東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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移乗動作について ~ボディメカニクス的視点に基づく移乗動作~【実践編】

2022年05月27日 | リハ科勉強会

皆さん、こんにちは。

 

今回は、前回の続き。

「移乗動作について ~ボディメカニクス的視点に基づく移乗動作~【実践編】」をお話しします。

 

 

はじめに、前回の【知識編】のおさらい。

 

 

「ボディメカニクス」とは、日本語では「身体力学」のことで、力学の原理を人の体に当てはめて考えることで、介護の労力を少なくするために、理にかなった動作をしましょう、ということです。

 

 

力学の基礎知識ですが、

・重力、重心

・支持基底面と安定性:(安定=倒れにくい、不安定=動かしやすい)

・力(大きさ・向き・かける位置と距離)

・てこの原理

があります。  *詳細は、先週のブログをご覧ください。

 

 

前回の【知識編】をふまえて、

 

 

①支持基底面を広くとり、

 

②重心を低くする

 

③患者と介助者の重心を近づける

 

④重心の移動をスムーズに

 

⑤小さく、まとめる(摩擦を減らす)

 

⑥てこの原理を応用する

 

⑦大きな筋群を利用する

 

 

まず、介助者は、前後左右に足幅を広げ、支持基底面を広くして安定した姿勢を取ります。

 

また、重心を低くすると安定し、力を出しやすいため、腰を落として膝を曲げます。

 

 

次に、患者さんと介助者の重心を近づけます。

近づけることで介助しやすくなり、患者さんと介助者の重心が近いことで、移動がしやすく、余分な力がいらなくなります。

 

 

次に、重心の移動についてです。

 

介助者は、移動方向に自分の足先を向けておき、介助者の重心移動で患者を動かします。

このとき自分の体をひねらないようにします。

 

そして、患者さんを持ち上げずに、できるだけ水平に滑らせるように移動します。

 

介助者は患者さんの動きと力の方向にあわせることも大切です。

 

「車イスに移りますね」などと声掛けして協力動作をしてもらうようにします。

 

 

 

 

患者さんの体を小さくまとめることも大切です。

 

患者さんの手を胸元で組んでもらったり、膝を曲げたりして四肢をなるべく体幹に近づけます。

 

小さくまとめると、ベッドとの接触面が減るため、摩擦が減少し、患者さんを動かしやすくなります。

 

 

 

てこの原理を応用します。

 

患者さんを持ち上げず、支点をつくることで、てこの原理が使え、小さな力で介助することができます。

 

 

最後に、介助者の体の負担を減らすために、介助の際はできるだけ大きな筋群を使うようにします。

 

大腿部、臀部などの大きな筋肉を使い、上腕だけなど、小さな筋に緊張を集中させないようにします。

 

 

以上が、移乗の際のボディメカニクスの7つの原則となります。

 

ボディメカニクスを活用することで、介助者と患者さん、双方の負担を減らしていきましょう!

 

 

[参考文献]

・小川鑛一・北村京子共著「介護のためのボディメカニクス」東京電機大学出版局

・田中義行監修「写真でわかる移乗・移動ケア」ナツメ社

 

 

 

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【注意】

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