イニシエーションとは、通常「通過儀礼」と訳され、社会的立場や身分が変化する場合に執り行われる儀式です。
現在では人生の大きな転機となる「入学式、卒業式、成人式、入社式、結婚式、葬式」などがありますが、それに相当します。昨今の成人式を見てもわかるように、見るも無残に形骸化されていますね~。
昔の日本では成人式に当たる<元服>と言う儀式があったことは源氏物語でもなじみがあるのでは?(ちなみに光源氏は11歳で元服し、4歳年上の葵の上と結婚するとある)
本来はその移行に伴って、それ相応の覚悟が必要になります。
たとえば子供が大人になるということは、今までの親からの保護や甘えから自立し、社会的・精神的に責任を負う一己の人間になるということです。
しかし最近の荒れた成人式を見ていると、「式」を執り行う意味があるのかどうか疑問だということはテレビのニュースでもよく報じられていますね。
今回解説するイニシエーションは、それとは別に、オーラソーマと関係する心理学的な意味です。
心理療法としてのイニシエーションとは、外面的・物質的なものではなく、内面的な移行を指します。
過去の自分と決別し、新たな自分に生まれ変わる、「死と再生」(タロットの「死神」の意味に相当する)のプロセスです。
カウンセリングは自分の内面と向き合い、過去において固執しているものを手放し、さらなるステージアップした力強い自己を見出す、まさに<死と再生>のプロセスと言えます。
この「死と再生」のプロセスには勇気と痛みが伴うことを忘れてはなりません。
以上のことから3ページ目のイニシエーションの意味を読んでいきましょう。 たとえば、会社に入り入社式に参列したとします。
通常は、襟を正して今までの学生気分のままではいけないと自覚し、これから社会人として頑張っていこうと決意しますね。
学生服からスーツに替える外面的変化のみならず、内面的にも変化していこうとします。
これが「見通しを得る」と言うことです。そしてそれを行動に表そうと日々努力をすること、これが「練習をする」という意味です。
そのためには未来における自分の姿を「信頼」することが大切だと言うことを意味しています。
まずは「飛び込むこと」、その状況に対して自らを信頼し、目標に向かって「泳ぐこと」なのです。
カウンセリングでは、自己探求し、自らの方向性を見通し、それを信頼して意識付け(決意)することで努力し自己実現していくというプロセスともいえます。そこには「死と再生」があるのです。
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