週末は、曇りがちな雨模様の空と冷たい雨降りのお天気が続きましたが
今朝は、ほんとうに水色の空が冴え渡って…
小鳥の鳴き声も遠くから響いてくるように感じられます。
月曜日の朝を、調子よく迎えることのできなかった反省の意味も込めて…
どうやら、今日のタイトルは「心の余裕…」という言葉が浮かんできたようです。
まずは、先週の金曜日からのお話をいたします…
(いつでしたか、このところよく出かけている区の福祉協議会の掲示板で
「第23回日本精神衛生学会大会」のチラシを見つけて
「いじめを生む社会」というメインタイトルに興味を惹かれて調べてみたところ
事前に開かれるワークショップも、とてもオモシロそうでした。
たまたま、夫の日程が空いていたことと、都内の比較的近くで開かれるので
学生という立場を生かして(?)思い切って申し込みました。)
ワークショップでは、3つの
A「自殺と予防を考える」B「円滑な対人関係を育む」C「“気がつかない”を気づく」
のテーマが、それぞれ2コマに分かれていました。
私は、C-1 人生の記憶を生かす「記憶会話同行法」
―本人の人間力を引き出す「寄り添い人(メンタルワーカー)の養成法―
を、中部学院大学大学院の喜多 祐荘先生から伺って、
16人の参加者の方と一緒にロールプレイをしました。
認知症の方の世界の理解を含めて、
参加者の方々も身近にいる認知症の方との関わりを交えた
活発な意見なども伺えて、とても勉強になりました。
(傾聴ボランティアに関して感じていた疑問につながるヒントも得られました。)
次のB-2では、「学校での体験型ソーシャルスキルトレーニング」について
不登校児対策に特化した八王子市立高尾山学園での取り組みを中心に
瀬川美穂子先生から(現在は、東横恵愛病院の臨床心理士)お話を伺いました。
私が直接目にしている通級でのSSTとは、
対象児童や環境の違いやそのほかの様々な点でも相違点がありますが
目的とするところには、共通点がありましたし、
参加している先生方の取り組みのお話など伺うと、
それぞれの場所で皆さんがいろいろな工夫をなさっている様子が伺えました。
(通級とは違うように特に感じたのは、
「道徳」の授業と「SST」との考え方や扱いが課題になっているという点です。)
(土曜日は、夫とkirikouは「続・三丁目の夕日」を見に出かけて
私は、子ども会の定例会に途中まで参加してから、五反田まで…出かけました。)
大会会長の講演は、土居記念賞贈呈の後とのことで、早めに着きましたので
会場前の柱の影のほうでお昼ご飯を食べました。
(前日のワークショップでご一緒した方が、付き合ってくださって
いろいろなお話をさせていただきました。
都内でNPO法人として、もう20年以上様々な支援活動をなさっているとのこと。
「自主グループを始めるときに、何かお手伝いできるかもしれません。」と
おっしゃってくださいました。)
大会長講演は、立正大学心理学部教授の岡本淳子先生の
『いじめを集団の中でどう解決するか』でした。
実際の小学校のクラスにファシリティターとして参加した取り組みを中心に
「集団の中でのいじめの解決について」
1 集団自体を視野に入れながら、目の前のいじめを捉える。
2 関係には、さまざまな目には見えにくい想いが隠れている。
否定的なものだけではなく、肯定的・健全な考え方が
集団の勢いの中に隠されていることがある。
さらに、それぞれの個々の課題の変容・成長や個々の持っている健全な力が
それぞれの自己表現を通して『集団の中に照らしあう』ような
(「多面体のガラスが光りあう」と表現されたコトバは、私もとてもよくわかりました。)
「相互のメンバーの存在や発言が個を刺激して
お互いの力を引き出す生産的な良循環を生む」ような方向の発想に変わる、
というお話は、お話する声は穏やかでやさしいけれど、私にはとても力強く聴こえました。
その後のミニシンポジウムは
「1 援助者(ケアする人)の精神衛生」に参加しました。(講演録より以下引用)
(前略)援助者(ケアする人)もされる人も「共生」の人間関係が福祉、教育の基本とするならば援助者(ケアする人)の精神衛生にも無頓着であっていい筈はありません。それは、ひいては援助の質にも無関係ではなくなるでしょう。ケアする人もケアされたいものであり、援助されている人も実はケアしている気づきが関係の質を高めていくのではないでしょうか。援助者(ケアする人)の精神衛生を「共生」の視点から、考えていきたいと思っています。(引用ここまで)
シンポジスト:小泉雅子さん(NPO法人子育てネットワークミルク代表、横山保育園園長)
若井香代子さん(北区福祉事務所)
渡辺麗子さん(医師会立夷隅准看護師学校)
司会 :富田富士也 さん(子ども家庭教育フォーラム代表)
企画者 :荻野ゆう子 さん(子ども家庭教育フォーラム)
会場は、それほど大きくありませんでしたが
内容の濃い、難しい課題に真摯に向き合うシンポジウムでした。
「ケアをする人のメンタルヘルスを考える」という視点は、忘れられがちですが
高い志を持って、お仕事に向かっている方が、燃え尽きることなくその力を発揮するためにも
とても大切なことのように感じました。
会場の方々とも、2~3人のグループになって話し合う時間も
わずかですがありましたので、参加者それぞれの思いや考えも表現することができる
活発な雰囲気の話し合いが持たれました。
(東京の教育センターで臨床心理士として働いている若い方が
星槎の立川学習センターをご存知でいらして、無性にうれしくなったり…
東京でチャイルドラインに携わっている大学院の学生さんから
リスナーだけでなく「支え手」という人がいらっしゃるというお話が
伺えて参考になりました。)
日曜日は、(天気予報が外れて、時おり雨がポツポツ落ちる中
ソフトボールの練習が行われましたので)
午前中のソフトの練習を見て、私だけ早めに抜けて学会会場に向かいました。
今日は大きな「石橋湛山記念講堂」で行われるとのことで
前のほうに席をとってから、外のカフェテリアで買っていったサンドイッチを食べました。
(会場に向かう途中で、偶然に一昨日のワークショップを担当していた
喜多先生と学生さんにお会いして、ごあいさつをしました。
想象していたよりも聴講者が少なくて、もったいないなぁと感じました。)
特別講演は、京都造形芸術大学教授・元文部科学省大臣官房審議官・文化庁文化部長
寺脇研先生より『ゆとり教育の是非を問い直す』を伺いました。
先日、調査結果の公表もあった
「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」についてのコメントもありましたが
「ゆとり教育」の進められた背景や様々なカタチで教育に関わっていらしたお話を
力強いコトバで、語ってくださいました。
それぞれを尊重する社会→自己肯定できる社会という考えのうえで
「一人ひとりの子どもにあった教育」さらに「いつでもどこでも」(誰でも)
学べる生涯学習のできることを目ざしていこうというお話でした。
(モチロン、肩書きがモノを言う…という訳ではありませんが)
広島の教育長をなさっていたご経験もあって
教育の現場も、それなりにご覧になっていらした…ということが
発言の根底に、おありなんだろうなぁということを、つよく感じました。
(中央省庁にお勤めの経験をお持ちの方のお話を、このところ何度か伺うことがあって
それぞれの方の個性的なすばらしいユニークさもさることながら…
それぞれに一生懸命お仕事をしてくださっているにも拘らず
その組織の中で、いかによりよき方向性を見いだし、
それを進めていくことのムズカシさがあるらしい、ということを
素人目にも、感じてしまう気がして…
「文句を言ったり、非を指摘したり、アレコレと要望すること」にも、
確かに意味はあるかもしれないけれど
こんな膠着したような難しい課題を解決していくためには、
イロイロな立場の人たちが、それぞれにどんなことをしていけばいいのか?
改めて、課題の大きさを感じずにはいられませんでした。
さて、大会最後のメインシンポジウム『いじめを生む社会』では
シンポジスト: 正高信男さん(京都大学霊長類研究所)
玉木研二さん(毎日新聞論説委員)
小口恵子さん(東京都公立小学校教諭)
司会 :吉川武彦さん(中部学院大学大学院)
高塚雄介さん(明星大学)
企画者 :加室弘子さん(世田谷区教育相談室)
北村洋子さん(メンタルヘルスビューロー)
にて、様々な観点からのお話が伺えました。
正高さんのお話は…いろいろな意味で…
う~~む、なるほど…こういうお話をなさる方なんだなぁ…
という訳のわからない感想にとどめておきます。
(脳の報酬系に基づく学習についてと…
ヒトは「他者の目を意識する」という視点などから
いじめについて論じていらっしゃいました。)
玉木さんは、(ジャーナリストの方のお話を、私自身が直接にはそれほど伺ったことがないので…
判断のつきかねることもありますが)
「報道することに対してのとても真摯な態度」を感じました。
センセーショナルな取り上げ方の影響や、真実と事実ってどう違うんだろう?とか
記者の方の目線やコトバの使い方で、内容の伝わり方って違うかも知れない…
ということを感じることがあるので、
いじめなどの取り上げ方は、確かにとても難しいと想いました。
実は小口さんは、現在特別支援学級(情緒障害学級通級制)の教師をなさっています。
普通級を担当していた際のいじめについて
子どもたちの発していた様々な言葉や
ことばにはならないような行動から伺える想いと先生のお感じになったことなどを交えながら
それらにまつわるイロイロな対応を、丁寧にお話してくださいました。
一番身近な子どもたちの様子が直接見えてくるような小口先生のお話が
私にとっても、一番共感の持てる内容であると同時に
もしかすると、解決策を見いだす上での大きなヒントがあるように感じました。
モチロン、それは学校現場の先生のお力だけに頼るという意味ではなく
まわりにいる子どもたちをも含めた、家族や地域や社会のオトナたちが
それぞれの思いや考えを大切にしながらも、自分の中にあるものだけでなく
周りの人やモノ・コトに対しても目を向けていく…ことが、
難しい課題に前向きに向かっていく上での
なんらかのきっかけになるような気がしました。
講演録の内容も素敵でしたので、以下に転載させていただきます。
「学校において子どもの居場所を作る」 小口恵子
学校においてどの子どもにも自分が安心して過ごせる居場所を作ってあげたいと、どの教師も願っていることだろう。発達障害のある子ども、勉強ができるがおとなしい子ども、行動の遅い子ども、自分の意見をはっきりと言わない子どもがいじめの対象になりやすかったり、いじめている子どもが次にはいじめられる側になったり、一人をクラス全員でいじめたり、いろいろないじめの形がある。
いじめをつきつめていくと子ども自身が自分を見つめることになり、教師も自分の指導や学級経営を深く考えることになる。教師だけでなく子どもに関わる保護者や地域とも協力し、一人ひとりの心に迫っていかなければならない。
40人いれば40通り、一人一人が違った個性を持ち、それぞれに長所短所が違い、得意不得意が違う。自分のよさに気づき他人のよさを認めていく子どもに育てるにはどうすればいいのだろうか。 (引用ここまで)
シンポジウムの休憩時間に、思わず声をかけさせていただきましたが
おそらく教師としてできることをしているだけです…
という態度で接してくださって、とても謙虚な印象を受けました。
そんなさりげないけれど、当たり前のことを当たり前のようにするために
その基にあるそのための努力や自分への信頼を築いていくことの大切さを改めて感じました。
全体を通じて、『いじめを生む社会』に対して、どんなアプローチをしていこうか…
という前向きな提言やメッセージをいただきたいなぁ…と、私としては感じていましたが
そのあたりのことを、ご質問する時間もなく
特にそのあたりに触れることなく終わったことは、少々残念でした。
さて、実は一日目のワークショップで
偶然に「そらいろの種」に参加していらした保健師さんにお会いしましたが
最後のシンポジウムの帰りがけに、また一緒になりました!!
横浜駅まで、山手線と東海道線を乗り継いで帰る間にも
今、私が「始めてみたいなぁと想っている集まり」について
イロイロとお話をさせていただきました。
まだまだ、星になる前の星くずがグルグル渦巻いている段階のような気もしますが
他にもイロイロなところで、イロイロな活動が広がっているらしく
いろんな方のお話を聞きながら、仲間探しとお話し合いを続けてみましょうね。
まるで…粘土細工をするように…
粘土を引っ付けてみたり、はがしてみたり…
少し遠くに離れて眺めてみたり…向きを変えて、後ろ側から観てみたり…
もう少しの間…少しずつカタチになるのを待ってみようかしら…と想いました。
そのためには…私の場合『心の余裕と身体の余裕』も、必要のようです…
オーバーペースに気づいたら…少し軽くブレーキを踏んで…減速して…
あまり、先のほうを見つめると、ついつい急ぎたくなる気持ちがわいてきますが…
そんなに慌てないで、『すこ~し、ゆっくりしてみます~!』
何かに一生懸命になって打ち込むことは、とっても素敵なことだと想います。
私もどちらかというと、周りが見えなくなるくらい集中してしまう時があります。
そしていろんな目的のために、お仕事や勉強や…遊びに夢中になるのもいいことです。
そのことと同じくらい…ゆとりや余裕を持つことも大切なことかもしれませんね。
子どもたちも…先生も…お父さんもお母さんも…それはおんなじことですよね…
「ゆとり教育と学力」の問題も、そのふたつは相対立するモノでもないし
テストで測れるようないわゆる「学力」を
子どもたちの「持っている力」の全てとみなしているわけではないのならば…
自ずと見えてくるものがあるような気がします。
どうしても一面的な捉え方のほうがわかりやすいので
数字に表れた結果によってあれこれ言ってしまいがちですが
本当のモノ・コトは…そんなに簡単に割り切れるようなものではなくって
これといって、唯一の正しい答があるというわけでもない…のかもしれませんね。
(こんな風に考えを巡らせていると…時間がいくらあっても足りません。
風邪気味なのと、どうも疲れが残っているのでお昼寝もしたいし…)
気がつくと、お昼をすぎて…日ざしもとっても暖かくなってきました。
今日は…ノンビリ…ゆっくり…を心がけて…
kirikouが帰ってきたら…
できるだけ、やさしく「オカエリナサイ」って声をかけましょう…
今朝は、ほんとうに水色の空が冴え渡って…
小鳥の鳴き声も遠くから響いてくるように感じられます。
月曜日の朝を、調子よく迎えることのできなかった反省の意味も込めて…
どうやら、今日のタイトルは「心の余裕…」という言葉が浮かんできたようです。
まずは、先週の金曜日からのお話をいたします…
(いつでしたか、このところよく出かけている区の福祉協議会の掲示板で
「第23回日本精神衛生学会大会」のチラシを見つけて
「いじめを生む社会」というメインタイトルに興味を惹かれて調べてみたところ
事前に開かれるワークショップも、とてもオモシロそうでした。
たまたま、夫の日程が空いていたことと、都内の比較的近くで開かれるので
学生という立場を生かして(?)思い切って申し込みました。)
ワークショップでは、3つの
A「自殺と予防を考える」B「円滑な対人関係を育む」C「“気がつかない”を気づく」
のテーマが、それぞれ2コマに分かれていました。
私は、C-1 人生の記憶を生かす「記憶会話同行法」
―本人の人間力を引き出す「寄り添い人(メンタルワーカー)の養成法―
を、中部学院大学大学院の喜多 祐荘先生から伺って、
16人の参加者の方と一緒にロールプレイをしました。
認知症の方の世界の理解を含めて、
参加者の方々も身近にいる認知症の方との関わりを交えた
活発な意見なども伺えて、とても勉強になりました。
(傾聴ボランティアに関して感じていた疑問につながるヒントも得られました。)
次のB-2では、「学校での体験型ソーシャルスキルトレーニング」について
不登校児対策に特化した八王子市立高尾山学園での取り組みを中心に
瀬川美穂子先生から(現在は、東横恵愛病院の臨床心理士)お話を伺いました。
私が直接目にしている通級でのSSTとは、
対象児童や環境の違いやそのほかの様々な点でも相違点がありますが
目的とするところには、共通点がありましたし、
参加している先生方の取り組みのお話など伺うと、
それぞれの場所で皆さんがいろいろな工夫をなさっている様子が伺えました。
(通級とは違うように特に感じたのは、
「道徳」の授業と「SST」との考え方や扱いが課題になっているという点です。)
(土曜日は、夫とkirikouは「続・三丁目の夕日」を見に出かけて
私は、子ども会の定例会に途中まで参加してから、五反田まで…出かけました。)
大会会長の講演は、土居記念賞贈呈の後とのことで、早めに着きましたので
会場前の柱の影のほうでお昼ご飯を食べました。
(前日のワークショップでご一緒した方が、付き合ってくださって
いろいろなお話をさせていただきました。
都内でNPO法人として、もう20年以上様々な支援活動をなさっているとのこと。
「自主グループを始めるときに、何かお手伝いできるかもしれません。」と
おっしゃってくださいました。)
大会長講演は、立正大学心理学部教授の岡本淳子先生の
『いじめを集団の中でどう解決するか』でした。
実際の小学校のクラスにファシリティターとして参加した取り組みを中心に
「集団の中でのいじめの解決について」
1 集団自体を視野に入れながら、目の前のいじめを捉える。
2 関係には、さまざまな目には見えにくい想いが隠れている。
否定的なものだけではなく、肯定的・健全な考え方が
集団の勢いの中に隠されていることがある。
さらに、それぞれの個々の課題の変容・成長や個々の持っている健全な力が
それぞれの自己表現を通して『集団の中に照らしあう』ような
(「多面体のガラスが光りあう」と表現されたコトバは、私もとてもよくわかりました。)
「相互のメンバーの存在や発言が個を刺激して
お互いの力を引き出す生産的な良循環を生む」ような方向の発想に変わる、
というお話は、お話する声は穏やかでやさしいけれど、私にはとても力強く聴こえました。
その後のミニシンポジウムは
「1 援助者(ケアする人)の精神衛生」に参加しました。(講演録より以下引用)
(前略)援助者(ケアする人)もされる人も「共生」の人間関係が福祉、教育の基本とするならば援助者(ケアする人)の精神衛生にも無頓着であっていい筈はありません。それは、ひいては援助の質にも無関係ではなくなるでしょう。ケアする人もケアされたいものであり、援助されている人も実はケアしている気づきが関係の質を高めていくのではないでしょうか。援助者(ケアする人)の精神衛生を「共生」の視点から、考えていきたいと思っています。(引用ここまで)
シンポジスト:小泉雅子さん(NPO法人子育てネットワークミルク代表、横山保育園園長)
若井香代子さん(北区福祉事務所)
渡辺麗子さん(医師会立夷隅准看護師学校)
司会 :富田富士也 さん(子ども家庭教育フォーラム代表)
企画者 :荻野ゆう子 さん(子ども家庭教育フォーラム)
会場は、それほど大きくありませんでしたが
内容の濃い、難しい課題に真摯に向き合うシンポジウムでした。
「ケアをする人のメンタルヘルスを考える」という視点は、忘れられがちですが
高い志を持って、お仕事に向かっている方が、燃え尽きることなくその力を発揮するためにも
とても大切なことのように感じました。
会場の方々とも、2~3人のグループになって話し合う時間も
わずかですがありましたので、参加者それぞれの思いや考えも表現することができる
活発な雰囲気の話し合いが持たれました。
(東京の教育センターで臨床心理士として働いている若い方が
星槎の立川学習センターをご存知でいらして、無性にうれしくなったり…
東京でチャイルドラインに携わっている大学院の学生さんから
リスナーだけでなく「支え手」という人がいらっしゃるというお話が
伺えて参考になりました。)
日曜日は、(天気予報が外れて、時おり雨がポツポツ落ちる中
ソフトボールの練習が行われましたので)
午前中のソフトの練習を見て、私だけ早めに抜けて学会会場に向かいました。
今日は大きな「石橋湛山記念講堂」で行われるとのことで
前のほうに席をとってから、外のカフェテリアで買っていったサンドイッチを食べました。
(会場に向かう途中で、偶然に一昨日のワークショップを担当していた
喜多先生と学生さんにお会いして、ごあいさつをしました。
想象していたよりも聴講者が少なくて、もったいないなぁと感じました。)
特別講演は、京都造形芸術大学教授・元文部科学省大臣官房審議官・文化庁文化部長
寺脇研先生より『ゆとり教育の是非を問い直す』を伺いました。
先日、調査結果の公表もあった
「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」についてのコメントもありましたが
「ゆとり教育」の進められた背景や様々なカタチで教育に関わっていらしたお話を
力強いコトバで、語ってくださいました。
それぞれを尊重する社会→自己肯定できる社会という考えのうえで
「一人ひとりの子どもにあった教育」さらに「いつでもどこでも」(誰でも)
学べる生涯学習のできることを目ざしていこうというお話でした。
(モチロン、肩書きがモノを言う…という訳ではありませんが)
広島の教育長をなさっていたご経験もあって
教育の現場も、それなりにご覧になっていらした…ということが
発言の根底に、おありなんだろうなぁということを、つよく感じました。
(中央省庁にお勤めの経験をお持ちの方のお話を、このところ何度か伺うことがあって
それぞれの方の個性的なすばらしいユニークさもさることながら…
それぞれに一生懸命お仕事をしてくださっているにも拘らず
その組織の中で、いかによりよき方向性を見いだし、
それを進めていくことのムズカシさがあるらしい、ということを
素人目にも、感じてしまう気がして…
「文句を言ったり、非を指摘したり、アレコレと要望すること」にも、
確かに意味はあるかもしれないけれど
こんな膠着したような難しい課題を解決していくためには、
イロイロな立場の人たちが、それぞれにどんなことをしていけばいいのか?
改めて、課題の大きさを感じずにはいられませんでした。
さて、大会最後のメインシンポジウム『いじめを生む社会』では
シンポジスト: 正高信男さん(京都大学霊長類研究所)
玉木研二さん(毎日新聞論説委員)
小口恵子さん(東京都公立小学校教諭)
司会 :吉川武彦さん(中部学院大学大学院)
高塚雄介さん(明星大学)
企画者 :加室弘子さん(世田谷区教育相談室)
北村洋子さん(メンタルヘルスビューロー)
にて、様々な観点からのお話が伺えました。
正高さんのお話は…いろいろな意味で…
う~~む、なるほど…こういうお話をなさる方なんだなぁ…
という訳のわからない感想にとどめておきます。
(脳の報酬系に基づく学習についてと…
ヒトは「他者の目を意識する」という視点などから
いじめについて論じていらっしゃいました。)
玉木さんは、(ジャーナリストの方のお話を、私自身が直接にはそれほど伺ったことがないので…
判断のつきかねることもありますが)
「報道することに対してのとても真摯な態度」を感じました。
センセーショナルな取り上げ方の影響や、真実と事実ってどう違うんだろう?とか
記者の方の目線やコトバの使い方で、内容の伝わり方って違うかも知れない…
ということを感じることがあるので、
いじめなどの取り上げ方は、確かにとても難しいと想いました。
実は小口さんは、現在特別支援学級(情緒障害学級通級制)の教師をなさっています。
普通級を担当していた際のいじめについて
子どもたちの発していた様々な言葉や
ことばにはならないような行動から伺える想いと先生のお感じになったことなどを交えながら
それらにまつわるイロイロな対応を、丁寧にお話してくださいました。
一番身近な子どもたちの様子が直接見えてくるような小口先生のお話が
私にとっても、一番共感の持てる内容であると同時に
もしかすると、解決策を見いだす上での大きなヒントがあるように感じました。
モチロン、それは学校現場の先生のお力だけに頼るという意味ではなく
まわりにいる子どもたちをも含めた、家族や地域や社会のオトナたちが
それぞれの思いや考えを大切にしながらも、自分の中にあるものだけでなく
周りの人やモノ・コトに対しても目を向けていく…ことが、
難しい課題に前向きに向かっていく上での
なんらかのきっかけになるような気がしました。
講演録の内容も素敵でしたので、以下に転載させていただきます。
「学校において子どもの居場所を作る」 小口恵子
学校においてどの子どもにも自分が安心して過ごせる居場所を作ってあげたいと、どの教師も願っていることだろう。発達障害のある子ども、勉強ができるがおとなしい子ども、行動の遅い子ども、自分の意見をはっきりと言わない子どもがいじめの対象になりやすかったり、いじめている子どもが次にはいじめられる側になったり、一人をクラス全員でいじめたり、いろいろないじめの形がある。
いじめをつきつめていくと子ども自身が自分を見つめることになり、教師も自分の指導や学級経営を深く考えることになる。教師だけでなく子どもに関わる保護者や地域とも協力し、一人ひとりの心に迫っていかなければならない。
40人いれば40通り、一人一人が違った個性を持ち、それぞれに長所短所が違い、得意不得意が違う。自分のよさに気づき他人のよさを認めていく子どもに育てるにはどうすればいいのだろうか。 (引用ここまで)
シンポジウムの休憩時間に、思わず声をかけさせていただきましたが
おそらく教師としてできることをしているだけです…
という態度で接してくださって、とても謙虚な印象を受けました。
そんなさりげないけれど、当たり前のことを当たり前のようにするために
その基にあるそのための努力や自分への信頼を築いていくことの大切さを改めて感じました。
全体を通じて、『いじめを生む社会』に対して、どんなアプローチをしていこうか…
という前向きな提言やメッセージをいただきたいなぁ…と、私としては感じていましたが
そのあたりのことを、ご質問する時間もなく
特にそのあたりに触れることなく終わったことは、少々残念でした。
さて、実は一日目のワークショップで
偶然に「そらいろの種」に参加していらした保健師さんにお会いしましたが
最後のシンポジウムの帰りがけに、また一緒になりました!!
横浜駅まで、山手線と東海道線を乗り継いで帰る間にも
今、私が「始めてみたいなぁと想っている集まり」について
イロイロとお話をさせていただきました。
まだまだ、星になる前の星くずがグルグル渦巻いている段階のような気もしますが
他にもイロイロなところで、イロイロな活動が広がっているらしく
いろんな方のお話を聞きながら、仲間探しとお話し合いを続けてみましょうね。
まるで…粘土細工をするように…
粘土を引っ付けてみたり、はがしてみたり…
少し遠くに離れて眺めてみたり…向きを変えて、後ろ側から観てみたり…
もう少しの間…少しずつカタチになるのを待ってみようかしら…と想いました。
そのためには…私の場合『心の余裕と身体の余裕』も、必要のようです…
オーバーペースに気づいたら…少し軽くブレーキを踏んで…減速して…
あまり、先のほうを見つめると、ついつい急ぎたくなる気持ちがわいてきますが…
そんなに慌てないで、『すこ~し、ゆっくりしてみます~!』
何かに一生懸命になって打ち込むことは、とっても素敵なことだと想います。
私もどちらかというと、周りが見えなくなるくらい集中してしまう時があります。
そしていろんな目的のために、お仕事や勉強や…遊びに夢中になるのもいいことです。
そのことと同じくらい…ゆとりや余裕を持つことも大切なことかもしれませんね。
子どもたちも…先生も…お父さんもお母さんも…それはおんなじことですよね…
「ゆとり教育と学力」の問題も、そのふたつは相対立するモノでもないし
テストで測れるようないわゆる「学力」を
子どもたちの「持っている力」の全てとみなしているわけではないのならば…
自ずと見えてくるものがあるような気がします。
どうしても一面的な捉え方のほうがわかりやすいので
数字に表れた結果によってあれこれ言ってしまいがちですが
本当のモノ・コトは…そんなに簡単に割り切れるようなものではなくって
これといって、唯一の正しい答があるというわけでもない…のかもしれませんね。
(こんな風に考えを巡らせていると…時間がいくらあっても足りません。
風邪気味なのと、どうも疲れが残っているのでお昼寝もしたいし…)
気がつくと、お昼をすぎて…日ざしもとっても暖かくなってきました。
今日は…ノンビリ…ゆっくり…を心がけて…
kirikouが帰ってきたら…
できるだけ、やさしく「オカエリナサイ」って声をかけましょう…
社会の変化がいじめの質を変化させているのは事実ですが、いじめの問題を”集団”、”(クラス)自治”という視点で捉えなおす、昔の集団教育の考え方が改めて見直されるべきなのだと私も思います。
とはいえ、これだけ中身が濃いお話を連続して聴いていると確かに疲れますよね(笑)
”心の余裕”というキーワード…私も大切にしたいと思います。
小・中・高と年齢ごとに課題は違ってくるのかもしれませんが
子どもを見ていく際の大切な視点は・・・(オトナも、もしかしたら)
同じかもしれませんね~!
(今日は、昼間ゆっくり眠ったので
カゼの具合もようやく少し楽になってきました。)
尾道での茂木先生の『脳の無限の可能性』のお話も
とても楽しかったですよ!!
「前向きに元気になれる・・・」パワーが伝わってきて・・・
コロンさまも、同じように子どもたちと向き合っていらっしゃるんでしょうね~!!
いろんなところで、みんながそれぞれできることを積み重ねていく・・・
コトで、何かがきっと変わっていく・・・ような気がします。