えりこのまったり日記

グダグダな日記や、詩的な短文、一次創作の書き物など。

衆人環視のスター

2017-12-30 23:12:14 | 星野源
昨日仕事帰りに、東京駅中央通路のどん兵衛特別ビジュアルを見に行って来た。






すごいなあ。
あんなに人が大勢歩く場所に、巨大な宣伝ポスターが出ちゃうんだよ。
顔を晒すんだよ。


みんなが見てる、自分のことを。
見ながら何か喋ってる人もいる。
指差したり急に服をつかんで来たりもあったかもしれない。


そんな状況って、ある意味こわい。
望んでなってはいるでしょう。
この世界に入ったからには、売れたいとか有名になりたいとか、無かった訳じゃないはず。


でも、自分の名前が1人歩きして、あることないこと書かれたりとか。
不思議な世界だなあと思う、芸能界。
大変な仕事だなと思う、芸能人。
スターという響きはとっても魅力的だけどね。
誰でもなれる訳じゃないし。


放出しっぱなしにならないうちに、休めたらいいんだろうな。
いや、休んでください、ね。

可愛い36歳

2017-12-26 23:24:21 | 星野源
昨日のCDTV、Twitterをチェックすると、いとうあさこになりたい人続出だった。
ドラマチーム褒めたり、にぱっとした笑顔見せたり、やることなすこととにかく可愛い。
36って、世間的にはおっさんなのに…


いい歳して、甥っ子ほどの年下のオトコに、可愛い❤️なんてやってるのって、どうなの!?って思うんですよ。
思うんですけど。
やっぱり、可愛いは最強だからねえ。


でもまだ、スマホの待ち受けを源ちゃんに変えるのは躊躇する。
んなこと言っても、ロック画面は源ぎつねだけどな。

源ぎつねとどんぎつね

2017-12-24 23:19:44 | 星野源
どんぎつねがいない篇を見ると、なんでか切なくなる。
源ぎつねが、心配そうに探す顔、見つけた時のホッとした顔。
源ぎつねとどんぎつね、どんな関係?


会えたとき、抱き締めたり、一緒に歩くとき、手を繋いだりしないのが不思議な感じ。
あんな顔するんだから、いなくなった欲しくないんだろうな。
恋なのか、
ただの男とまぼろしなのか。


また、あの曲が切なさを煽るんだよね…



二人の距離・彼の記憶

2017-12-22 06:16:30 | 書き物

主任として戻って来て始めの一週間は、バタバタしていた。
引き継ぎ、顔合わせ、挨拶回り。
3年前はこの課で営業をしていたけれど、また新たに顧客と信頼関係を築かなければならないからだ。
あの子…いや、もう新人じゃない。
彼女とは、この忙しさの中では同じフロアにいても、挨拶程度の言葉しか交わしていなかった。
仕事上の関わりはそこまでないし、彼女とペアを組んでいる営業マンがいるからだ。
それでも、何かあって彼女に直接尋ねると、簡潔な言葉が返って来て、すぐに終わらせてしまう。
そこまで態度には出ないけれど、やっぱり避けられてるのか。
そりゃそうだ。
やんわりであっても、自分を振った相手とは顔を会わせたくないだろう。
でも、いつまでもぎくしゃくしていても、しようがない。
俺の方から今まで通りに接していれば、彼女も少しは気が楽になるかもしれない。


翌週、月曜日。
忙しなさも一段落した。
時間に余裕が出来たところで、給湯室へコーヒーを淹れに行った。
コーヒーの香りを楽しみながら、マシンの前で待っているとき、ふと、思い出した。
研修期間中にまだ新人だった彼女と、営業回りの途中でコーヒーを飲みながら休憩したことを。
仕事を覚えようと必死な彼女が、コーヒーを飲んでいる間はホッとした笑顔を見せたこと。
それが、少女のようで可愛らしかったこと…
…コーヒーが入ったらしい。
マシンのスイッチの脇に、灯りが点った。
カップに慎重に入れ、給湯室を出る、と。
彼女が俯いて立っていた。
さっきまで彼女のことを考えていたせいか、かなり驚いてしまった。
「お疲れさま。コーヒー飲むの?」
びっくりした…考えていたら本人が来るなんて。
「あ、はい。お疲れさまです」
俺と入れ違いに給湯室に入った彼女。
今日も、簡潔な言葉、俯いた顔。
もう、以前のような笑顔は見せてくれないのか…


週末が過ぎて、出戻りしてきて三週目。
少し遅れたけれど、課全体での歓迎会をしてくれることになった。
営業先から急いで店に向かう途中で、懐かしい居酒屋の前を通った。
以前、この近くに取引先があって通った店。
彼女の研修の終わりに、お疲れさまと飲んだ店。



「研修、よく頑張ったね。今度はペアを組む先輩と頑張って」
と、言葉を掛けた。
涙ぐむ彼女に、
「まだまだこれからだから。例えキツイことがあっても、仕事で涙は見せちゃだめだよ。だから」
彼女が顔を上げた。
「涙は、今日が最後」
その途端、彼女の瞳からぽってりとした滴が、ぽろぽろとこぼれ落ちた。
思わず、その泣き顔を見つめてしまった。
…なんて、綺麗に泣くんだろう。
「今だけ、我儘を言ってもいいですか」
「我儘?」
「…ペアを組むのなら、大沢先輩と組みたいです」
彼女の言葉に胸のどこかがきゅっと締め付けられた。
聞いてはいけなかった言葉のような気がして、
「それは、無理かな」
そんな、無下な返事をしてしまった…



なぜ今頃、こんなことを思い出すのだろう。
駅へ向かう道を急ぎながら、自問自答した。
けれど、答えは見つからない。
歓迎会が始まると、課の皆に挨拶をしてまわった。
そこには、ただ一人残っている同期もいた。
「まさか戻ってくるとは思わなかったよ」
ズバリと言われて、返す言葉がない。
「俺だって、びっくりだったよ。なんなら、あっちにずっといてもいいと思ってたんだから」
同期は、俺の言葉を聞いて眉を寄せた。
「そんなこと考えてたのか…彼女にバッサリ言ったのはそれでか」
「彼女…?」
「後輩の子だよ。知らないだろうけど俺あの子と付き合いかけたんだ」
「え?かけたって何だよ」
「仲良くなれたかと思っても、お前のことばっかり考えてるのが分かるんだ。俺を見てるようで見てなかったからな」
「そうだったのか…」
「俺は、大沢じゃないよって教えてあげたら、泣きそうな顔してたよ」
…3年前の最後の日、どうしたら良かったのか。
あのメールの返事を、どう言ったら良かったのか。
「おい、せっかく戻ったんだから、今度こそちゃんと自分の気持ちを言えよ」
「…え?」
「誤魔化してもダメだぞ。本当は好きだってこと、知ってるからな」
言い捨てて、行ってしまった。
これから、彼女にも挨拶しようと思ってるのに。
簡単に言うなよ。


1人グラスを弄んで、壁際にいる彼女に声をかけた。
「お疲れさま」
「あ…お疲れさまです」
びっくりしているようだ。
まさかここまで挨拶をしにくるとは、思っていなかったんだろう。
「仕事、順調そうだね」
「…はい」
俯いていた彼女の顔が上がった。
「もう、教えることなんて何もないんだね。また、よろしくお願いします」
笑顔で彼女を見る。
すると、彼女の顔がぱあっと笑顔になった。
…見せてくれた。
以前のような、少女ではなく大人の女性の綺麗な笑顔を。


戻って来てから、少しずつ彼女との記憶が蘇って来てる。
3年前、彼女を遠ざけたときに、一緒に彼女との記憶も遠ざけたんだ。
今、その一つ一つの記憶が、また俺の気持ちを彼女に向かわせる。
3年前は、自分の気持ちに自信がなかったから、抵抗したけれど。
もう抗わないと、決めた。
曖昧にしていた気持ちは、今まっすぐに彼女に向いている。

「…大沢、さん?」
黙ってしまった俺に、初めて彼女が先輩以外の呼び方をしてくれた。
















二人の距離・彼女の時間

2017-12-22 06:15:00 | 書き物
最初の一週間は、あっという間に過ぎて行った。
主任になった先輩・大沢さんとは、挨拶を交わした程度で仕事ではそこまで関わらなかったから。
営業の仕事で、組んでいる人もいたし。
でも、その組んでる人に言われてしまった。
「松丘さん、主任になんかよそよそしくない?新人の頃は主任が指導してたって聞いたよ」
「…先輩…いえ、大沢さんも主任になったことですし、いつまでも新人気分じゃいけないと思いまして」
「そうか。ごめん、よそよそしいなんて言って」
「いえ」
よそよそしいか…
だって、どんな顔をしたらいいか、どんな話をしたらいいか、分からないんだもの。
だから、一言か二言であっさり、簡単になってしまう。
それが、人からはよそよそしく見えてしまうのだろうか。




翌週、月曜日。
昼休みにコーヒーを飲もうと給湯室に行くと、彼が一人でいるのが見えた。
どうしよう…ここで二人きりになるのは、嫌だ。
躊躇していると、彼が出てきた。
私を見て一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐ笑顔になる。
「お疲れさま。コーヒー飲むの?」
「あ、はい。お疲れさまです…」
「じゃ、お先に」
…行ってしまった。
何、あの笑顔。
ズルいよ、あんな素敵な笑顔見せられたら、また…
私は、強張ってる自分の頬を手のひらで叩いた。
しっかりしろ、自分。
惑わされないで仕事しなくちゃ。
それに、彼は私の自分勝手な告白を、やんわり断っただけ。
今だって、普通に接してくれた。
私ばっかり、つらい、って思うのは止めにしなくちゃ。



週末が過ぎて、彼が戻ってきて三週目。
ようやく、挙動不審にならなくなった頃に、遅れていた彼の歓迎会があった。
全体に仕事が立て込んでいて、なかなか出来なかったのだ。
課全体での歓迎会。
人数も多いし彼は主役。
皆が彼を囲む中で近くで話すなんて、出来るわけがない。
でも、あちこちで皆と改めて挨拶を交わしているのは、どこからでも見えた。
ほんの一瞬だけれど、私の前にも来てくれて。
「もう、教えることなんて何もないんだね。また、よろしくお願いします」と言ってくれた。
そこには、3年前と少しも変わらない彼がいた。
写真じゃない、生きて動いてる。
私の好きな笑顔をまた近くで見られた。
それだけで、思わず私も笑顔になっていた。
彼の目を見たとき、眼鏡の奥の彼の目が少しだけ見開かれた気がした。
思い出した。
どうして、彼を目で追うようになったのか。
誰かと笑い合う横顔。
目を細めてじっと見つめるくせ。
眼鏡の奥の穏やかな眼差し。
そんな彼を、もっともっと見ていたくなったから。
好きになった、から。


3年かけて、彼への気持ちを遠ざけた。
もう、忘れられた。
そう思ってたのに。
彼が戻って3週間。
今また、好きの気持ちが私の中にいっぱいになってる。
忘れるのに3年で、戻ってくるのは3週間…
ジタバタしていた3年は、いったいなんだったんだろう。

…もう、しようがない。
遠ざけた好きの気持ちを、手繰り寄せちゃったんだもの。
きっとまた、自分の気持ちに振り回される。
好きになって欲しいと欲張りになる。


ただ繋がっていたいと願った3年前。
彼が戻って来たことで、好きだとちゃんと自覚出来たこと。
たぶんそれが、3年の意味なんだ。