Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

遠藤順子さん「夫・遠藤周作を語る」を聴いて・・・その2

2007-06-29 11:20:44 | Weblog
今朝kirikouが登校するころは、今日こそ梅雨空になりそうな
空気の湿り気とおもたさを感じましたが…

ひとしきり気になっていることを検索したり、思いつくままにアレコレ調べながら
ウォーミングアップをしているうちに…

明るい薄日が射してきて、あたたかい風が吹いてきたようです。


「横浜市発達障害検討委員会」が終了したところから…お話を、続けましょうね…

前回、お声をかけさせていただいた、保護者として参加している委員の方は

実は、kirikouの通っている通級に、
今は中学生になっているお子さんが行っていらっしゃいました。

そんなこともあって、子どものこと・学校のこと…
その他にも、いろいろなことをお話したり、分からないことや
お友だちから聞いた困っていることについて

同じ母親としての目線とさらに福祉や医療の場での経験を交えて
いろいろなお話を伺ったり、教えていただくことができました。

今の私にとって、とても参考になるお話もあって、ほんとうに助かりました。

さらに、このところ「きょうだい児のこと」を、いろいろと聞く機会があったので

(ウチは、一人っ子なので想像するしかできないこともあって)

「ごきょうだいのことで、いろいろご心配になったことはありませんでしたか?

私の身近で、上の男の子に何かしらあって(ちょうどkirikouと同じ10歳前後)

2~3歳違いの妹さんがいるケースなどでは、『上の子のこと、下の子のこと』で

いろいろとタイヘンだと聞きます。そのあたりは、どうですか?」と伺ってみました。

きっと、それぞれに成長していく中で、少しずつ解決していけることかもしれません。

ただ、ちょうど10歳くらいという年齢のムズカシさと
「できること、できないことのある」お兄ちゃんに対して

しっかりモノの妹さんの発する疑問や言葉は、なかなか鋭くキビシかったり…

けれど、きょうだいがいるからこそ感じられる「あたたかさ、やさしさ」も
きっとあるのではないかと思います。

どちらが上か下かなどに拘わらず、
みなさんもいろいろと声かけを工夫したり、ご苦労していらっしゃるんでしょうね。

ということで…

「きょうだい児のことを、できるだけしっかりと看てあげること。

例えば、お兄ちゃんの用事で出かけたりしてお留守番してもらった時には

下のお子さんのために、何でもいいのでお土産を買っていって
『ありがとう!』って伝えること。

時には、「今日は、あなたの好きなたまご料理を(何でもいいんですけれど)
作ってあげるから…何がいいかしら?』と聞いてあげる。」と、お話してくださいました。

そんな、ほんとうにささやかなことでよいので

「あなたのことを、ちゃんと見ているよ。」というメッセージを

子どもにわかるように、伝わるようなカタチで送っていくことでしょうか?

(このことは、私自身もkirikouに対して大いに反省する点で

どうも「ハッキリ言わないと分からない」らしく

「そのつもりで言っても、こちらの心情や思いは、ナカナカ伝わっていない」ようで

そう想ってみると、まだまだ解決のつかない「永遠のテーマ」かもしれませんね。)

最寄り駅までの私鉄の中でも、いろんなお話をさせていただいて
ほんとうに楽しくって、ありがたい時間を過ごしました。

さて…買い物をして、いったん帰宅してkirikouの帰りを迎えてから
いつもの女子大へ出かけていきました。

遠藤周作さんといえば…「海と毒薬」「沈黙」そして
私には、どちらかというと「狐狸庵先生」として、馴染み深い作家です。

北杜夫さんの「ドクトルマンボウ」のほうが、やや好みだったこともありますが
10代20代に、乱読しただけなので、
今になってみると、ほとんどのところは記憶のかなたにもぐりこんでいるようです。

いつでしたか、NHKの映像アーカイブ「あの人に会いたい」で、そのお姿を観たような気がします。

(後から確認したら、お名前はありませんでした。

ということは…他の番組だったのでしょうか?)

奥様の遠藤順子さんが、ご本を書いていらっしゃることも知りませんでした。

ただ、大学に張り出されていた黒字に赤いバラの絵の描かれた講演会のポスターは
何度か横目で見ながら、どうも気になって仕方がありませんでした。

行ってみると…会場になっている教室には、お若い方ばかりがたくさんいて…

(考えてみれば、至極当り前なことで)思い切って前から2列目の席に座って

お隣の学生さんに聞いてみると「一年生が多いのでは。」とのこと。


程なくして、素敵なブルーのスーツをお召しになって、
白さも美しい御髪をきちんと結い上げた遠藤さんが、入っていらっしゃいました。

国文学科の(たぶん)教授のご挨拶の後

壇上に、背筋もスッキリとやわらかな微笑をあたりに向けながら
遠藤さんが立たれました。

お話のテーマは、作家としての遠藤周作さんとの生活について
さらに、10年前に亡くなられた「夫の遺した宿題」について

もう80歳になられることを感じさせないほど

理路整然と、時にユーモアを交えながら
時に言うべきことは「ズバッと、ハッキリと何ものにもおもねることなく」

お話になっていました。

ご本にもなって出ているとのこと、遠藤周作さんの「深い河」も
ぜひ、今度読んでみたいと想いました。

さて、その宿題とは…

「死は終わりではない」というメッセージを伝え

「心あたたかな医療」が行なわれるよう力を尽くし

「日本人の心に届くキリスト像」とは何かを考えていくこと、だそうです。


その根底にあるのものは…

夫には、作家としての葛藤や苦悶や壮絶な精神の闘いがあったことが想像され

それを陰になり日向になって支えていらした奥様の存在も大きく感じられ

そして、この世界を創りそして生きていく「一人ひとりの人」に向ける

あたたかく大きなもの…言葉にするのは、難しくってどこか憚られるようなもの…
なのかもしれません。

おふたりからの心強いメッセージを、私も心の奥深くにしっかりと戴きました。

お話の中にあった「神は、多くの名前を持つ」ということを論じている
ジョン・ヒックという宗教哲学者のお名前を知ったことも、私にとっては大きな収穫でした。

さて、若い女性として、これからを生きていらっしゃる学生さんたちは
どんな風にお感じになったのでしょうか?

とても、興味がありますね~!

それから…
素晴らしい「夫婦のあり方」を見せていただいて、ほんとうに感激するとともに

実は、正直なところ…

「あぁ~れ~今の私には、夫に対してこんな風に到底できません…」と想ってしまいました。
(このあたりは、また今度…にしないと、お話がどこかに飛んでいってしまいますね~)


「ものを書いて、発表する」ということ、

それを「世に問う」と言うお仕事は、計り知れないエネルギーが必要なのでしょうね。

そんなことを想いながら…

今朝、目覚めた時にいくつかのことが思い浮びました。

「宿題」といいいましょうか…

今「私の中で考えていきたいと想っている課題」「やっていきたいと想っている課題」が

また少しずつ、コトバになってきたようです。

ブログというカタチで、こんな風に書いていくのは
意外に、私にはあっているような…気がしていますので

まだ途中経過のままで、アヤフヤなものばかりですけれど…

思い切って、少しずつ言葉にする勇気を、皆様から戴きながら…

お話していきたいと、想っています。

私一人では、分からなかったりできないことも

きっと、皆さまがよくご存知だったり、お得意だったりすると思いますので

教えていただいたり、お話し合いをするうちに

いろいろなもの・ことが、ゆるやかにつながって

なにやら素敵なものが見えてくるような…気がしませんか?

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今回の講演は (コロン)
2007-06-29 21:53:03
是非行ってみたかったですね…。やはり北海道というのはそういう文化が地理的条件などもあって、なかなか根ざしていないのかもしれませんね。

ところで、読んでいて興味を惹いたのは、「日本人の心に届くキリスト像」とは何かを考える…という点です。

実は私が勤務している学校は、プロテスタント系列の学校なんです。その体現化は、今の子どもたちにも心の情操部分を育てていく上でも大切だと考えています。

機会があれば、そのことに関して、もう少し詳しくお話を聞かせていただければと思います。
返信する
私も知りたいと思っています・・・ (風待人)
2007-06-30 07:34:34
コロンさま

おはようございます!

こちらこそいろいろ教えていただきたいです!!というのも・・・

私自身は、キリスト教の教えに触れる機会が
ほとんどないままに、(外から観るのみ)ここまできています。

ただ、いろいろな方の人生の中で
その「信仰」が大きな意味を持っていたということは、つよく感じます。

日本にキリスト教が入ってきた起源にさかのぼって

「日本人にとってのキリスト教は?」ということを
周作さんも順子さんも注目していらっしゃるようです。

私もこのごろ想うに

日本人として長い間に培われてきたものの上に
西洋からの様々な考え方や文化が加わったこと
(その以前には、大陸からのアレコレも来ていますし・・・)

いろいろな歴史的な経験を経て、
今、それらが対立することなく、良い意味での融合(?)というか
その両方のよさを発揮できると良いなぁ・・・などと思っています。
(そんなチャンポンみたいなことが、意外とお得意のように感じますし)

そのためには洋の東西を問わず、それぞれをよく知ることも大切かもしれません・・・

なんて言えるほど…日本の歴史や文化には通じておりませんので

私も、遅ればせながら…これからいろんなことを勉強したいです!!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。