リハビリの現場では、特に高齢者において、加齢により心身が老い衰えた状態(フレイル)や、加齢により筋肉量の減少および筋力低下(サルコペニア)の状態となっている方々が多いように思います。
このような、フレイル・サルコペニアの原因として、以下のような加齢に伴う心身の変化と、社旗的、環境的な要因が合わさることが挙げられます
①加齢に伴い外出や運動が億劫になる
②歩行スピードが遅くなったり、筋力が衰える
③疲れやすくなる
④食欲がなくなり、体重が減る(低栄養状態)
⑤慢性的な病気にかかる(心血管疾患、脳血管障害、呼吸器疾患、抑うつ状態、貧血)
このような状態になると、
①筋肉量・筋力が減少する
↓
②基礎代謝量が低下する
(1日のエネルギー消費量が減る)
↓
③エネルギーを消費しなくなり、お腹が空かない
(食欲低下)
↓
④食事の摂取量が減少する
↓
⑤低栄養となる
↓
⑥栄養不足のため余計に筋肉が落ちる
このような悪循環に陥ってしまいます。
低栄養と関連して、以下のような状態も多く見受けられます。
①転びやすくなる
②食事が飲み込みにくくなる、ムセやすくなる
③意欲や判断力の低下
④認知機能の低下、抑うつ状態
中高年では、過栄養や肥満からくるメタボリックシンドロームが糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こし、死亡リスクを高くするため、生活習慣病の予防が大切となります。
一方で高齢者では、フレイル・サルコペニアの原因となる身体機能や認知機能の低下に関連する低栄養への対策が重要となります。
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