DT200Aの庫 (goo-blg)

レサ10000の5051レってご存知ですか?

 転勤後、すぐに入院してしまったのでまだ2回しか通勤していませんが、転勤で通勤に利用することとなった323Mは国府津には07:05着の07:09発で下1番で約4分間停車します。一般の人には御殿場線2531M接続利便のために323Mが下1番に入線すると思っているでしょう。そう、今のタイヤならそれが正解となると思います。しかし実は30年以上前からこの列車は国府津で下1番に入線していました。
 赴任日に久々に乗ったこの列車が昔どおり国府津で下1番に入ると思わず”今も変わらないんだぁ!”と感激してしまいました。では30年前以上前の同列車が国府津下1番に入ったその理由?それは汐留(東京市場)-香椎間のレサ10000回送の5051レ退避のためでした(現在と同じ御殿場線の接続利便と言う意味合いも当時からありました)。ここで勘の良い人なら既に東海道線貨物線が小田原まで延伸されていた時代にもかかわらず、なぜ旅客線に貨物列車が運転されていたのか?更に普通列車が退避するのか?疑問に思うでしょう。そう、そこがこの列車の面白いところでした。


 5051レは金谷駅を9時頃通過したと記憶しています。東海道線の一番列車に乗り、小田原-静岡間を新幹線を利用して静岡から再び東海道線に乗って金谷駅で降り、直ちにタクシーに乗ると何とかこの列車に間に合います。  81,05,30 5051レ  金谷―菊川 

 我々の世代だとレサ10000の特急貨物と言えば東海道・山陽線を疾走する5051レ(上り5050レ)と言うとEF66が8両程度の短いレサ10000を牽引する姿を思い出す方も多いと思います。この列車は汐留駅(実際には汐留からスイッチバックして東京市場駅へ直通していました。)へ鮮魚輸送のために運転されていた列車で上りは汐留駅を深夜に到着し、そのまま荷を降ろすと、とんぼ返りで香椎へ回送となったのですが、この際に東海道貨物線を廻って運転するとそのロス時間がもったいないと言う事で、貨物列車でありながら品川-小田原間は旅客線経由で運転されていました。更に高速で運転されるために国府津では前述の普通電車(現在は323Mですが、30年前の列車番号は失念してしまいました。)を退避させて運転されていました(東京口では国府津の退避だけですが、香椎までは何本もの普通列車を追い抜いたと思われます)。
 この5051レ(上り5050レ)は貨物列車としては一番ランクの高い特急貨Aの列車で高速で運転するために20系客車と同じ密着型自動連結器にブレーキは応荷重式電磁自動ブレーキを備え、最高速度100K/で運転されていました。またこの列車はブルトレ等の長距離旅客列車に準じて国鉄本社指令権限で運転されていたのが特徴です。そのため、遅れに関しては非常にシビアで、時化等で水揚げが遅れ、そのまま上り列車が遅れた場合など、一刻も早く東京市場でのセリ時刻に間に合わすための指令は各鉄道管理局の運転指令ではなく国鉄本社の指令指示が各鉄道管理局の運転指令を介して現場に指示すると言う特異列車で他の列車以上に定時運転が重んじられる列車した。
 人づてに聞いた話ですが、ある日5050レが大幅に遅れてしまい、結果的にはセリに間に合わなかった事があったそうです。そして翌日のセリとして荷を降ろし折返準備をしたところ、下り5051レの汐留発が9時頃になってしまいました。定刻なら下り旅客線は優等列車の走らない時刻なので問題ないのですが、既にそのような時刻ではなくなっていました。品川駅まで運転されてきて品川駅貨物線に到着した5051レの横の東海道線11番線には東京を9時に出た急行”伊豆”が停車していました。当然の様に旅客列車である急行”伊豆”が先行で、開通待ちで5051レが発車と思いきや、とられた運転指令は5051レ先行でした。そう、地方のローカル急行旅客列車より貨物列車の5051レを先行させたのです。国鉄本社としては一刻も早く出して遅れを取り戻さないと、翌日以降の列車も遅らせてしまうと言う思惑があり5051レ先行をとったのだと言うのです。その話を聞いたときに5051レの格の凄さをしったものでしたが、逆にこんな殿様貨物列車というのは後にも先にも見たことも聞いた事もがありませんでした。
 余談ですが、このレサ10000の貨物列車が廃止となった後、当時汐留駅の助役だった人と一緒に仕事をした事がありました。その人によると定時運転なら荷を降ろした後、真水で充分にレサ10000の床を洗浄して折り返したものの、遅れた時等、国鉄本社からお小言を言われた前に、折り返すためにろくろく洗浄もせずに塩が残っているのはわかっていたものの、無理やり折り返した事もあったそうです。それが仇にになって後にレサ10000の床が残った塩水のために腐りきってしまって、晩年は床がいつ抜け落ちるか気が気ではなかったとの事でした。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「鉄ちゃん」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事