東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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指導者養成 ICLS ワークショップ  突然の心肺停止 蘇生 チーム蘇生 コミュニケーション 作業療法 理学療法 言語療法  

2023年10月02日 | 紹介

指導者養成ICLSワークショップ

 

先日、東京医療センターで行われた、第12回指導者養成ICLSワークショップに参加してきました。

以前にもブログでICLSについてお話させていただきました。ICLSとは突然の心肺停止に対する最初の10分間のチーム蘇生のことです。

詳しくは「ICLSコースに参加してきました。」(2023年2月24日)の記事を参照していただければと思います。

 

1.ワークショップについて

ICLSワークショップではICLSインストラクターとしての指導技法を学ぶコースですが、グループ内でディスカッションをしながら「教えるということ」「伝えるということ」について考える場でもありました。

いわゆる教育する立場の者の考え方を学ぶことができるコースです。

ICLSに関わる人だけでなく、誰かに教える・伝えるということは日常生活でも自然と行っていると思います。

先生と呼ばれる職業の方はもちろんのこと、働いている人なら後輩指導の場面やプレゼンテーション業務などでも必要な能力です。

これに該当する人以外は関係ないかというとそうではありません。

伝えるということに関しては誰しもが普段のコミュニケーションで行っていることでもあります。

 

今回のワークショップでは、相手の立場や能力を考慮した指導ができること・伝えるために自分のことを客観的に評価することができるようになることを目的としたディスカッションがいくつか行われました。

またその過程を通して指導者側もスキルアップすることを目的としています。

 

 

2.ディスカッションの内容

 

ディスカッションの中でも私がとても衝撃を受けたものがあります。

伝えるということに関して「自分でテーマを決めて2分間でプレゼンテーションしてください。

その姿をデバイスで撮影し、プレゼンテーションが終了したら一人で振り返りましょう。その他のメンバーはよかったところ・直したほうがよいところをディスカッションしてください。」というものでした。

 

私自身、プレゼンテーションは苦手で、そういった機会があると毎回緊張した記憶しかありません。

終わった後も漠然とした達成感のみで、相手にどこまで伝わっていたかまでは気にしたことがありませんでした。

 

 

3.ディスカッションを通して

 

今回のディスカッションを通して、声の速さや大きさはよかった反面、2分間という時間制限の中で話を構成するところが課題としてあがりました。

このように自分自身のプレゼンテーションを振り返り、課題を見つけることはしたことがなかったため、プレゼンテーション終了時の漠然とした達成感ではなく、具体的な体験として自分の学びとなりました。

また、自分が伝えたかったことと相手が受け取ったことのすり合わせを通して、こちらが発信しているのだから受け取ることができない相手が悪い!となるのではなく、自分の伝え方はどうだったのか?受け取れないのは発信者に責任があるのではないかということを考えることが大切だと学びました。

伝えるという場面において“客観的に自分をとらえること”の重要性を感じました。

 

教える・伝えることは奥が深く、なんだか難しい話になってしまいましたが…。

こうして試行錯誤しながら教育・指導することが相手の学びとなり、自分自身のバージョンアップにもつながると考えています。

リハビリテーションを行う上でもコミュニケーションは必要不可欠なスキルだと思います。

少し立ち止まって自分の普段のコミュニケーションについて考えてみることも大切かもしれません。

 

 

 

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【注意】

本ブログの掲載記事は,個人的な見解を含んでおり正確性を保証するものではなく,

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