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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[圧力鍋]食生活について語ろう

2023年12月17日 | 美容ダイエット

・圧力鍋Pressure cooker あつりょくなべ
 鍋の上に重石をのせ加熱することで、蒸気の逃げが減って圧力がかかり、100℃以上の温度で調理できます。 1679年にフランス生まれの蒸気機関の原理の開発者として知られる物理学者 ドニー.パパンDenis Papinは水の沸騰温度が圧力に依存することを発見し、 圧力調理器 「ダイジェスターDigester」 を発明しています。しかしながら調理設備に近い大型の器具で暫(しばら)く、業務用の大型器具のままでの利用でした。
1938年、アメリカのアルフレッド・ビッシャーAlfred Vischerが、家庭用の圧力鍋を考案し特許出願しています。戦後アメリカ風の生活様式が広まるのに合わせて世界に普及したのでした。
プレッシャー・パンpressure panあるいはプレッシャー・クッカーpressure cookerともいい鍋の上に重石をのせて加熱すると、蒸気の逃げが減って圧力がかかり、100℃以上の温度で調理できることから考案したもので、欧米で広がりを見せていました。
日本でも玄米炊飯用として、第二次世界大戦当時から圧力釜の国産化して普及していたようです。固い肉類や豆類、根菜類、小魚の骨、海藻類などを柔らかく煮ることができ、さらに調理時間が短縮できます。
1977年には、当時の松下電器産業(現パナソニック)が電気圧力鍋を発売しています。 圧力釜は、2~2.5気圧程度の圧力範囲での利用をしています。自動で簡単かつ短時間で調理でき、このことから、1980年代ごろまでは圧力「鍋」ではなく飯を炊く圧力「釜」と呼ぶようになったようです。
  気圧が高いと沸点は上がるという原理のもとに作られた調理器具で、およそ2気圧で120℃、2.45気圧で128℃程度になります。圧力鍋・釜(高圧釜)では気圧を高くすることができ100℃でも沸騰しないので、水温が高くなり物が軟らかく煮えます。高温や高圧により、野菜類の細胞壁が早く破壊、肉類ならタンパク質や繊維が早くほぐれ普通の3分の1から4分の1の短時間で調理することが可能でビタミン、ミネラルの損失が少なくなります。調理には、加圧のために十分な水分と空間が鍋の中になければならず、日本の雑貨工業品品質表示規程では「なべに三分の二(ただし、豆類にあっては三分の一)以上内容物を入れて使用しない旨」を表示義務としています。
圧力鍋を用いた調理は基本的に、加熱、加圧、蒸らし、減圧の、計4つの段階があります。
蓋を開ける際には、十分に減圧してからにしないと、高温の内容物、蒸気によりやけどしたりすることがあるので取り扱いには充分な注意が必要です。圧力釜の沸点が上がるということは、より高温で調理ができるということで、すなわち100℃以上の高温で調理でき高地のご飯は圧力釜を使えばおいしく炊け、圧力なべで魚を料理すると骨まで柔らかくり短時間で調理できるのです。
COVID-19の最中に圧力鍋は家庭での調理が増加したことによるのでしょうか、急成長となったようです。

包装食品の高静水圧殺菌処理について
水温を上げ高めるのが加熱で、水圧を上げ高めるのが加圧です。ハイプレッシャー殺菌HPP(High Pressure Processing)とは、包装後の食品に対して、最大600Mpaの静水圧を数分間かけることで低温殺菌する技術です。 食品に対して高圧力をかけることによる非加熱殺菌の効果は、19世紀には既に発見がありましたが、実際にHPP食品が開発されたのは1990年代に入ってからの開始でした。
静水圧による圧力作用を受けた組織や細胞が、加圧 時に急激な吸水、除圧時に細胞内成分の浸出と いった現象により、細胞膜や細胞内小器官が物理的に損傷し、細胞が死滅するためと考えられています。
圧力は数10~1,000MPa(めがぱすかる)を利用することで水圧は、デンプン、タ ンパク質、酵素などの生体高分子物質は糊化や変性、失活して しまい、増殖期の徴生物で死滅します。細菌の芽胞は圧力に対する耐性が非常に高いので注意が必要です。加圧範囲500~600 MPa、加圧時間3~5分間、加圧チェンバー内水温(冷却した水または室温の水)の条件下での高静水圧殺菌法は食品の栄養価、代謝または有害物質含有量を有意に変化させないようです。

高圧低温保存技術の応用について
   越後製菓(新潟県長岡市)は鹿児島大学と連携し、高圧を利用して動物の臓器を低温保存する実験を始めています。加圧は、いままで缶詰として使われてきた技術ですが、高温殺菌できない食品の分野での利用があります。現在の食品の保存で最も期待しているのが、殺菌技術で超高圧利用技術の分野です。一般的に細菌は水溶液中で室温で、500MPa(めがぱすかる)~600MPa以上、70~80℃の加熱、10~20分の超高圧処理で殺菌が可能として主に柑橘類果汁、牛乳、酒、水産練り製品、ソーセージ、成分の抽出での応用をしています。圧力の利用により、殺菌、変性、食感、消化に影響を与えています。
地上付近の1気圧(1013.25hPa)では、水(純水)は、100℃で沸騰します。気圧が低い富士山頂(0.7気圧)では水の沸点が下がり87℃くらいで沸騰し普通の鍋で炊いたご飯は半煮えでおいしくできません。逆に圧力鍋では気圧が高く100℃でも沸騰しないので、水温が高くなり物が軟らかく煮えます。
高圧処理は、食品加工のみならず生体細胞の保存、ないしウイルスの殺菌、有用な薬草成分の増強などで、医薬、健康食品産業に貢献できることの期待があります。
一定の高い圧力の下では氷点下でも水が凍らない現象を利用し、移植医療に役立つ技術の開発を目指しています。加熱不要でレバ刺し、ユッケ、刺身などにも応用できる日が来るかもしれません。
-20℃の氷(個体)は、2000気圧のもとでは水(液体:水溶液)として存在し、100℃の蒸気(気体)でも23,000気圧では氷(個体)になることを示すことができます。圧力は、熱と同様に独立した状態変換因子として存在しているといえるでしょう。
※圧力の単位はMPa(メガパスカル):1Pa(パスカル)は1m2の面積に1N(ニュートン)の力が 作用する圧力(または応力)と定義しています。
102kPa(キロパスカル)=0.1MPa≒ 0.987(atm:Atmosphere) 気圧(標準大気圧)≒1気圧=10.2kg/cm2=1MPaとなります。



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