさんのサツマイモにしか見えなくなった…。

養豚豆知識
・品種について
○いわゆるピンクのブタ:ラージホワイト種(大ヨークシャーともいう)、
ランドレース種
○色つきのブタ:デュロック種(茶色に黒のぶち)、
バークシャー種(黒豚)、
ハンプシャー種(黒地で、前腕~肩の周りが白い。←パンダの逆)

・ピンクのブタの方が多産で成長が早いので養豚では多用される。
・色付きのブタの方が大きくなるのに時間がかかる分、肉は美味しいらしい。
・私がお世話になった農場のブタの品種までは把握していないけど、大半はピンクのブタ。
・茶色のブタの方が興奮しやすく、ちょっと扱いづらい時もあった。
・ラージホワイトは立ち耳で、ランドレースは垂れ耳らしい。
・バークシャーのお肉のみが『黒豚』というブランドになるのだよ。
・ちなみに和牛と呼ばれるのは、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種の3種だけ(だと思う)。
・ちなみに国産牛と言うのは日本で育った色んな牛のこと。
ほとんどがホルスタインの♂らしい。

始めの写真は、子豚たちがペンに向かってわさわさ歩いている所です。
デジタルズームだし、こっそり陰から撮ったので画質悪くてごめんなさいね。

ぶたログ②…養豚場のイメージ 養豚場をわかってほしい度【高】

2008-01-03 22:52:39 | ぶたログin Australia
ほとんどの人が踏み込んだことのない養豚場という世界。
ほとんどの人がブタとたわむれたことがないでしょう。
ブタや養豚場のイメージがわかないのは極めて普通です。
大概、養豚場は人家から遠くはなれたど田舎にこっそりあるから。

ブタは多頭飼いにするということもあり、病気が出ると集団感染しやすい。
そのため民家から離れている上に、他の養豚場や動物のいる場所からも離れており、
衛生にも意外と(というよりとっても!)うるさいのです。
けっこう繊細なのよ。

民家から離れているのは、人間の病気がブタにうつる(あるいはその逆)ことを避けるためもあるけど、
第一の理由は匂いの問題なんだろうな~。
養豚場はとってもかぐわしいからね…。(働き始めればすぐ慣れるよ!)

養豚場のイメージは、一言でいえば
‘パンツをはいていない巨大な子供たちの沢山いる保育園’
みたいな感じかな。

ブタちゃん達は喰っちゃ寝、ばかりのLazyな悪いイメージがあるけれど実際はそんな事はなくって
かなり好奇心旺盛で新し物好きで遊び好きです。
仕草や性格が割と犬に近いので、観ていてかなり面白いしかわいい。

人がいると寄って来て、つついたり噛んでみたり匂いを嗅いだりするし、
水播きしていると寄って来て嬉しそうに水浴びするし、
かといって襲ってきたりはまずしないので、見ていて楽しいです。

ブタと仕事をしていて嫌だなと思うことは全くありません。
ブタたちに囲まれているのは実はかなり幸せ。
牛は大きくて怖いのと、肛門の位置が人間の顔に近いのとが難点…。
ただし、大物の♂ブタは危険。

養豚は一度はやってみて損はしないはず。絶対に良い思い出になるよ!

ワンポイント英語講座
♂ブタ:Boar(ボア)といいます。
♀ブタ:Gilt(ギルト)といいます。
これは繁殖用のブタに対しての呼び名で、去勢オスや肉用豚だとまた違う呼び名になる。
英語って面倒ね。

ぶたログ①…あまり面白くない度【高】

2008-01-02 21:28:22 | ぶたログin Australia
8月13日~12月5日までの約4ヶ月間を過ごした養豚場について、
いろいろご紹介します。
私の事だから、話題に臭い物も登場すると思うので
食事前はぶたログは読まない事をおススメします…。
臭そうな話題の時は、事前に注意書きしておこうね。

・場所:農場はQLD州GoondiwindiというSuburbに属す。
といってもGoondiwindiの街からは89kmも離れている!
GoondiwindiはNSWとQLDの州境に近い小さな街。
日曜になると全てのお店が閉まっちゃうような小ぢんまりとした街です。

他にToowoombaという街があり、ここは農場から300kmくらいの割と大きな街で、
Toowoomba自体はBrisbaneから内陸に200kmほど行った場所です。


・環境:電話線(Landline)なし、携帯電波なし、テレビ電波なし、ないモノ尽くし~。
その代わりに電話・ネット・テレビは衛星電波受信だそうです。
↑天気が悪いと通じない。嵐が来ると数日使用不能になる…。


・農場:極めて大きい。超広い。
養豚場だけという訳ではなく、やたらと広いプロパティ内には他にも色々な農場があり、
広大な穀物畑、肉牛農場、ひつじ農場、毛刈り小屋(Shearing House)、ダム、
フィードミル(動物用飼料を調合したり加工したりする餌工場)、馬農場などなど…数知れず。
どれだけ広いのかは聞いたけど忘れちゃった。


・養豚場:私が働いていたのは肥育舎(Lime Bush)。
他にも母豚舎、子豚舎、繁殖舎など(Lapunyah, Pepperina, Willgaridgeだったかな?)
がプロパティ内にあります。他の舎は行った事がないので明確な区別は不明…。
()内の英名は特に意味なし。単なる舎の名前です。


・ブタの流れ:繁殖舎…母豚が人工授精(AI ;Artificial Insemination)により妊娠する
出産直前に母豚舎に移され、そこで出産。子豚たちは離乳までお母さんと一緒に過ごす。
離乳後(生後3wkくらい)子豚たちは子豚舎へ、母豚たちは繁殖舎へ移動。
子豚舎では3ヶ月齢くらいまで育てられ、その後子豚たちは肥育舎へ移動。出荷まで育てられる。
一方母豚たちは繁殖舎に戻り、再びAIで妊娠、出産、離乳…を繰り返す。


・規模:肥育舎には毎週木曜に1500匹、隔週火曜に700匹の子豚が導入、
つまり毎週1850匹近いブタが導入されている計算。これはかなり大規模なんだよ!
調べてみたら、母豚5000匹規模の豚屋さんだそうな…。でかっ!


・豚の大きさ:産まれたて…1~2kgくらいだった気がする。
離乳時(生後3wkくらい)…3~5kgだった気がする。
生後3ヶ月…40~50kgくらい。中型犬くらいの背の高さ。
生後6ヶ月…110~150kgくらい。大型犬くらいの背の高さ。

※生後3ヵ月以下の子豚は今回は扱っていないのでよく解らない。
日本の養豚場でちょっとだけお世話になっていた時の記憶です。

豚はそんなに背は高くないけど、足が短い&まるまるしていて胴体部分の体積の割合が大きいので、
見かけに寄らず、重いのよ。そして前後に長い…。
大物になると会議室の机くらいの長さになり、種♂だと400kgになるらしい。
こわい。

上の写真は農場へ街から行く途中にある(たぶん)小麦畑。地平線のかなたまで小麦畑~
ここには野生のエミューが住んでいます。
そしてここもたぶん農場の敷地内。広すぎです…。

今回は紹介というよりは、どちらかと言うと自分の備忘録みたいなものだね。
つまらなくってゴメンよ~。