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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[秋刀魚] 食生活について語ろう

2019年10月21日 | 美容ダイエット
◎秋刀魚Pacific saury  さんま
  秋の味覚と言えば、いろいろなモノが思いつきます。マツタケ、秋ナス、 サツマイモ、栗、葡萄、柿、ぎんなん、戻り鰹などなど…。秋の味覚を代表する魚はなんと言っても大衆魚の秋刀魚ですね。丸々と太って美味しいだけでなく、健康に良い栄養素もたくさん含まれています。
 有名な「目黒のサンマ」では、天高く、馬肥ゆる秋、青い空には、いわし雲がひろがり、のどかな初秋の目黒の田舎道で ジュウ ジュウ焼かれているサンマが、お目が留まったお殿様は、 そのなんとも美味しそうな匂いに誘われ、初めて食べたサンマの味が忘れられず、「サンマは目黒に限る」ということにあいなりました。新鮮な秋刀魚は、品川から水路目黒川を利用して船で、昭和の初め頃まで、水路を利用していたようです。現代版目黒のサンマとして、アメリカ大統領のジミーカーター氏は国賓として訪日している時、お忍びで食べた焼き鳥の感想をマスコミに聞かれ、「そうだね、新橋のガード下の焼き鳥の方がおいしいね。」と言ったのは有名のようです。

  和名のサンマの由来については、サ(狭、意:狭い、細い)に起源があるとして「細長い魚」を意する古語のサマナ(狭真魚)がサマよりサンマと変化したとする説、大群をなして泳ぐ習性を持つことから「大きな群れ」を意とするサワ(沢)と魚を意するマからなる「サワンマ」が語源となったという説です。サンマは古くよりサイラ(佐伊羅魚・祭漁)、サマナ(狭真魚)、サンマ(青串魚・三馬・三摩)、などと表現してきました。夏目漱石は、1906年(明治39年)発表の「吾輩は猫である」の中でサンマを三馬(サンマ)と記しています。秋の味覚の代表とされる魚であるから、うまさ、たくさん、馬力がつくこととほめたのではないでしょうか。
一般には1894年(M27年)までは「三摩」と、「秋刀魚」は1898年(M31年)頃から使われ始めていたようです。多くの人に知られる秋刀魚という漢字表記の登場は遅く、大正時代になってからとしています。サンマを秋刀魚と書いたのは、秋の月夜にサンマをとったとき、魚体が刀のように美しく見えたということで現代の秋刀魚は、秋に旬を迎えよく獲れる、細い柳葉形で銀色に輝くその魚体が刀を連想させることにあり、「秋に獲れる刀のような形をした魚」との意味があると考えられます。1922年(大正10年)の佐藤春夫の詩集に収められた「秋刀魚の歌」で、広くこの漢字が知れわたるようになりました。

  秋刀魚の体形は細長く、上下顎はくちばし状で下顎は上顎より突出した形で背部は暗青色、腹部は銀白色です。胃が無く(他にイワシ、ペラ、プダイ、トビウオ、コイ、メダカ、金魚など)短く直行し食道、腸が肛門に繋(つな)がり腸が短いため捕食した餌は、短時間で消化し体外に排出しています。鱗が小さいに上に、はがれやすいことから、棒受け網で漁獲した秋刀魚は漁船から水揚げされる際にほとんどの鱗がはがれ落ち、状況によっては水揚げの直前に自ら多くの鱗を呑み込んで内臓に溜め、サンマが捕食した小魚の鱗ではなく、サンマ自(みずか)らの鱗である場合もあります。
 日本付近の主な漁場は根室沖、三陸沖、銚子沖の太平洋側です。日本におけるサンマ漁(りょう)の漁期は9月から11月で、夏期にオホーツク海や北海道東方沖で成長した群(む)れは、9月頃から親潮とともに南下、30~40cm程度に成長し南下する群れを対象としています。刺し網、 流し網漁や光に集まる習性を利用する棒受け網漁によって行います。
また、サンマを手づかみで捕らえる漁(りよう)が、産卵しようと流れ藻に入り込む5~6月に佐渡島や北海道西岸沿海で行われています。
  
  秋刀魚もTAC制度(Total Allowable Catch:漁獲可能量制度)により資源量を調査し漁獲量を管理してます。価格は、シーズン初期(8月)の主要陸揚げ港である北海道・道東の港で高く、三陸海岸沖に魚群が南下してくるシーズン中期以降の主要陸揚げ港である東北地方太平洋側諸港で安くなる傾向があります。魚群の南下スピードや漁期、市場の需要と供給などにより、魚の価格は変動しています。
時期になっても秋刀魚の群れが見られず、夏が暑すぎて、水温が下がらず、群れの南下が遅れたのではとのことでしたが、9月の末から急速に漁が回復し、魚体も大きいサンマが増え、それにつれて価格も下がったという話もあるようで、原因ははっきりとは判っていないこともあります。
  サンマが獲れる地域が日本近海に限定されるため、サンマを食べる習慣があるのは日本とロシアのサハリンとかカムチャツカ半島周辺に限られます。ロシアでは焼いた物にスメタナ(生クリームにヨーグルトを加え乳酸発酵させたものサワークリーム)をつけたり、生の切り身をマリネにするなどして食べられています。イギリスでは、Blueyと呼ばれ、釣り餌として日本のマグロ延縄漁船では、冷凍サンマが餌に使われています。サンマの内臓には小さく赤いミミズのような虫が含まれていることがありますが、これはラジノリンクス Rhadinorhynchus selkirki という名の寄生虫で人体に寄生することはなく、無害といいます。

   サンマ科の秋刀魚は、外洋性・遊泳性(泳いでいないと呼吸ができない)、回遊魚であり寒流に乗り群れをなし移動、 日本~アメリカ北岸アラスカよりメキシコ沖にいたる沖縄県以北太平洋北部 に分布する表層性の魚です。 季節によって広い範囲を回遊する魚として知られていますが回遊経路は十分に解明されていません。分布に明瞭な境界が無く連続して分布し、また遺伝子解析の結果からも大きな差がないとしています。
日本近海では夏の間はオホーツク海付近の冷たい海で過ごし、8月千島より日本近海の海水温が徐々に 下がってくるのに伴い、親潮にのって、北から少しずつ南下し翌年1月に和歌山沖に達します。春、太平洋側では黒潮の暖流域で孵化し海流とともに再び北上します。日本海側では山口県沖の対馬海流の暖流域で産卵し新潟県沖など日本列島を囲むように南下を行います。
寒帯性で産卵が10~12月でそれ以前のものが油がのり九月に三陸沖で主に北太平洋沿岸で捕獲されているものを旬としています。秋に捕獲する秋刀魚には、卵が入っていません。初夏6月の頃に佐渡で捕る「ばんじょ(秋刀魚)の手づかみ漁」の、その秋刀魚は殆どが卵持ちのようです。

  1991年に大部分のサンマは一年位しか生きないことを明らかにしています。寿命は1年から2年程度であり、最大、通常2年で全長35cm程度まで、まれに40cmを超える大きさのものも見られますが、28cm未満は、0歳魚と考えられます。生存したままでの捕獲が極めて難しく、短命なのと、非常に臆病な魚です。福島県にあるアクアマリンふくしま において常設展示用飼育が行われているようです。
海域によって産卵時期は異なりニシンの様な特定の季節に集中した産卵ではなく、一定 の大きさを超え成熟した個体が産卵しますが、「年2回のピークを持った産卵」とする説と「冬を産卵期」とする説、夏季を除いてなどとがあり今日に至っても解明していません。
太平洋側では暖かい黒潮海域で冬に最も盛んに産卵が行われており、卵は1回で1000個から3500個を4日から6日のペースで産んで、同じ個体で3ヶ月以上になります。粘着性で付属糸と呼ばれる細い糸が卵についてまとまって、 ひげの様な糸があってやや楕円形の1.7mm~ 2.2mmと大型ですが同じダツ目のメダカの卵によく似ています。メスはこの卵を流れ藻などに産着させ雌が産みつけたブドウ状の卵に雄が放精して受精させます。水温10℃~25℃の範囲で10日前後で孵化することを確認しています。そして稚魚は黒潮に乗って北上し、ついには親潮海域に到達します。親潮海域は水温は低いものの、エサとなる動物プランクトンが豊富にあります。群れは体型に似合わず貪欲(どんよく)なまでに小型の甲殻類、小魚の餌をよく食べるようになり、脂肪が産卵前の旬のもの(25%)と産卵後(5%)1月のものとでは大きな差がみられます。成長したサンマは、今度は産卵のために黒潮海域を目指して南下します。この時に通過する親潮と黒潮の潮境、「潮目の海」が漁場になります。つまりサンマは黒潮と親潮の両方を生活の場とし、そして潮目の海が、漁場となります。
南下していくにつれて脂が抜けていきます。北海道の道東から太平洋岸では千葉県以北が主な漁場でありは9月頃がもっとも漁獲が盛んな時期で、しかもこの時期がもっとも脂 のりがよく、漁師さんはこの秋刀魚のことを「トロさんま」と呼んでいます。三陸で とれるものは「えびすさんま」と言われています。 尾ビレの黄色いのは脂の乗りが良いといわれ、また魚体に鱗のたくさんついているほど鮮度が良いことになります。
日本海のサンマは実りの秋がきても脂がなく脂の抜けた秋刀魚は、姿鮨、干物に加工に回しています。日本海側では、古くは、秋刀魚を食べる習慣があまり無かったようです。

塩焼き、マリネ、酢の物、竜田揚げ、蒲焼、刺身、棒鮨、缶詰、生干し、みりん干し、燻製にしています。
刺身などの生ものではアニサキスAnisakisの寄生虫の問題がありますがアニサキスは、-20℃2日で死滅します。北海道のスーパー では糠漬けさんまが売られます。
「さんまが出るとあんまが引っ込む」と昔からいわれその健康効果が知られています。適度の焦げ目は、食欲をそそり大根おろしの栄養の吸収をよくする酵素が多く、スダチからのビタミンCの抗酸化、消化促進、殺菌作用が期待でき魚の生臭さを和(やわ)らげます。
生100g中でエネルギー310kcal、水分55.8g、タンパク質18.5g、脂質24.6g、炭水化物0.1g、
灰分1.0g、ナトリウム130mg、カリウム200mg、カルシウム32mg、マグネシウム28mg、リン180mg、鉄1.4mg、亜鉛0.8mg、銅0.11mg、マンガン0.02mg、
ビタミンA効力:13μg、ビタミンD:19μg、ビタミンE:1.3mg、ビタミンK:Trμg、
ビタミンB1:0.01mg、ビタミンB2:0.26mg、ナイアシン7.0mg、ビタミンB6:0.51mg、ビタミンB12:17.7μg、葉酸17μg、パントテン酸0.81mg、ビタミンCTrmg 脂肪酸(飽和4.23g、一価10.44g、多価4.58g)、コレステロール66mgを含みます。
青魚でEPA、DHAを多く含み、脳梗塞、血栓症予防効果がありハラワタ、血合いにビタミンB12、鉄分(貧血予防)を多く含みます。

サンマ科Scomberesocidae さんまか
  動物界Animalia、脊索動物門Chordata、脊椎動物亜門 Vertebrata、:顎口上綱 Gnathostomata、条鰭綱Actinopterygii、新鰭亜綱 Neopterygii、棘鰭上目Acanthopterygii、ダツ目Beloniformes、ダツ上科 Scomberesocoidea、サンマ科 Scomberesocidae は2属(サンマ属 Cololabis、Scomberesox属)、4種からなり、世界中の熱帯~温帯海域の表層に分布しています。古くは、サンマ科を独立の科と分類してきましたが、本科はダツ科の一族ではないかとする説が浮上しています。
ダツ科との関係が深く、本科単独での単系統性には疑念が示されています。サンマ属(サンマ、太平洋ミニサンマ)・Scomberesox属(ニシサンマ、大西洋ミニサンマ)は各2種を含み、それぞれ1種は比較的大型で北太平洋・北大西洋など広い分布域をもつ一方、残る1種は5-13cmのごく小型で熱帯域に限られます。
口の開き方は比較的小さく、ダツ科魚類と同様に細長い紡錘形で顎をもつもの、下顎がやや突出した短い種などです。歯は小さく、高速遊泳魚によく見られるこの背鰭と臀鰭(しりびれ)の後方に4-7本の渦流を抑えて抵抗の発生を防ぐ役目をしている小離鰭(しょうりき)と呼ばれる三日月形の小さな突起、鰭(ひれ)をもっています。
各属の小型種は浮き袋をもたず、卵巣は片側のみです。マグロなどの大型の回遊魚の餌になっています。

  定番の秋刀魚の大根卸は、おろして組織が壊された時に生ずるイソチオシアネートIsothiocyanateは、遊離し辛くなります。脂肪分解・ピロリ菌撃退作用があります。アミラーゼの消化酵素がおおく大根アミラーゼは、ph5.5付近、60~65度で最も活性化します。オキシダーゼ(ポリフェノール酸化酵素:蛋白質、脂質分解、発ガン物質〈こげ:ベンツピレンBenzpyrene{ベンゾピレンBenzopyrene〉の抑制、解毒作用)、カタラーゼ(酸化還元酵素:成分損失、変色に関与)、グリコシダーゼ(配糖体加水分解酵素:栄養の吸収をよくする)の酵素を含んでいます。
酢橘Citrus sudachi(すだち)がサンマの塩焼きに合うとして用いています。柑橘類、柚子の近縁種で古くより料理の酢として使っていたことから酢橘と名がついたといいます。若い緑色のほうが香り、風味がよく、酸味が強く多汁、苦味がないことから利用しています。果汁を絞って秋刀魚の塩焼き、松茸の網焼き、刺身、鍋物に使われています。
全果に対する果皮部分30%、果汁部分25%を占めます。ビタミンC(果皮110mg/100g中、果汁40mg/100g中)、クエン酸を含み疲労回復に、果皮に多く含む香り成分のリモネンがストレス解消に役立ちます。
 秋刀魚のみならず、添え物をして、しっかりと頂くことによってより健康効果を発揮します。適度の運動、栄養、休養のバランスでこそ、健康維持ができるのです。
      
(2019,10,21)
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