Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

南雲明彦さんの言葉・・・

2009-10-14 17:23:47 | 表現すること
朝の出がけには、少々雨がパラつきましたが、お昼過ぎには、青空も見えました。

それにしても、このところ日の暮れるのがずいぶん早くなりましたね…


まずは、午前中に伺ってまいりました「南雲明彦さんの言葉」を

走り書きのノートを見返しながら、アタマの中で反芻するように想い出しています。

うすいグレーのスーツをお召しになって、少し緊張気味にお話をしてくださった
南雲さんは、言葉づかいも丁寧で本当にしっかりした好青年という印象です。


けれど、小学生から中学・高校、そして、これまでのご経験を伺って

読み障害や書くことの障害について
ご本人も「困難には気づいていても、伝えることもできずに

ご自分なりに努力をなさって、無理をして体調を崩したり
精神的に追い込まれてしまったり」

周りの方も知らずに、理解できないままに過ごしていらした期間の
大変さや辛さなどを想像すると、言葉がありません。


色々と模索をする中で、ご家族の支えや支援をしてくれる方との出会いがきっかけになって
ご自身の障害に気づかれて、現在は「社会に向けて、理解と啓発を進める活動」
をなさっています。


よく知らない人の前で、ご自分のことをお話をしていただくことは
ある意味では、とても緊張を強いられることですけれど

小学生のころからのお気持ちや、周りの方々との関わりなども伺えて

私のような子育ての真っ最中の保護者にとって、
成人になって活動なさっている姿を拝見したり、お話が伺えると

親として、また大人としての対応を振り返ることもできますし
これから先のことについても、希望が持てるように感じました。


ご本も出ているそうですので、ぜひ、お読みいただけますように!


『私たち、発達障害を生きています。』(ぶどう社)の執筆者のお一人として

小菅宏著『僕は、字が読めない。
 ~読字障害(ディスレクシア)と戦いつづけた南雲明彦の24年~』

サテ…ご質問の際に、「これまでに、どんな支援があったら良かったと想われますか?」と

「理解啓発の活動をなさっていて、さらにこれからの展望がありますか?」と申し上げましたところ

やはり、読めたり書ける人には、「読みや書きの困難さ」を分かってもらえなかったが

色々な支援ツールを使ったり、その方にあった読み書きのやり方を認めてもらえると
ありがたいそうです。

これまで「耳からの入力」に頼っていらしたり、感覚的に把握したりなさっていたそうですが

メモに書くように言われたり、分厚い文書を渡されるのではなく

電子手帳やパソコン入力や読み上げソフトを使ったりするなど
今では、色々な工夫をなさっているそうです。


また、社会に出ると「学習障害」に限らず
様々な障害などに対する、色々な偏見や差別があるが

その障害による困難自体は無くならないけれど、
社会や人の意識を変えていくことが、必要だと考えているとお話し下さいました。


また、資料に頂いた2008年8月18日付の毎日新聞夕刊の特集ワイドの

「僕だけじゃない ディスレクシアの悩める青年」の記事を書かれた野沢和弘さんと
発達障害に関する報道についてなども、お話になるそうです。

「なぜ自分が苦しんできたのか分かってから、自分を表現し誰かに伝えることに
生きがいを感じている」とのことで

『一人でも多くの方に、発達障害のことを知っていただいて
理解をしてくださる方が増えますように!』と願う気持ちは、私も、同じです。


これからも、無理をせずに、お元気でお過ごし頂けますように!



サテ…研修会の後、私のお友だちも含めて

色々な親の会を開いている方やお仲間で、一緒にお昼ごはんを頂きました。


お子さんが、もう成人している方や小・中・高校生のお母さんばかりですから

子育てのことは、話し出したらきりがありません。


また、いろいろな方々と出会うきっかけになりました!




『子どもの気持ち』と『親の気持ち』


『子どもの歩む道』と『親の歩む道』


それぞれ、親子であっても別々の人と人ですから、違って当たり前ですけれど


時には、平行線を辿っているように見えても、どんなカタチであったとしても


近くに居たり遠くに離れていても…上手に連絡が取れないことがあったとしても


お互いに、親子であるということは、簡単には消せない事のように想います。


親としてできることは、子どもの成長によって関わり方も変わりますから


たとえ「届いている」という返事がなくても


「いつも、あなたを見守っているよ~」というメッセージを、色々なカタチで


送り続けていくことでしょうか?



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
本日は、ありがとうございました。 (南雲 明彦)
2009-10-14 22:51:12
本日の講演会のことを記事にしていただき、ありがとうございます。

私が拙いお話をさせていただいてる中で、要所要所で、頷いてくださって頂いた姿が、とても印象に残っています。

もちろん、この活動が”正しい”とは思っていません。つまり、正解とは思っていないということです。

ただ、「どこにいても安心できる状況」を作り出すことは必要不可欠であると思っております。

ただでさえ、ストレスが多い時代です。
そのストレスをさらに増殖させるような世の中であってはならないと考えております。

だからこそ、100人いたら、3人くらいが、「正しい理解」をしてくださるだけでも、小さなアクションが後に、大きな変化を生むと信じています。

でも、「誰かの為」というよりは、私はそこまで人生を達観しているわけではないので、「自分の為にもやっている」という方が、表現としては適していると思います。

未だに、外に出れば、「読み書き」は、そこら中に溢れています。こんな活動をしている私も、「社会では、受け入れてもらえない。」というのは現実だと感じています。

しかし、諦めるわけにはいかないんですよね。

自分のアクションを通して、誰かが微笑んでくれたら、それでいいんじゃないかなって思います。

本日は本当にお世話になりました!
今後ともよろしくお願い申し上げます。

感謝を込めて
返信する
こちらこそ、ほんとうにありがとうございました! (風待人)
2009-10-14 23:36:59
南雲明彦さま

ご自分のことを、とても冷静に見つめていらして
お人柄の真面目さと一生懸命さが、よく伝わってくるお話でした。

ほんとうに、ありがとうございました。

お疲れにならなかったかしら…と想っておりました。

南雲さんのおっしゃるとおり

「どこにいても安心できる状況」を作り出すことは

どんな人にとっても大切なことですね!

特に、何らかの障害をお持ちだったり
生きづらさをお感じの方々にとっては、

そのことを分かってくれて、受け入れてくださる方や
見守ってくれたり
できることで良いので、手助けをして頂けたら

その方も含めて、たくさんの方々が安心して
暮らせるようになりますね。

お身体にはお気をつけて、お元気でお過ごしください。

またお目にかかれましたら、またお話をお聞かせくださいね!
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