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頭痛薬はEVE派ですね(`・ω・´) ~イブプロフェン~

2011-03-05 21:13:36 | なんとなく有機化学がわかった気になる
どうも、頭痛薬は昔から「EVE A錠」を愛用しているボクです。
バファリン派の人もいるでしょうけど、ボクはバファリン飲んだことないのです( =ω=)

EVEには糖衣錠やイブクイックなど種類があるけど、ボクは断然A錠ですね!
ボクは昔から頻繁に頭痛を起こす頭痛持ちなので、頭痛薬の消費量はハンパないのですよ…

さておき、EVEに入っている解熱鎮痛作用を示す化合物が「イブプロフェン」です。



薬というとめんどくさい構造だろうと思ってしまい、大抵それは合ってるんだけど、これは単純ですね。
ベンゼンにプロピオン酸と、そのカルボニルのα位にメチル基がにょきり。またp位にイソブチル基がついてます。

イブプロフェンの面白いところは、ラセミ体で服用しても大丈夫、という点。
こいつは生体内にある酵素によって、R体からS体に異性化されるのです。
カルボニルのα位は3級炭素の不斉点になっているけど、解熱鎮痛作用の活性を示すのはS体の方で、R体は特に何の作用も示しません。

薬というのは片方のエナンチオマーのみが薬効を示す、というのがほとんどなので、大抵は不斉合成で選択的に作らなければなりません。
で、やっぱりそういうのってすげー大変なんですよね。
なので、ラセミで服用しても、服用分が100%効果を発揮できるってのは生産面から見てもかなり良いことなのです。

ついでに、隣のアセチルサリチル酸(アスピリン)は昔からある解熱鎮痛作用を持つ化合物ですね。
バファリンなんかにはイブプロフェンに加えてこのアスピリンも入ってます。

イブプロフェンやアスピリンはどう働いているか。
これはざっくり言うと「プロスタグランジンの生成を抑える」です。
プロスタグランジンってのはホルモンの1つで、風邪をひいたりすると、体内の細胞の細胞膜からどんどん生成されます。
脳の視床下部で生成されれば発熱の原因になるし、関節で生成すると関節痛の原因になったりなどなど。
こいつの生成にはシクロオキシゲナーゼなどの酵素が関係してるけど、アスピリンやイブプロフェンはこの酵素の働きを阻害するのです。

余談。
EVEには他にもアリルイソプロピルアセチル尿素や無水カフェイン(カフェインには一水和物も存在する)なんかも含まれています。
アリルイソプロピルアセチル尿素は催眠鎮静薬に使われたりするけど、主に鎮痛作用の補助目的で配合されます。
無水カフェインは副作用の眠気を和らげるため……ではなく、実はこれも鎮痛作用の補助目的で加えられていたりします。
カフェインって覚醒作用が真っ先に思い浮かぶけど、こんな効果もあるんですね( ・ω・)



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