ついにその時が来た!
今まで、狭い我が家なれど、少しずつ猫の自由区を広げてきた。
そして、今、残るは本丸ただ一部屋。
猫を飼っている友人のほとんどが猫と寝室を共にしている。
部屋どころではない、一緒のふとんで寝てる、と嬉しそうに話すのである。
え“―――ッ?! 毛だらけじゃん。
しかも今の私の部屋には、他の部屋から猫被害を恐れて非難してきた難民がひしめいているのだ。
だめだめ、私の部屋は明け渡さないよ。
毎晩、私がパソコンを離れ寝室に行こうとすると、「行っちゃうのね、まだ子猫のアタシを一人残して。」
と、これ見よがしに小さく小さく丸まるのである。
淋しいけど・・おやすみなさい。。。
そして私が部屋に入って襖を閉めると、ピタっとその襖に体を摺り寄せて私が出てくるのを待っているのだ。
先日、自分の猫ベッドに寝ていたのに、私が部屋を出て行くとベッドをやめて食器棚の上によじ登りに行くのだ。 私の傍なら安心していられるが、ひとりになったら少しでも安心出来る高い所に行こうとしたのだろう。
そうと知ったら急に可哀相になった。
そこで部屋からふとんを持ってきてソファで寝た。
そしてソファで寝続けている・・・2週間。
基本的に4時間くらいしか寝る時間がないところへ2人掛けの小ぶりのソファだ。
疲れが取れない・・・・。 もう・・・・限界!
冷酷にあの視線を無視するか、一生ソファで寝るか・・・。
そこでついに決心したのだ。
夜、私が自室に入り、襖を開け放ったまま振り向いた。
「ジャスミ~ン、おいで!」
いつもは一瞬の隙に私の脇をすり抜けて、アっという間に部屋に滑り込んでいたのに、広々と開けられた襖の前でカノジョはびっくりした顔で固まっていた。
そしてスリッパの入った籠の角にほっぺたをスリスリしながらモジモジしている。
きっと、あの小さな頭の中で色々考えているに違いない。
行こうかナ…行ったら怒られるのかナ…。
「さ、 おいで!」 手招きに合わせ
ズルズル・・・・
ズリズリ・・・・
ほふく前進してきた。
やぁ、久しぶりだのぉ。
大丈夫、とわかってからはクンクンクンクンクンクンクン・・・・・・・・・。
何故か忍者の足取りのように音を忍ばせ、体重をかけないように歩いている。
「今日からここで寝ていいよ。 アナタのベッドも持ってきたからね。 じゃ、おやすみ。」
電気を消した後も、敵は夜行性のため、ウロウロクンクン。
私の寝ているふとんの上をズカズカ。
しばらくして、急に静かになったなと心配になって電気をつけると、私の枕元に小さくうずくまって一緒になって寝ていた。
このことかぁ~☆!
猫を飼っている猫好きの友人たちが口をそろえて「一緒のふとんで寝てごらんよ~。癒されるよぉ☆!」
そして、今、味わっている。
毛だらけ……か。 まぁ、いいや。