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有機合成、早稲田シンポジウムに行ってきた

2009-05-09 21:58:43 | 雑談
さたでー\(`・ω・´)/

今日は早稲田大学理工学部で開かれた「第57回 有機合成化学協会関東支部シンポジウム」、通称(?)「早稲田シンポジウム」に行ってきた。
久々のスーツ装備でしたのよ。

内容は名前から想像できるように、各大学の研究室や研究所かた論文として出された有機合成に関する研究内容の短い講演。
今日、明日と2日間開催されるけど、1日目の今日は慶応大理工の垣内先生や東大薬の福山先生の特別講演なんかもあったりした。

今日の自分が聞いた講演の中で印象に残ったのは、東京理科大工 林研究室の「(-)-オセルタミビル(タミフル)の3ワンポット全合成」と福山先生の特別講演「Manzamine Aの全合成」の話あたりか。

タミフルの全合成は凄かったね。
t-BuO2C-HC=CH-NO2(trans)を出発物質として、全9ステップ、3ワンポット、1カラム、収率57%でタミフルを合成したという。
1ヶ所、途中の過程でニトロ基とアジド基を持った爆発性の危険がある基質が出てくるところを経由しないといけないという部分があるけど、ここまで来ると工業的な合成でも活用できる感じで「ほへぇ」と感心したり。

Manzamine Aの全合成は、先生のトークがなかなか面白かったw
そもそも、Manzamine A自体も8員環や、一種の15員環を持っていたりで面白い物質。
これを全合成するときの苦しさや楽しさなんかは聞いていて楽しかったです。

しかしまぁ…疲れるね!
さすがに明日のやつは出れなさそうだわ…
でも内容としては、東京理科大 中田研で行われているらしい「マイトトキシン」の全合成関係の話が面白そうなんだよなぁ…
マイトトキシンはポリエーテル環天然物、C142,分子量は3422と生体高分子を除く天然物の中では最大の大きさで、不斉点を98個持ったカルシウムイオンチャネルに作用してシガテラ中毒なんかを引き起こす神経毒なわけだけど、こいつの環構造の一部を合成したって話。
毒物スキー(アブナイ人じゃないですよ?)としては気になるところではあるんだけど…
何か、2-Deoxy-D-riboseから始めて、エーテル環を3つ巻くのに44ステップぐらいかかってるみたいなんだよなぁ。
こんなものを全合成しようなんて、合成系の底力マジパネェっす><

というわけで、明日はまったりするますよ、いい加減。
睡眠時間があんまし足りてない感じなので、今日は9時間ぐらいガッツリ寝たいと思いつつ……

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