ブログをお気に入りに入れている方の記事に「奥様とワルツを踊る」と書いてあるところで、ぱっと、この音楽が頭に浮かんだ。
「ラストワルツ The Last Waltz」エンゲルベルトフンパーディンク、Engelbert Humperdinck
YOUTUBEって便利ですなあ・・・
若かりし頃社交ダンスに凝っていて、週末は「弁慶の泣き所が折れそうになる迄」踊ったものだ。
ワルツ、ジルバ、チャチャチャ、何でも踊った。どちらかと言うと「離れて踊るラテン」が好きだったけど、私の好きな人は「ワルツ」が好きだった。
ダンスホールで、「壁の花化」していると、この歌が流れ、すると、その彼がすっと手を出してくれた。
彼は大学生、私の近所で下宿をしていた佐賀県の人だった。
真っ黒な上下に真っ黒なシューズ、そして、ダンサー特有のしなやかなリード、その時の音楽がコレだったのだ。
あれ?日本語だったっけ?半世紀前の記憶を辿り辿りYOUTUBEを彷徨うが、この歌手しかヒットしない。
♪せめて、もう~一度、踊りたいあなたと~~初めて会ったあの日のよに~♪
じゃなかったかな。
リード上手の彼とのダンスは、とても心地良いものだった。
お互い、名前も知らないけれど、ここのホールに行けば、必ず会える。そんな仲だった。
行く度に私に手を差し出してくれる彼。優しい一重の目元が涼しい好青年だった。
「この人と結婚すれば、毎日ダンスをしてられるのかしら」なんて思いながら、Aラインのスカートを翻して踊ったあの日。
で、そろそろ卒業する頃、大学の追い出しコンパに誘われ、又彼と踊った。
「卒業したら、故郷へ帰って学校の先生になるんだ」と呟く彼。
そうなんだ・・・佐賀なんて遠いし、もう二度と会えないと思うと、ついついメランコリックになっちまう私。
気が付けばコンパは最後の一曲となり、この曲が流れた。
彼は迷わず私の手を取って、ホールの中央に行く、音楽がかかる、踊り始める、いつもはわらわらとカップルが出来るのに、その日だけは、誰も出てこない。
私達だけにスポットライトが当たって、そして、踊った。
見ている学生達は指笛を吹き「いいぞ~~~マツタケ~~!!」と彼をはやした。
「は?マツタケ?マツタケって??」と彼を見ると「僕の苗字だよ」と言った。
ひえ~もし、結婚したら、私は「マツタケさんの奥様になるの!?」
その後一度も会ってないし、見送りにも行かなかった。orz・・・・
普通の平凡な名前だったらな~~、今頃佐賀県で、子供怒り飛ばして、農業とかやっていたんだろうか。。
全国のマツタケさん、ごめんなさいm(__)m