・鮗Gizzard shad このしろ
コノシロ科、ニシン科、イワシ科に似て新潟県、宮城県沖、中部以南の海域、内湾、河口域の砂泥地に分布する。
成長し3年で体長25cm、背部が青銅色をし背鰭の最後のところから軟条が糸状に伸び、黒色斑点が尾ひれに向かい3、4列になってみられ腹部が銀白色をしている。
４～５月に産卵(分離浮上卵)のため河口域に移動してくる。地方、大きさによって呼び名が異なって出世魚として東京で10cm以下をジャコ、シンコ、10～15cm程度までになるとコハダ(小肌)、それ以上のものをコノシロと呼ぶ。
昔は情報網の発達が未熟で拶双魚(さっぱ)と混同して呼ばれたりしていて同じような調理の仕方がされままかりとは一般に拶双魚のこととしている。
年中みられるが9～11月を旬とし捕獲している。
コノシロになると大味で、小ぶりのこはだがよく粟(あわ)漬けと称して頭、内臓、骨、ひれを取り除き塩、酢漬けしたものに粟、唐辛子、柚子の皮を刻んでまぶしたもので黄色と赤で彩りもよく発酵し締まった肉質となり旨みが増し正月の料理として作られる。
加工しないで鮮魚の生の刺身で出されることはなく酢〆とし洋風ではマリネに、小骨が多いが酢のもの、塩焼き、煮魚、ひかりものの寿司ネタとする。
たん白質19.0%、脂肪8.3%(飽和脂肪酸2.27g、一価不飽和脂肪酸2.51g、多価不飽和脂肪酸1.95g)で脂肪をやや多く含む。
