goo blog サービス終了のお知らせ 

りんごの日記

ミュージカルの感想や旅行、その他思いついたことを自由に書きます

漫画「女帝エカテリーナ」

2013-08-14 19:29:33 | 雑感
 暑い!家でのんびり過ごすとしよう。久しぶりに池田理代子先生の「女帝エカテリーナ」を取り出し再読。

 18世紀ロシアの女帝で啓蒙専制君主。エカテリーナはもともとドイツ小国の出身でゾフィーが本名。14歳で次期皇帝の花嫁候補としてロシアに来てから名前を改め、必死でロシア語や歴史を学び、ロシア人になりきるために改宗する。もうこれだけ読んでも「すごい人」だけど、その後の人生も波瀾万丈。結婚相手は兵隊人形遊びが大好きな幼稚でとても皇帝にはふさわしくない男性。当然二人の結婚生活は破綻。エカテリーナはじっくりと時が熟するのを待ち、ついにはクーデターを起こして夫を追放し自ら女帝となる。

 たくさんの書物を読み、各国の君主と交わり政治手腕は抜群のエカテリーナ。女性のための学校を設立したり、各国の名画を収集しエルミタージュ美術館の基礎を築く。ポーランドを分割し、自分のかつての愛人を統治者として送り込む。決して美人ではないけれど生涯に持った愛人の数は100を超えると言われる。その中には彼女より10歳年下の有能な軍人ポチョムキンもいた。彼女は心から男性を愛すると言うより「自分の人生の中心に、男性を据えない」をモットーに生きていく。だから一人の男性に執着しない。ただポチョムキンとだけは精神面でも唯一対等に渡り合えた。彼に出会いエカテリーナは「もうこの広大なロシアを、一人で治めなくてもいいのだ。」とつぶやく。そのポチョムキン、なかなか策略家で、彼が遠征等でエカテリーナのもとを離れる時はちゃんと彼女好みの若い男性たちを寝室に手配することを怠らなかった。ひゃー、これってどういう関係?そんな二人にも別れの時は来る。ポチョムキンが遠征中に急死。一人でロシアを治めねばならなくなったエカテリーナは、だんだん保守的になっていく。

 女性も権力を持つと男性がわんさと集まってくるのか?肖像画のエカテリーナはどう見ても美人じゃない。けれどきっと男性を惹きつける術を持っていたのだろう。こういう人は日本には現れないだろうなぁ。池田先生はエカテリーナの生涯は幸せだと語っている。「一生をただ一人のために添い遂げる」のもありだけれど、本能の命ずるまま自由奔放に生きたエカテリーナもまた素晴らしいのだと。なかなか凡人にはできないことである。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿