あらすじ:
中央アフリカの首都バンギからチャドの首都ンジャメナへのフライトチケットを手にして空路による“チャド侵入”を試みる「デューク東城」
しかし、ここにも予期しない、いやっ!今度は十分予期していても良かった筈の敵がまたしても立ち塞がる!!
果たしてチャドの首都ンジャメナへの潜入ミッションを無事に成し遂げる事は出来るのか...?
どうする!ゴルコサーティーワン!!
第1章:バンギにて...
2005年9月28日、首都のバンギに到着した。「ワイロ攻勢」と戦い続け、疲労困憊の極みにはあったが、それでも午前中に宿を見つけて少し休んだだけでまた街に出て旅行代理店を探す。
「もう国道3号線は戻りたくない...」
それにアフリカ大陸のど真ん中をフライトするのも悪くは無い考えだ。チャドという国も厄介でンジャメナ市内の写真撮影は厳しいので予めフライトついでに撮っておけばいい。
調べてみるとチャドの首都ンジャメナに航路を持っているのは2社、「トマイエアー(チャドの航空会社)」と「カムエアー(カメルーンエアラインズ)」の2社である。カムエアーは先回(第7話:ドックファイト―Ⅰを参照)で懲りていたがトマイエアーは約350㌦でカムエアーは約280㌦とその料金がかなり違っていた。
「この70㌦の差は魅力的だ!」
トマイエアーは直行便を持ち、カムエアーはヤウンデ、ドゥアラ経由でドゥアラで接続便に乗り換えてンジャメナなのだがその辺りはあまり問題にはならないだろう。
今回は単純に往復すると言った航路ではなく仮にも第3国同士をつなぐ国際路線だ!また万が一前回みたいに遅れたところで2泊分くらいならこの差で埋め合わせが出来る...
それに諺でも「3度目の正直」というぐらいだから幾ら私がカムエアーと相性が悪くたって「3回も続けてフライトキャンセル」等といった馬鹿げたことが起こる可能性は低いだろう...
私は「プロ」として論理的に結論を導き出し、そしてカムエアーを選択する事となった...
第2章:旅立ち
バンギを10月2日0830時に出発、出発時刻からの遅れも殆どない、私の読みの正しさをこれは良く裏付けている。
ちょっと嫌だったのは軍人が私の横に座ってしまったのでバンギの写真を機中から撮影する事が出来なくなってしまった事ぐらいだった。
飛行機は順調にフライトし、ヤウンデに一度着陸してドゥアラには13時15分に到着。
ここでンジャメナ行の別便に乗り換える。チケットを見ると出発予定は1430時だ、フライトに2時間掛かってもまだ夕方なので写真も撮れる...
ドゥアラの待合室には「無料ネット」サービスもあったからそこに行って暇潰しをする。
しかし、待てども待てども中々呼び出しが掛からない、不安に思って一度確認すると出発時刻が2000時に変更されたと伝えてくる。
「ちっ!またしてもカムエアーか...!」
まあ遅れる事などこちらは計画に織り込み済みだ、ンジャメナ市街の撮影はこれでボツになり、夜到着になるのでホテルに行くまでのタクシー代が夜間料金請求してくるのは仕方が無いだろう。
1800時頃、ンジャメナに行く乗客が集められ、空港の食堂で夕食を振舞われる。
「少しは“学習”したらしい...」
食事を終えてしばし待つが中々呼び出しがかからない、不安になって確認すると「フライトはさらに遅れて2200時だ...」と答えてくる。
「ちっ、これもカムエアーなら仕方が無い...」
空港で待つのももう飽きてきた、そして時間ばかりがどんどん経過していく...、いつの間にか2200時、呼び出しは未だかからない。さらに確認する。
「フライトはキャンセルになった...」
「ふーん!まあいいさ、これもある意味予定済みだ!」
今回はカムエアーにしては贅沢な事に、「ホテルを準備し、送迎をつける」という対応を見せてくれた。ンジャメナへのフライトは明日に変更、いまさらジタバタ言った所で仕方が無い。
時刻は2300時を過ぎてしまっていたが、そこでしばらく待ってからカムエアーの準備したミニバンでホテルへと向かう。
ホテルもカムエアーにしては中々頑張っていた、トイレに不思議と便座がなかったが、テレビ、エアコン付だ。相場から行って30㌦クラスといったところであろうか?
ベッドに体を横たえてゆっくり休む、しかしキャンセルするならするでさっさと決めていればこんなに夜遅くまで空港で待たなくて済んだもののとは思ったがそこまで「カムエアー」に望むのは無理な事であろう...
※カメルーン旅行中にホテル以外で何故か最も多くの滞在時間を費やすことになってしまったドゥアラ国際空港
第3章:目的地変更!!
翌10月3日、朝0530時と早く起こされてホテルのミニバンで空港へ向かう、チェックインカウンターも開いており、チケットを見せてボーディングパス(搭乗券)を手にして確認する。ちょっと変だ!
「マロウア(カメルーン北部の都市)??」
私の行き先はンジャメナだ!マロウアなんて何の用事も無い。
「間違えているぜ、この行き先は...」
私は当然のように苦情を申し立てる。しかし相手の答えは私の想像を超えたものだった!!
「フライトはマロウアまでだ。ここでカムエアーがバスを準備するからこれでンジャメナに行ってもらう...」
「へっ!!」
「???????」
「こんなのって“アリ”ですか...」
ちょっと考えてみて欲しい、私のチケットはバンギ―ンジャメナ間の国際航路のチケットだ。値段もそれなりに高い値段がついている。マロウアはカメルーン国内だ!値段も確実に安い!極端な話、マロウア行までのチケットを買い、バス代を自腹にしておいた方が良いぐらいだ!!
それにンジャメナにはフライトで入りたかったのに、それが「バスによる陸路入国」等というのはチケット購入した意味そのものが台無しだ!!
「お前らいい加減にしやがれよ!人を馬鹿にするにも程がある!!」
私はさらに怒鳴りつけてみた物の今更ンジャメナに飛ぶ訳も無く、泣く泣く諦めて彼等の「誠意ある提案」とやらを受け入れる事にした...
出発は0830時である。マロウアからミニバスに乗り換えても夕方までにはンジャメナ市内に到着できるだろう...それだけが私の救いであった...
第4章:遥かなり、ンジャメナ...
マロウアには1100時に到着、カムエアーの用意する中型バスが来て私の他に20名くらいいた乗客を回収して1200時に出発、今更こういうのも変だがまあ順調だ。
国境には1700時に到着、まだ日は十分に明るい。ンジャメナはここに接しているのでもう目の前だった...
カムエアーのスタッフが書類を持ってイミグレに行く、カメルーンは難なく出国、しかしチャドではしばらく待たされる。
1時間くらい待たされたろうか?ちょっとイライラし始めてきたので、状況を確認する。中型バスには私の他に中国人がバンギから乗っていて、彼らはカメルーンのビザを持っていなかったからそれが問題だったらしい...
それはご尤もな事だ。カメルーンにそもそも入国する予定など無いからビザなんて取得するわけなんて有る訳が無い!チャドの役人も例によってタチが悪く、カムエアーのスタッフに金額を告げ、「ワイロ請求」し始めていた...
私がワイロ請求されたなら断固として拒絶するところだが、今回は完全に「カムエアーの過失」である。こんな所で長時間客を待たせて良い訳なんてありはしない。ここは「ワイロ」でもなんでも支払って物事をスムーズに運ぶべきだろう...
しかし、カムエアーのスタッフはここで見せなくてもいい“男らしさ”を現して断固拒否をし続ける。他の旅行者なら手を叩いて援護射撃の一つでもしようもんだが迷惑この上ない!いつの間にか中りは辺りは暗闇に包まれ、時刻も1900時を過ぎてしまっていた...
結局どう事の顛末に収拾をつけたのかは分からないまま1930時にバスは出発。私も戻されたパスポートを確認すると“入国スタンプ”はしっかりと押されている。しかしちょっとおかしい?よくよく見ると、パスポートの残り少なくなった新しいページに別々に2箇所、同じ入国スタンプが押されている...
「何だ?この馬鹿は...!」
押された以上は泣き寝入りだが、それにしてもこんなのは“嫌がらせ”以外の他の何者でもない...
私も含めて他の乗客の中にもミニバスを市内で途中下車した方が都合のいいものが多かったらしく、スタッフに途中で止めるようにリクエストしたが、ミニバスは止まることなく進んでいく。そして市内から少し外れた空港に到着。チケット通りに空港まで連れていかされたのだが融通の効かないこと甚だしい。
時計は2000時を示し、これは当初の予定からは実に27時間遅れの到着であった...!
少しは文句でもいってやるかと思うとスタッフは乗客全員の荷物を下して空港内に駆け込んでいってしまう
「トンズラしやがった...」
腹が立って走って空港前に詰めるとガードがいて入港を拒否される。
これ以上、私にはどうする事も出来ない...
諦めてホテルでもと思ったがさらに運の無い事は空港で待機しているタクシーは市内のどこにいっても「5000セーファー(約1000円)」夜間料金にしてもボリだった。ンジャメナ市内の治安も悪いと聞いていたし、空港から締め出された今、ここに野宿も出来やしない。諦めてタクシーにに乗って目当てのホテルに飛ばしてもらうとここが満室...、さらに5000支払って次のホテルに行き、部屋を確認すると「20000セーファー(約4000円)」という高額!
仕方無しにこのホテルに決め、宿泊する。このホテルも今迄の中で最悪といってよく、クーラーこそ入り、シャワートイレ付なのだが部屋の中には大量の小虫が潜入してくる。朝起きてシャワールームを見るとあたり一面の虫の屍骸だらけになっていて気色悪い事この上なかった...
ンジャメナには2泊して出発、出国時もツイてなかった。私のパスポートのまたしてもニューページにチャドの出国スタンプが押されている。他の余白は幾らでもあったのに...。1ページに頑張れば6個は押せる程度の大きさのスタンプに、これで出入国をたった1回しただけでンジャメナでのレジストリを併せて4個のスタンプ、そして3ページもの新しいページを潰されてしまっていた...(涙)
今回の戦いを振り返り、こう思う。
恐るべきはやはりカムエアー...、こうも毎回この「プロフェッショナル」たる私を手玉に取って弄ぶとは...
そして心に固く、こう誓う!
いつかカメルーンにまた行く事があったら...
「その時はカムエアーの全てのオフィスにいって火を点けて焼き尽してくれてやるわ...!!」
と...
中央アフリカの首都バンギからチャドの首都ンジャメナへのフライトチケットを手にして空路による“チャド侵入”を試みる「デューク東城」
しかし、ここにも予期しない、いやっ!今度は十分予期していても良かった筈の敵がまたしても立ち塞がる!!
果たしてチャドの首都ンジャメナへの潜入ミッションを無事に成し遂げる事は出来るのか...?
どうする!ゴルコサーティーワン!!
第1章:バンギにて...
2005年9月28日、首都のバンギに到着した。「ワイロ攻勢」と戦い続け、疲労困憊の極みにはあったが、それでも午前中に宿を見つけて少し休んだだけでまた街に出て旅行代理店を探す。
「もう国道3号線は戻りたくない...」
それにアフリカ大陸のど真ん中をフライトするのも悪くは無い考えだ。チャドという国も厄介でンジャメナ市内の写真撮影は厳しいので予めフライトついでに撮っておけばいい。
調べてみるとチャドの首都ンジャメナに航路を持っているのは2社、「トマイエアー(チャドの航空会社)」と「カムエアー(カメルーンエアラインズ)」の2社である。カムエアーは先回(第7話:ドックファイト―Ⅰを参照)で懲りていたがトマイエアーは約350㌦でカムエアーは約280㌦とその料金がかなり違っていた。
「この70㌦の差は魅力的だ!」
トマイエアーは直行便を持ち、カムエアーはヤウンデ、ドゥアラ経由でドゥアラで接続便に乗り換えてンジャメナなのだがその辺りはあまり問題にはならないだろう。
今回は単純に往復すると言った航路ではなく仮にも第3国同士をつなぐ国際路線だ!また万が一前回みたいに遅れたところで2泊分くらいならこの差で埋め合わせが出来る...
それに諺でも「3度目の正直」というぐらいだから幾ら私がカムエアーと相性が悪くたって「3回も続けてフライトキャンセル」等といった馬鹿げたことが起こる可能性は低いだろう...
私は「プロ」として論理的に結論を導き出し、そしてカムエアーを選択する事となった...
第2章:旅立ち
バンギを10月2日0830時に出発、出発時刻からの遅れも殆どない、私の読みの正しさをこれは良く裏付けている。
ちょっと嫌だったのは軍人が私の横に座ってしまったのでバンギの写真を機中から撮影する事が出来なくなってしまった事ぐらいだった。
飛行機は順調にフライトし、ヤウンデに一度着陸してドゥアラには13時15分に到着。
ここでンジャメナ行の別便に乗り換える。チケットを見ると出発予定は1430時だ、フライトに2時間掛かってもまだ夕方なので写真も撮れる...
ドゥアラの待合室には「無料ネット」サービスもあったからそこに行って暇潰しをする。
しかし、待てども待てども中々呼び出しが掛からない、不安に思って一度確認すると出発時刻が2000時に変更されたと伝えてくる。
「ちっ!またしてもカムエアーか...!」
まあ遅れる事などこちらは計画に織り込み済みだ、ンジャメナ市街の撮影はこれでボツになり、夜到着になるのでホテルに行くまでのタクシー代が夜間料金請求してくるのは仕方が無いだろう。
1800時頃、ンジャメナに行く乗客が集められ、空港の食堂で夕食を振舞われる。
「少しは“学習”したらしい...」
食事を終えてしばし待つが中々呼び出しがかからない、不安になって確認すると「フライトはさらに遅れて2200時だ...」と答えてくる。
「ちっ、これもカムエアーなら仕方が無い...」
空港で待つのももう飽きてきた、そして時間ばかりがどんどん経過していく...、いつの間にか2200時、呼び出しは未だかからない。さらに確認する。
「フライトはキャンセルになった...」
「ふーん!まあいいさ、これもある意味予定済みだ!」
今回はカムエアーにしては贅沢な事に、「ホテルを準備し、送迎をつける」という対応を見せてくれた。ンジャメナへのフライトは明日に変更、いまさらジタバタ言った所で仕方が無い。
時刻は2300時を過ぎてしまっていたが、そこでしばらく待ってからカムエアーの準備したミニバンでホテルへと向かう。
ホテルもカムエアーにしては中々頑張っていた、トイレに不思議と便座がなかったが、テレビ、エアコン付だ。相場から行って30㌦クラスといったところであろうか?
ベッドに体を横たえてゆっくり休む、しかしキャンセルするならするでさっさと決めていればこんなに夜遅くまで空港で待たなくて済んだもののとは思ったがそこまで「カムエアー」に望むのは無理な事であろう...
※カメルーン旅行中にホテル以外で何故か最も多くの滞在時間を費やすことになってしまったドゥアラ国際空港
第3章:目的地変更!!
翌10月3日、朝0530時と早く起こされてホテルのミニバンで空港へ向かう、チェックインカウンターも開いており、チケットを見せてボーディングパス(搭乗券)を手にして確認する。ちょっと変だ!
「マロウア(カメルーン北部の都市)??」
私の行き先はンジャメナだ!マロウアなんて何の用事も無い。
「間違えているぜ、この行き先は...」
私は当然のように苦情を申し立てる。しかし相手の答えは私の想像を超えたものだった!!
「フライトはマロウアまでだ。ここでカムエアーがバスを準備するからこれでンジャメナに行ってもらう...」
「へっ!!」
「???????」
「こんなのって“アリ”ですか...」
ちょっと考えてみて欲しい、私のチケットはバンギ―ンジャメナ間の国際航路のチケットだ。値段もそれなりに高い値段がついている。マロウアはカメルーン国内だ!値段も確実に安い!極端な話、マロウア行までのチケットを買い、バス代を自腹にしておいた方が良いぐらいだ!!
それにンジャメナにはフライトで入りたかったのに、それが「バスによる陸路入国」等というのはチケット購入した意味そのものが台無しだ!!
「お前らいい加減にしやがれよ!人を馬鹿にするにも程がある!!」
私はさらに怒鳴りつけてみた物の今更ンジャメナに飛ぶ訳も無く、泣く泣く諦めて彼等の「誠意ある提案」とやらを受け入れる事にした...
出発は0830時である。マロウアからミニバスに乗り換えても夕方までにはンジャメナ市内に到着できるだろう...それだけが私の救いであった...
第4章:遥かなり、ンジャメナ...
マロウアには1100時に到着、カムエアーの用意する中型バスが来て私の他に20名くらいいた乗客を回収して1200時に出発、今更こういうのも変だがまあ順調だ。
国境には1700時に到着、まだ日は十分に明るい。ンジャメナはここに接しているのでもう目の前だった...
カムエアーのスタッフが書類を持ってイミグレに行く、カメルーンは難なく出国、しかしチャドではしばらく待たされる。
1時間くらい待たされたろうか?ちょっとイライラし始めてきたので、状況を確認する。中型バスには私の他に中国人がバンギから乗っていて、彼らはカメルーンのビザを持っていなかったからそれが問題だったらしい...
それはご尤もな事だ。カメルーンにそもそも入国する予定など無いからビザなんて取得するわけなんて有る訳が無い!チャドの役人も例によってタチが悪く、カムエアーのスタッフに金額を告げ、「ワイロ請求」し始めていた...
私がワイロ請求されたなら断固として拒絶するところだが、今回は完全に「カムエアーの過失」である。こんな所で長時間客を待たせて良い訳なんてありはしない。ここは「ワイロ」でもなんでも支払って物事をスムーズに運ぶべきだろう...
しかし、カムエアーのスタッフはここで見せなくてもいい“男らしさ”を現して断固拒否をし続ける。他の旅行者なら手を叩いて援護射撃の一つでもしようもんだが迷惑この上ない!いつの間にか中りは辺りは暗闇に包まれ、時刻も1900時を過ぎてしまっていた...
結局どう事の顛末に収拾をつけたのかは分からないまま1930時にバスは出発。私も戻されたパスポートを確認すると“入国スタンプ”はしっかりと押されている。しかしちょっとおかしい?よくよく見ると、パスポートの残り少なくなった新しいページに別々に2箇所、同じ入国スタンプが押されている...
「何だ?この馬鹿は...!」
押された以上は泣き寝入りだが、それにしてもこんなのは“嫌がらせ”以外の他の何者でもない...
私も含めて他の乗客の中にもミニバスを市内で途中下車した方が都合のいいものが多かったらしく、スタッフに途中で止めるようにリクエストしたが、ミニバスは止まることなく進んでいく。そして市内から少し外れた空港に到着。チケット通りに空港まで連れていかされたのだが融通の効かないこと甚だしい。
時計は2000時を示し、これは当初の予定からは実に27時間遅れの到着であった...!
少しは文句でもいってやるかと思うとスタッフは乗客全員の荷物を下して空港内に駆け込んでいってしまう
「トンズラしやがった...」
腹が立って走って空港前に詰めるとガードがいて入港を拒否される。
これ以上、私にはどうする事も出来ない...
諦めてホテルでもと思ったがさらに運の無い事は空港で待機しているタクシーは市内のどこにいっても「5000セーファー(約1000円)」夜間料金にしてもボリだった。ンジャメナ市内の治安も悪いと聞いていたし、空港から締め出された今、ここに野宿も出来やしない。諦めてタクシーにに乗って目当てのホテルに飛ばしてもらうとここが満室...、さらに5000支払って次のホテルに行き、部屋を確認すると「20000セーファー(約4000円)」という高額!
仕方無しにこのホテルに決め、宿泊する。このホテルも今迄の中で最悪といってよく、クーラーこそ入り、シャワートイレ付なのだが部屋の中には大量の小虫が潜入してくる。朝起きてシャワールームを見るとあたり一面の虫の屍骸だらけになっていて気色悪い事この上なかった...
ンジャメナには2泊して出発、出国時もツイてなかった。私のパスポートのまたしてもニューページにチャドの出国スタンプが押されている。他の余白は幾らでもあったのに...。1ページに頑張れば6個は押せる程度の大きさのスタンプに、これで出入国をたった1回しただけでンジャメナでのレジストリを併せて4個のスタンプ、そして3ページもの新しいページを潰されてしまっていた...(涙)
今回の戦いを振り返り、こう思う。
恐るべきはやはりカムエアー...、こうも毎回この「プロフェッショナル」たる私を手玉に取って弄ぶとは...
そして心に固く、こう誓う!
いつかカメルーンにまた行く事があったら...
「その時はカムエアーの全てのオフィスにいって火を点けて焼き尽してくれてやるわ...!!」
と...