しどろもどろな猫生活

~猫飼い初めてのダメ飼い主と後片付けが出来ない猫の甘い生活~

究極の思い出☆

2012年12月03日 | 日記

あれは―――もう何年も前のこと。

若者の街として名高い吉祥寺。
近くには緑深い憩いの井の頭公園があり、昭和のジャズクラブハウスも健在し、老若男女、住みたい街のいつも上位。


                                            ジャスミン、しっぽーー!

その街に新たな劇場がオープンした。

ちょうどその時、久しぶりの友人から、その劇場のこけら落しの公演に出るので観に来て!と案内状が届いた。
以前に、富山演劇祭で公演した作品だという。



富山演劇祭といえば、斬新だったり、オドロオドロしかったり、アングラ的だったりで興味深い。

劇場にも関心があったので行く!と返事した。



チラシに書かれた地図を頼りに角を曲がる。

すると、まだ開場時間より大分早いのに、既に行列が出来ている場所を発見。
そんなに人気の劇団なのか?

地図ではもう少し先だと思ったが、私の地図を読む能力は怪しい。

見ると、入口前の街路灯に「吉祥寺○アター」の旗が下がっている。
あ、ここだ!


                                           ジャスミン、手ーーッ!

並んでいる人達を見ると、オジサンばかりで…みんなうつむいていて……暗い。
なに、なに?

改めて建物の入り口を見ると、
えええええ”””=====ッ!!



目を隠したピチピチギャルが、ボインボインとさらけ出したド・ピンク色の写真の看板がぁ!!!

ええええ!!!? ここ~~?!

で、でも、富山演劇祭のオドロオドロ系? 劇場そのものも度胆を抜かせる作戦?
どんな場末の小さな小屋でもびっくりしない私だが、さすがにたじろいだ。

し、し、仕方ない、並ぶか。



そして並んでいると、人通りの多いその路地、通る人みんなが私をじろじろ見る。
そうだ!と持っていた公演チラシを全面開いて、通る人にも見えるようにして手に持つ。

すると、同じチラシを持った人たちが次々と後に並んだ。 少しほっとする。

通りすがる人たちは、一層歩みを遅めて、私たち行列を興味深そうに見る。
自転車で通ったお兄さんは、わざわざ自転車から降りて小屋の入口を見て行った。
別のおじさん連れの人は、今日は何の出しものだ?と話しながら通り過ぎて行った。



しばらくして、中から一団の男の人達がゾロゾロと階段を下りて出てきた。
え?! 私の昼の部の前にも公演してたの?とびっくりする。
そのうち、並んでいた先頭が動き始めた。

黒いカーテンに覆われている入り口に、黒服のモギリの男の人が立っている。
並んでいたオジサン達は、手にしたダンボールの切れ端にマジックで数字が書かれている一片を黒服男に渡している。

あれ?私はまだもらっていなかった。



いよいよ私の番。
「すみません、私、整理券まだもらっていなかったんですけど、チケットはこれです。」と、黒服男に見せる。

ただでさえコワモテの黒服男、ムッとしてアゴをしゃくっている。
「え? え?」と食い下がる私に、
「シアターはこの先ッ!」重い口が開いた。
「え?でも入口に旗が下がっていましたよ」という私に、旗はあちこちにぶら下がってる!と黒服男は言い放つ。

「ええ~! うっそぉ~!」



暗い階段を下りながら、後ろに並ぶ人たちに「シアターはこの先だそうです。」と言いながら外に出る。

ザワザワという声と大笑いが後ろから聞こえてきた。
何も疑わずに後に続いたアナタたち…も、悪い♪ 私も笑いが止まらない♪

なるほど、その先にも旗はいっぱいぶら下がっていた。



そして、目的地「吉祥寺○アター」は立派な劇場だった。

いや、あの暗く怪しい劇場も、並んでいたオジサンたちには、きっとパラダイスな劇場に違いない。

そして、あれからも何度も訪れているシアターに、今日も行って来た。



ジャスミン、今日もお留守番を有難う~♪

長々とお付き合い頂きまして、有難うございました! おしまい。


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