古町をどうすればいいのか?
色んなところで、活発な意見が交わされていますが、
さびれるばかりの夜の古町に、心痛めるわれらオヤジ達も、
会えばそれを酒の肴にああでもないこうでもないが始まるわけでして・・・
が、思い思いの思いつきを、とりとめもなく垂れるだけで、
まとまる気配いっこうになく、いつしか昔を懐かしむ
ノスタルジジイの酒臭いため息ばかりが、よどんでゆくのでありました。
そんなところへ、古町でお店を張って何十年というママ・・・
というよりババさんが乱入し、
湿っぽくくすぶっていた空気に、ポッと火が付いたのであります。
”皆さん何か忘れちゃいませんか?
新潟といえば米と酒と魚・・・とか、それから一歩も出ないじゃない。
もっと魅力的なものがあるじゃないの!
わかんない?・・新潟は美人が多いってことよ!
皆さんよその県へ行ってみると、
新潟はいかに美人が多いか実感するって、いつも言ってるじゃないの!
”たしかにそう思うけど、それでどうするの?
その美人たちを特産品として売り出そうっての?
”そうよ。
”まさか美人を集めて、日本一のキャバクラとか、
一大歓楽街を作り出そうってんじゃないんでしょ?
”まさか。・・でも男はきれいな女にはお金を遣うのよ。
”耳が痛い
”たしかにママがいうと説得力はあるけどさ・・・
”さっぱり活用できない建物(ハコ)を作ったり、
わけのわかんないアートとかに、お金をかけたって、
一部の人間の懐を肥やすだけなんだから、
それだったら、新潟の財産である女たちを、
もっとキレイにすることに力をいれるべきなのよ。
”うーーん、今ひとつ見えてこないなあーー”
”女っていくつになってもキレイでいたいわけ。
で、きれいになったら、見て欲しいのよ。
キレイになった「わたし」を、見てもらえるステージを作ってやるのよ。
たとえば、結婚式って、呼ばれるほうも精一杯着飾る晴れの舞台でしょ?
茶道だって、着物を着て、それを自慢しあう社交の場でしょ?
そして、あたし達の仕事は文字通りキレイに変身して、
男にチヤホヤされるステージなわけじゃない。
でもまあ、夜の花だから、世間の見る目は厳しいわね。
”デパートを考えてみてよ。
客の大半は女でしょ?
デパートってのは、女がキレイになる、その幻想を売るのが商売なわけよ。
大和はその幻想や夢を与える努力が足りなかったか、
わかってなかったとしか思えないわね。
キレイな「わたし」が生まれる場ではないし、
キレイになった「わたし」に、人の視線が集まるステージでもないってことね。
”女はいくつになっても、キレイになりたいの。
キレイになるためなら、お金は惜しまない。
自分にお金がなかったら、男(父親も含めて)に出させるわよ。
つまりね、世の中の経済は、キレイになりたい女の欲が動かしていると言ってもいいのね。
そうしてキレイになって、女は人の視線を浴びていたいのよ。
そういう視線を浴びるステージがなさ過ぎるのよ新潟は。
ファッションショーでも、撮影会でも・・それは皆さんに考えてもらって・・・
政治からスポーツまで、女心を掴まなきゃ、世の中は動かせません。
”なるほどねえ・・・女をチヤホヤして活性化させる作戦か・・・
今まで見逃していた視点というか、斬新な発想ではあるな。
”だれのお蔭で食っていられるんだ!とか威張っているわりに、
なんだかんだで女房に財布を握られているんだしなあ。
”もしかすると働きアリでいられるのは、
女たちが浪費してくれるからだともいえるのか・・・マズイなあ。
”女は褒めて育てるよ”
”男はそれが一番苦手なんだよなあ・・・