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川場村・長野型デコイチに魅了


 スモークで浮かび上がったD51はまるで現役の様です。機関助士役の方にポーズをとってもらいました。やっぱりこれは宴会場でビール片手に騒いでる状況ではないと思われます。   12,04,21 川場村   Canon EOS7D

 21日はふだんお目にかかりにくい鉄ちゃん同士の交流を含めて群馬県川場村のSLホテルで一泊し、楽しいひとときを過ごしてまいりました。゛SLホテル゛と言うだけに現地では北海道からやって来たD51561号機が長野仕様になって保存されて、デコイチの周囲には桜の木もあることから”桜も咲いて見ごろだろうから夜桜とデコイチのバルブ撮影を楽しみましょう!”と言う趣向でC57135様よりのお誘いでした。
 ここのデコイチが特筆されるのは静態保存蒸機でありながら動力を蒸気ではなく圧縮空気から得て、ほんのわずかな距離ながら動く蒸機が見られるのです。もちろん本線にはつながっていませんが、ヨ3500を1両牽引します。静態保存ではなく、かといって蒸気で動くわけではないので動態保存ではないとても不思議なデコイチなのです。
 このエアーで動くデコイチの存在は鉄ちゃん仲間からのご紹介で知ってはいましたがもともと上越線にはあまり行かない身でもありますので川場村には足を向ける事なく今日に至ってしまっていましたが”みんなとワイワイ騒いで、そして桜とデコイチの夜楽(ヨルタノ=夜も楽しく夜間撮影と言う意味=バルブ撮影)を楽しみましょう!”と言うC57135様からのお誘いには楽しい時間は保証された様なもので、一も二もなくお話に乗り永年の懸案だった川場村を訪れる事が出来ました。
 保存されているD51561号機は40年に国鉄苗穂工場に製造され終始北海道から出ることなく76年に滝川機関区で廃車になっています。その後静態保存のために生まれてはじめて内地に渡り、群馬県川場村にやって来て様です。現役時代は切り詰めデフに象徴されるコテコテの北海道仕様のD51で、その姿で川場村へやって来ました。川場村では20系寝台車6両とともにSLホテルとして使用されて来たそうですが20系は老朽化のため2003年ころに解体されて、それ以後はD51のみがあまり手を加えられない状態で保存されていたようです。しかし06年の夏頃より大日方孝仁氏(今は恒松孝仁氏と改名されているそうですが、以後は旧名を使わせてもらいます)を中心に地元ボランティアの手により空気圧で走行する機関車として見事に動態復元されたと言う経緯があるようです。
 現地に到着当初は”今晩は撮影より宴会だぁ!”と言う声が大勢を占めていましたが、夕食方々始まった宴会場で盛り上がる場でもどうしてもデコイチの事が気になって仕方なく、宴会場を抜け出して現地に行ってその美しさに感動してしまいました。すっかり暗くなった周囲の闇の世界とは一線を画す様にライティングに浮かび上がるデコイチと桜に思わず息を呑んでしまいました。”いゃ…これは凄いものを見てしまったなぁ!”と言うのが率直な感想でした。後に夜間軌行様より”所詮静態蒸機のバルブ撮影だからと言う価値観は良い意味で裏切られた気がします。”とメールをいただきましたが、まさにその通りで少なくとも梅小路蒸機機関車館のナイトオブジェよりは見応え。撮り応えがあり興奮を憶えました。


 例年よりだいぶ遅れた桜ですが、訪れた日にはやっと5分咲きになって何とか撮影する事が出来ました。   12,04,21 川場村 D51561号機  Canon EOS7D

 そして撮影終了後はこのD51561号機を荒廃状態から見事に復活させ、さらに動く状態にまでこぎつけた大日方孝仁氏をはじめとするボランティアスタッフの方々が我々が反省会をしていた会場までご挨拶に来ていただけました。そこではこのD51561号機の整備の経緯や苦労話、今後の問題点等をいろいろお話していただけました。特に地域の人にこのD51561号機の価値をどう理解し観光資源として活用して行くか(もらえるか)悪戦苦闘されている事に痛く感動いたしました。
 ところでお話していただいた大日方孝仁氏は国鉄出身でご自身によればD51現役時代に木曽福島機関区で機関士になり中央西線でデコイチに乗務されていたことです。その後国鉄末期まで機関士として乗務されていたとの事でした。さらにお話を聞いていたら大日方孝仁氏は国鉄時代は私と同じ国鉄労働組合に所属し、国鉄解体・新会社設立時に国鉄労働組合に所属しているが故に不採用になったお一人と聞いてビックリすると共に、急にこのD51561号機が身近に思えるようになって来ました。大日方孝仁氏は国鉄を解雇されてコンクリートミキサーの運転手などをやられ大変に苦労されたとの事でしたが終始、国鉄が好きで蒸機が好きで、そして郷土長野を愛し、そして国鉄を支えてきながら国鉄の分割は反対をしただけなのに不当な扱を今もされている国鉄労働組合に人一倍の愛情を注がれている事がヒシヒシと伝わって来てました。実は今回の集まりにはJR東日本発足以降、新入社員としては初めて国鉄労働組合に加入した青年部長もご家族で同行しており、この晩はお子さまをお風呂に入れるためにその場にいなかったので、翌朝に彼を大日方孝仁氏と引き合わせて、ご挨拶をする事が出来ました。この場でも組合の話の合間に郷土、長野の思い出話が出てきて一連のお話の中でD51561号機が北海道仕様のデコイチから長野局仕様のデコイチに変身した理由がわかった気がしました。


 最初は”今日は呑みに来たんだ!”と豪語されていた皆様もいつしか併設されている宿の宴会場から抜け出して撮影に没頭していました。もっと早く来れば良いのにぃ…笑   12,04,21 川場村 D51561号機  Canon EOS7D

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コメント一覧

DT200A@CF-Y7
A君
良くもまぁと思える程の連続のご投稿に呆れ返るばかりです。

 話は変わりますが鉄道車両と言うのは原型が一番美しいとされていますが、蒸機で言えば門鉄デフと集煙装置は例外だと思います。C57の集煙装置はイマイチですがデコイチの集煙装置はかっこ良いですよねぇ~その中でも長野式の集煙装置は凛々しくなります。それだけに長野式の集煙装置をまとった川場村のデコイチは魅力的でした。
A君
中津川もD51とC12がゴロゴロしてました。青ナンバーの200号機や777号機とかも撮りました。
数年前に梅小路でじっと200号機を見ていたら、ナンバープレートにうっすらとした青地を見つけて感動しました。
DT200A@P905i
A君
弊ブログの閲覧に止まらず、何を血迷ったのか連続のご投稿まで頂きまして、呆れ顏と共に感謝しております。

〉白ひげといい、本格的です。
すばらしい情熱です。

 あとナンバープレートが水色なんです。と言う事は木曽福島のカマと言う事ですネ!しかしエンドビームのヒゲは篠ノ井のカマの象徴だし・・・あんまり野望な突っ込みはやめましょう!
 そう言えば中学生時代、夏休みにあなたと小海線の復活シゴロクと絡めて中央西線に行ったのが印象的で忘れられません。塩尻の駅の空が煙で覆われていたのが今も眼に焼き付いています。
A君
白ひげといい、本格的です。
すばらしい情熱です。
しかし、どんな会社でも、その人の情熱が上司に向いていなけりゃ邪魔者ですね。
いずこも同じですよ。情けない。
DT200A@P905i
A君
よっぽど暇な時のご投稿、ありがとうございますm(__)m

〉長野型の集煙装置まで作ったのでしょうか。人の情熱とはすごいものです。

 そうなんです。大日向さんの手作りらしいです。さらにデフまで標準型になっています。こんな情熱があり、行動力がある人が所属する労働組合が理由で解雇されるなんて会社にとっても損失だと思いません?
 まぁ、会社側は行動力のある人よりイエスマンが良いんでしょうねぇ~
A君
いやー、びっくりしました。
長野型の集煙装置まで作ったのでしょうか。人の情熱とはすごいものです。
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