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[オリーブ] 食生活について語ろう

2019年10月21日 | 美容ダイエット
◎オリーブ Olive おりーぶ🫒

  3月15日はオリーブの日、1950年(昭和25)3月15日に、昭和天皇が小豆島(しょうどしま)を訪れオリーブの種をお手撒きになったとされています。この日を記念しより多くの人にオリーブを知ってもらおうと昭和47(1972)年に小豆島の「オリーブを守る会」によりオリーブの日とし制定しています。小豆島オリーブ公園では3月10~15日にオリーブウィークの記念行事が行われます。

 オリーブは、モクセイ、ヒイラギ、ジャスミン、ライラックの系統に属するモクセイ科、地中海原産で、紀元前より栽培を確認しており欧米を主産地と種類も数百種に及びます。平均気温が15~20℃ぐらいの寒暖差の少ない温暖な日当たり、水はけのよい比較的乾燥したところで生育がよく、高さ3~10mになる常緑樹で、葉の表面は、深緑色、裏面は、灰白色、葉は対生、長楕円形をしています。実をつけるのに5~10年もかかるといわれます。樹齢は、およそ500年ともいわれ樹齢1000年以上にもなる木が地中海沿岸の地域に存在しているようです。花は、5月から6月にかけて可憐な米粒程度の淡黄色で芳香があります。そのあとに緑色の小さな子房が膨らんで夏の日差しを浴びながら実が大きくなります。

  アテネオリンピックの勝者の頭を飾る小枝の冠のオリーブは、紀元前から「黄金の液体」を生むとして知られ、平和、希望の象徴としての樹木としてきました。旧約聖書の伝説から、大洪水のときに陸地を探すためにノアの箱舟から放たれた鳩がオリーブの枝をくわえて来たことによるものです。ハトとともに平和の象徴とされることの由縁です。国連のマークに使われている葉もオリーブの葉となっています。

 世界におけるオリーブの生産量は、イタリア、スペイン、ギリシャ、チュニジア、トルコと気候の温暖な地中海周辺の地域に集中しています。
  日本では、オイルとして安土・桃山時代(1573~1603)に持ち込まれたとされオリーブの苗木は、幕末の頃に伝来しています。香川県出身の本草学者平賀源内(1728~1779)は日本に導入されていなかったオリーブの木とモガシ(日本在来の樹木・別名ホルトノキ)を見誤り、モガシにホルト(オリーブ)の木と命名していたといいます。
明治41年(1908年)にアメリカより輸入された苗木によって植樹が行われ栽培に小豆島で成功し農家への普及がされていったようです。昭和34年の自由化により一時衰退していましたが、最近では徐々に樹姿のもつ鑑賞性が見直され、東京以南の温暖な地域では庭園、街路樹等の緑化に植樹されています。

香川県の、県の木、県花(昭和41年制定)、小豆島の町木、町花(H18.3.21制定)に指定され小豆島(しょうどしま)は、オリーブの島(オリーブアイランド)としても有名です。

  果実は渋味があることから生食することは少なく9~10月に未熟果より渋み、苦味を抜き塩蔵品が製造され10月下旬より11月にかけ成熟し旬とします。果実は、2~15gの円形、卵型で品種により多少形、色、大きさが異なります。グリーン(未熟)から黒緑色(成熟)し生食される品種もあります。

殆どは、オリーブ油(成熟したライプオリーブを使用)、緑果を塩漬けし乳酸発酵させピメント(フランス語でピーマン、赤唐辛子)を中央に種子を除き詰めたスタップドオリーブが多く出回っています。アーモンドを詰めたアーモンドオリーブもあります。成熟したライプオリーブとともにサラダ、カクテル、パスタ、香料(花)として使われています。最近では、ジャム、蜂蜜漬け、グラッセに加工したものが市販されているようです。
 オリーブ茶として葉には、ポリフェノールの一種オリウロペイン(oleuropein:免疫力の強化・中性脂肪の抑制)を含み注目されています。
オリーブの実をピクルスにしたもの100g中で
グリーンタイプ(緑果の塩漬け)
エネルギー145kcal、タンパク質1.0g、脂質15.0g、炭水化物4.5g、灰分3.9g、ナトリウム1400mg、カリウム47mg、カルシウム79mg、マグネシウム13mg、リン8mg、鉄0.3mg、亜鉛0.2mg、銅0.17mg、マンガン0.04mg、ビタミンA:75μg、ビタミンD:(0)μg、ビタミンE:5.5mg、ビタミンK:(0)μg、ビタミンB1:0.01mg、ビタミンB2:0.02mg、ナイアシンTrmg、ビタミンB6:0.03mg、ビタミンB12:(0)μg、葉酸3μg、パントテン酸0mg、ビタミンC12mg 食物繊維3.3g

ライプタイプ(熟果の塩漬け)
エネルギー118kcal、タンパク質0.8g、脂質12.3g、炭水化物3.4g、灰分1.9g、ナトリウム640mg、カリウム10mg、カルシウム68mg、マグネシウム11mg、リン5mg、鉄0.8mg、亜鉛0.2mg、銅0.17mg、マンガン0.08mg、
ビタミンA:0μg、ビタミンD:(0)μg、ビタミンE:4.7mg、ビタミンK:(0)μg、ビタミンB1:0.05mg、ビタミンB2:0.06mg、ナイアシン0.3mg、ビタミンB6:0.02mg、ビタミンB12:(0)μg、葉酸2μg、パントテン酸0mg、ビタミンCTrmg 食物繊維2.5g

スタップドタイプ(緑果にピメントを詰めた塩漬け)
エネルギー137kcal、タンパク質0.8g、脂質14.3g、炭水化物4.2g、灰分5.3g、ナトリウム2000mg、カリウム28mg、カルシウム83mg、マグネシウム13mg、リン5mg、鉄0.3mg、亜鉛0.1mg、銅0.14mg、マンガン0.03mg、ビタミンA:88μg、ビタミンD:(0)μg、ビタミンE:5.3mg、ビタミンK:(0)μg、ビタミンB1:0.01mg、ビタミンB2:0.01mg、ナイアシンTrmg、ビタミンB6:0.02mg、ビタミンB12:(0)μg、葉酸1μg、パントテン酸0mg、ビタミンC11mg 食物繊維3.7g

オリーブ油 
   日本に始めてオリーブオイルが持ち込まれたのは、安土・桃山時代(1573~1603)だったようです。当時、キリスト教伝道のため来日したポルトガルの神父によって持ち込まれたことより、当時はオリーブオイルのことをポルトガルの油、ホルトの油(ポルトガルの油)と呼んでいました。江戸時代の鎖国政策で、一時オリーブに接する機会は閉ざされましたが、一部の蘭方医(オランダより持ち込まれた医術)が医薬品として、オリーブオイルを使用していました。
その後、明治15年(1882)には神戸の植物園(神戸オリーブ園)で果実が収穫され、我が国で始めてオリーブオイルの搾油、テーブルオリーブス(オリーブの塩漬け、オイル漬けの加工品)製造が行われています。

  しかし、昭和34年ごろからの輸入自由化により安価な外国産のオリーブオイル、テーブルオリーブスが大量に輸入されるようになり、国内の栽培は昭和40年(1965)頃より急速に減少の一途をたどり、現在では小豆島を中心とし本県と岡山県の一部に地方の特産物として生産が見られるにすぎないといいます。
 一般には種子の大豆、胡麻、アブラナなどの種子から油を取るのですがオリーブからは、成熟果実の乾燥果肉から低温圧搾法、遠心分離機で採取するオリーブ油で40%から70%程度、淡黄色、無臭の油が加熱処理、生成を必要としないで自然のままで圧搾採取されまます。そのため植物性スクワラン、ビタミンA(30μg/100g中)の含有量が多いのです。大豆、胡麻、アブラナ(なたね)油などの種子油ではビタミンAを含まずゼロです。植物性スクワランを含み植物ステロール(コレステロールの体内吸収を抑制)が、化粧、医療用、食品添加物〈乳化剤〉に利用されています。主に潤いを保ち保湿作用があるとし製品化されているものにオリーブ油、バージンオイル、乳液、ハンドクリーム、石鹸、シャンプー、リンス、ムースなどがあります。
 
 不乾性油で料理ではサラダ、揚げ物、マリネなどに広範囲に利用されています。脂肪酸組成は、オレイン酸70%(不飽和脂肪酸、LDL(悪玉)コレステロール低下作用)、リノール酸10%(必須脂肪酸).パルミチン酸8%.ステアリン酸2%程度を含みます。オレイン酸以外にも天然の成分からの抗酸化作用が認められ香りもよく利用の範囲が広く用いられます。
オリーブオイル100g中
エネルギー921kcal、タンパク質0g、脂質100g、炭水化物0g、灰分0g、ナトリウムTrmg、カリウム0mg、カルシウムTrmg、マグネシウム0mg、リン0mg、鉄0mg、亜鉛0mg、銅0mg、マンガン0mg、
ビタミンA:30μg、ビタミンD:(0)μg、ビタミンE:7.6mg、ビタミンK:42μg、ビタミンB1:0mg、ビタミンB2:0mg、ナイアシン0mg、ビタミンB6:(0)mg、ビタミンB12:(0)μg、葉酸(0)μg、パントテン酸(0)mg、ビタミンC(0)mg 食物繊維0g

  
           *オレイン酸 Oleic acid
  n-9系(ω[オメガ]9:不飽和脂肪酸でメチル基[CH3]末端の炭素から数えて9つ目が最初の二重結合をしている)、一価(モノ)不飽和脂肪酸で、人の体内でも合成される。動植物の脂肪、殆どすべての油脂(オリーブ油70%、なたね油55%,豚油40%,米ぬか油38%,白絞油23%,綿実油17%)、特にナッツ類(アーモンド66.8%、くるみ61.2%、マカディミアンナッツ57.4%)に多く含まれ、オリーブの油から最初に分離されたことにより名前がつけられた。
常温で液体、熱に強い。不乾性油であることからその特性を利用し乾性油との識別に利用される。飽和脂肪酸よりは、酸化を受けやすいが二重結合がひとつで多価不飽和脂肪酸に比べ酸化しにくい。皮膚への刺激が少なく化粧品に利用される。LDLコレステロールのみ低下、抗酸化作用を持つ。消化、吸収がよく体脂肪の蓄積を防ぎインスリンの働きをよくして腸の運動を高め、胃酸の分泌を調整、医薬品などにも使われる。

           *スクワラン すくわらん
  深海(300m~1,000m)産のあい鮫、へらつの鮫、ビロード鮫の不ケン化物(石鹸にならずにエーテルに溶ける成分)を含み、多くのスクワラン(炭化水素)が存在している。スクワレン(淡黄色)を化学的に安定させたのがスクワラン(無色透明)といわれる。さめ肝油85~90%、オリーブ油0.5%、そのほかぬか油、酵母にも存在する。健康食品として、多くが輸入(フィリピン)されている。深海ザメの体重の25%にも当る肝臓に含む肝油中に含まれる不飽和炭化水素でそのスクアレン(炭化水素:酸素の影響を受けやすく不安定)が、多いがこれは食用には適さない。一般に魚類の油は、時間がたつと空気、紫外線によって変質しやすく過酸化脂質となって、それを使用すると肌を刺激してトラブルの原因を作ってしまう。

精製することによって変質しにくく肌にやさしく、安心して利用できる。黄色の肝油を精製脱臭、透明で臭い、不純物、汚染物質を含まず味などチェックされたスクワレンに水素を添加し、飽和炭化水素という、より安定した成分にしたものがスクワランとなる。スクワレンは、人体のさまざまな組織の中に存在し、特に、皮膚と脂肪組織に多く見られる。このことからスクワランは、皮膚への浸透性が高く優れた殺菌力を有する。更に酸素補給を高めて新陳代謝を促し肌の潤いを保つ。細胞を蘇生、活性化させることから肝疾患に効果をもたらし、酸素を十分に取りこんで新陳代謝を促す作用は、発ガン抑制にも有効であることが臨床実験で証明されている。また化粧品の乳液、クリーム、口紅、スキンケア用品の保湿成分として広く配合され用いられる。

       南米・イタリア料理では、オリーブ油とトマトの食材が頻繁に登場してきます。トマトのリコピン(耐熱性:免疫力強化、骨粗鬆症、花粉症予防)の作用と共にオリーブ油は、健康維持に大切な働きをしてきたようです。
 
(初版2019,10,21)
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