・甲烏賊Golden cuttlefish こういか
コウイカ科、本州中部以南、四国、九州の沿岸海域に分布する。
胴長18cm、触腕(餌を捕るための長い2本の腕)長20cmほど、全長30~50cm、総重量500g前後で胴の中に背面(はいめん)の外套膜(がいとうまく)に包まれ厚くて大きい石灰質の甲を持つ。
体色は、灰褐色で背部に無数の横縞がみられ、雄の縞模様が濃くはっきりみえる。
石灰質でできた固い軟骨が舟形の甲、甲羅を持つことから甲烏賊の名前がつけられた。
別名他の烏賊に比べ大量の墨を持つことよりスミイカ、マイカ、ハリイカとも呼ばれる。
初春より初夏にかけ産卵期を向かえ浅瀬にやってくる。
コウイカ科には、他にアオリイカ、カミナリイカ(モンゴウイカ)がよく知られる。
旬を秋から冬にかけて10月~翌年1月に最も美味しい時期として、身が厚く、やわらかく刺身、寿司ネタ、焼き物、煮物、揚げ物、墨作りの塩辛に調理される。
スペイン料理に、この墨を利用した料理がある。加工してするめにもしている。
100g中でエネルギー66kcal、たんぱく質14.9g、脂質0.3g、炭水化物0.1g、灰分1.3gを含む。
コウイカの骨が、漢方で収斂(しゅうれん)作用を特徴とし、生薬の烏賊骨(うぞっこつ)で主成分は炭酸カルシウムや燐酸カルシウムよりなり、制酸作用があり胃薬に用いる。
だらだらの出血、膿み、下痢がとまらない等に貼り薬にも使われる。
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[2019.10.22]