人間は、父親と母親の間に生まれ、育てられます。
この経験は、人間が人類として意識的な生活を始めてから、めんめんと繰り返されてきています。これは普遍的、原則的な経験といえるでしょう。 そして、実際の母親、父親を超えて「母なるもの」「父なるもの」として、人間の心の中にイメージがパターン化されます。
人間の持っているイメージの中で、根本となる大事なものは、ユングの言っている普遍的なイメージ、“元型”です。
人間のこころには、多くの相対する原理が働きますが、中でも、父性と母性の対立は重要です。この対立する原理のバランスの取り方によって、その社会や文化の特性、また個人の人格がつくりだされます。
母なるものの特性は「結合」、「無差別」、「包含」で表されます。すべてのものを包み込み、結びつき、そこではすべて平等です。
生後間もない乳児には、全面的に依存した存在であり、母親に身をゆだね、世話を受けているその時機、母親は赤ちゃんを抱きかかえ、一体となります。この一体感は人間関係、信頼感の基となります。特にこの乳幼児期に人格発達のパターンが作られて、その後の心の発達が進められます。
この時期、母親の影響が決定的で、「三つ子の魂百まで」という言葉で語られます。乳幼児期に、母子一体感を持つ子供は、基本となる、安心感、信頼感を持つために、正常な自立の過程を歩むことができます。
続きは、父なるものの特性です。
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